EUのアレルゲン表示新制度

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.26(2014.12.24)を発表した。

注目記事

【FSA】消費者のための新しい食物アレルゲン規則

 2014年12月13日から、レストランや持ち帰り食品にも主要14アレルゲンを消費者に知らせなければならないという新しいEU規則が発効する。対象のアレルゲンはセロリ、グルテン含有穀類、甲殻類、卵、魚、ルーピン、乳、軟体動物、マスタード、木の実、ピーナッツ、ゴマ、大豆、二酸化硫黄・亜硫酸である。英国食品基準庁(FSA)のウェブサイトでは、14アレルゲンに関するインフォグラフィクス、アレルギーについての動画を掲載している。

※ポイント:EUでの食物アレルゲン表示の新しい規則がついに発効されました。これまではアレルゲン表示義務の対象は包装された加工食品などに限定されていましたが、これからは包装されていないレストランや持ち帰りの食品にも拡大されます。レストラン等でのアレルゲン表示については、我が国では消費者庁で議論中です。

【FDA】悲劇的死亡事例が粉末純カフェインの危険性を強調する

 米国食品医薬品局(FDA)の職員が、粉末純カフェインを使用して死亡した青年二人の両親らと会って聞いたことを公式blogで報告した。両親らの話によると、彼らは、生前は健康で摂取するものに気を遣い、粉末カフェインは安全で、安価で簡単に手に入り、塩分や糖を避けられるためエネルギードリンクなどよりも良いと考えていた。正しい摂取量を計算するための換算表までダウンロードしていた。しかし、粉末純カフェインは極少量でも過剰摂取になる可能性がある。FDAはこれまでに粉末純カフェインの危険性についての助言を発表している。

※ポイント:エネルギードリンクに関する助言も同様ですが、カフェイン全てが悪いというのではなく、問題なのは100%カフェインの粉末だと一度に過剰量のカフェインを摂取してしまうところがポイントです。

【FSA他】HolleおよびLebenswertブランドのベビーフードリコール

 スイスのHolleおよびLebenswertブランドのベビーフード(おかゆ製品)にトロパンアルカロイドであるアトロピンとスコポラミンが含まれることが確認されたため、食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)に通知されるとともに各国で当該製品がリコールされている。

※ポイント:複数の国に広く輸出されたので各国でリコールされていますが、問題の製品はオーガニック製品なので健康ショップなどで販売される特殊な製品のようです。あくまでも推測ですが、原料の収穫時に雑草として生えていたトロパンアルカロイドを含む植物が一緒に収穫されたのではないかと思われます。欧州では、過去にソバやマメ製品などでもトロパンアルカロイドを含む植物の混入が報告されていて、通常栽培よりもオーガニック栽培の方が混入しやすいようです。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.26(2014.12.24)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201426c.pdf

今号の目次

【EC】
1. IDEA第二回年次レビューワークショップ
2. 合成生物学についての予備的意見IIへのパブリックコメント募集
3. 食品:EUの消費者は2014年12月13日からより良い表示による利益を得る
4. 食品獣医局(FVO)査察報告書:アイルランド、スペイン
5. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 専門家がTTCについて前向きに議論
2. RNAi報告:次世代のGMOsへのEFSAの準備
3. ビスフェノールAの意見を採用:2015年1月に発表
4. ブルガリアによる遺伝子組換えトウモロコシMON 810の緊急対策通知に関連する欧州委員会からの要請についての科学的意見
5. EUにおける食品の97%以上の残留農薬は規制値以下
6. 食品と接触する物質関連
7. 香料グループ評価

【FSA】
1. 消費者のための新しい食物アレルゲン規則
2. Holle及びLebenswertブランドのベビーフードリコール
3. 英国各地域の「食品とあなた」調査の知見発表
4. 放射能報告発表

【HSE】
1. PRiF:学校果物野菜計画

【NHS】
1. Behind the headlines

【BfR】
1. ベビーフードの香料

【RIVM】
1. 二次中毒のリスク限度導出のための新しい方法

【ANSES】
1. ANSESの科学会議:ミツバチの健康に向けた一日のイベント
2. 動物用医薬品市販後安全性監視(動物用医薬品ファーマコビジランス)

【FDA】
1. ビスフェノールA(BPA):食品と接触するものへの使用
2. FDAは食品表示規制の統一遵守日を発表
3. 回収情報
4. 警告文書
5. 悲劇的死亡事例が粉末純カフェインの危険性を強調する
6. 一緒に:食品の安全なアメリカ

【NTP】
1. 金属コバルトのF344/N ラット及びB6C3F1/Nマウスでの毒性試験、並びにF344/NTac ラット及びB6C3F1/Nマウスでの毒性・がん原性試験(吸入試験)の NTPテクニカルレポート

【EPA】
1. EPAは生殖や発達への有害影響の可能性がある有害化合物から消費者を守るために対策をとる
2. EPAは有害化合物が市場に入るのを防ぐ
3. EPAは人々を有害な鉛暴露から守るために対応

【FTC】
1. FTCは一時的に流行する減量製品の取り締まりを続ける
2. FTCはSensa減量サプリメントを購入した消費者に合計2,600万ドル以上の払戻小切手を送付

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. MRLが設定されていない低レベルの農薬及び動物用医薬品の管理についての提案

【TGA】
1. 安全性助言

【MPI】
1. 輸出用乳児用ミルクの新しい表示基準
2. ツバメの巣の密輸者を送還

【香港政府ニュース】
1. 果実・野菜検体から農薬検出

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 海外のインターネットサイト販売製品から性機能改善及びダイエット効果がある危害成分検出で購入に注意警告
3. 海外のインターネットサイト販売製品から性機能改善、筋肉の強化及びダイエット効果がある危害成分検出で購入に注意警告
4. 食品医薬品安全庁、不良食品根絶のためのコミュニケーションの機会を提供
5. 冬の旬の海産物、安心してお召し上がりください
6. ベンゾピレン超過検出「香味油」製品の回収措置
7. 日本への輸出食品、国内検査により日本で迅速通関!

【HSA】
1. HSAは二人の患者が入院したオンライン購入の2つの違法減量製品について警告

【その他】
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