減量用サプリは有効・安全か

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.03(2018.01.31)を発表した。また、「【NIH】減量用ダイエタリーサプリメント:消費者向けファクトシート」および「【FDA】リコールの公的警報や通知を強化するための新しい方針決定に関するFDA長官Scott Gottlieb医学博士の声明」を食品安全情報(化学物質)No.03(2018.01.31)別添として発表した。

注目記事

【別添:ODS】減量用ダイエタリーサプリメント:消費者向けファクトシート

米国国立衛生研究書(NIH)のダイエタリーサプリメント局(ODS)が減量用ダイエタリーサプリメントに関する消費者向けファクトシートを公表した。よく使用される成分28種類の安全性と有効性について明らかとなっていることを説明している。

※ポイント: 前号の別添では「運動能力向上のためのダイエタリーサプリメント」に関するファクトシートをご紹介しました。その続編として今号は「減量用」です。ダイエタリーサプリメントの中でこの2つは製品の数と量が多いものです。運動能力向上用と同様に、減量用についても有効性を支持する根拠がないとするものが多く、僅かに体重減少を促すとの根拠があるものでも過剰摂取により安全性に問題があるものがほとんどです。

参考:食品安全情報(化学物質)No.02/2018(2018.01.17)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201802c.html

【EFSA】EFSAは食品中のヒドロキシアントラセン誘導体について健康上の懸念を確認

欧州食品安全機関(EFSA)は、アロエやセンナなどの植物に天然に存在するヒドロキシアントラセン誘導体が食品に添加された場合の安全性について評価した。その結果、特定のヒドロキシアントラセン誘導体に遺伝毒性または/および発がん性が示され、不確実性は存在するものの安全上の懸念があると結論した。

※ポイント: 2017年24号でドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)のアントラノイドを含むアロエ全葉組成物入りフードサプリメントに関する記事を紹介しました。関連していますので、一緒に参考にしてください。

参考:食品安全情報(化学物質)No.24/2017(2017.11.22)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201724c.pdf

【FDA】輸入業者および食品製造業者が食品安全近代化法の新しい基準に適合するのを支援するガイダンス文書を公表

米国食品医薬品局(FDA)は、食品安全近代化法(FSMA)のもとに策定された各種規則の履行を支援するために5つのガイダンス文書を公表した:外国供給業者検証プログラム(FSVP)規則に関するガイダンス案、FSVP規則に関する小規模業者向けコンプライアンスガイド、「同レベルの公衆衛生保護」に関するガイダンス案、予防的管理に関するガイダンス案の第15章、生(未加工)の穀物農産品を扱う特定輸入業者へのFSVP適用に関する執行裁量ガイダンス。

【別添:FDA】リコールの公的警報・通知に関する事業者とFDA職員向けガイダンス案

米国食品医薬品局(FDA)が、企業がリコールの公的警報を発信するべき状況、そうした警報活動の一般的な時間的経緯、警報の内容、企業の対応が不十分な場合のFDAがとるべき行動などを記載したガイダンス案を公表した。リコールの対象となることが想定されるのは、FDA所管のヒトや動物用のあらゆる食品、医薬品及び機器、さらにヒト用のあらゆる化粧品、生物製剤およびタバコ製品などである。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.03(2018.01.31)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201803c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.03(2018.01.31)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201803ca.pdf

今号の目次

【WHO】

1. 国連環境とWHOは環境健康リスクについて大きな協力に合意

【EC】

1. 健康促進と疾患予防の知の入り口

2. 欧州委員会プレスリリース:プラスチックゴミ

3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】

1. EFSAは食品中のヒドロキシアントラセン誘導体について健康上の懸念を確認

2. 栄養素の食事摂取基準: 概要報告書

3. 遺伝毒性評価に関するいくつかの事柄の明確化

4. 化学物質に依らない方法などの他の利用可能な手段で阻止できない植物の深刻な健康危害を制圧するために殺菌剤有効成分を適用する必要性に関するデータの評価のための手順書

5. ピアレビューの過程を改善するための活動計画

6. 有効成分メッシュニコウィア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)についての農薬リスク評価ピアレビュー

7. 有効成分Ampelomyces quisqualis AQ10株についての農薬リスク評価ピアレビュー

8. 既存MRLsのレビューを必要としない農薬有効成分

9. 一般集団に関するフランス食事調査(INCA3)

10. 活性炭を用いた物理的ろ過による魚油中のダイオキシン類及びダイオキシン様PCBsの除去工程の評価

11. 飼料添加物関連

12. 食品添加物関連

13. 遺伝子組換え関連

【FSA】

1. 新規食品についての公開ワークショップへの参加呼びかけ:2018年2月22日

2. 特別レビュー:ハーブレメディと処方薬を併用することの危険性

【BfR】

1. 注目されるキッチンの衛生:テレビの料理番組が私達の衛生習慣に影響を与えている?

【RIVM】

1. 家庭菜園用土壌のヒ素のリスク評価ガイド

【FDA】

1. FDA、Becton Dickinson & Company社に警告、鉛検査問題の調査中に著しい法令違反が発覚

2. 輸入業者と食品製造業者がFSMAの要件に適合するのを支援するガイダンス文書を公表

3. 警告文書

【NIH】

1. サプリメントが運動や食事の習慣の役に立つか?

【CFIA】

1. 食品安全検査公報:2018年01月25日号

【APVMA】

1. APVMAのパフォーマンスは再び向上した

2. APVMAは独立レビューの助言に対応する

【MFDS】

1.日本産輸入食品の放射能検査の結果

2. 可塑剤が検出された酒類製品の追加回収措置

3. スキー場など冬季に大勢が利用する施設の衛生点検結果

4. 2017年輸入食品の動向発表

5. 市中に流通している弁当、ハンバーガーなど調理済み食品中のベンゾピレンは安全な水準

6. 旧正月に需要が多い商品の全国一斉点検

7. サムゲタン・ハムなどの加工畜産物、フィリピンへの輸出の道が開かれる

【HSA】

1. HSAは他国で発見された不正な健康製品に関する情報を更新

【その他】

・食品安全関係情報(食品安全委員会)から

・(ProMED-mail)ウミガメ毒-マダガスカル:致死、子ども

別 添

【NIH】

1. 減量用ダイエタリーサプリメント:消費者向けファクトシート

【FDA】

1. リコールの公的警報や通知を強化するための新しい方針決定に関するFDA長官Scott Gottlieb医学博士の声明