二酸化チタン安全性評価の更新

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.11(2021.05.26)を発表した。

注目記事

【WHO】WHO食品安全世界戦略の原案に関するパブリックコメント募集

 2020年、第73回世界保健総会(WHA)において「食品安全の取組み強化」(Strengthening efforts on food safety)決議が採択された。その決議の中で、現在と新興の課題への取組み、新しい技術の利用、食品安全システムを強化するための革新的アプローチの導入に向けて、世界保健機関(WHO)の食品安全世界戦略の更新が求められたことを受けて、WHO事務局が原案を準備した。この食品安全世界戦略原案は、国の食品安全システムを強化し、地域および世界の協力を推進するための、WHO加盟国向けの青写真かつガイダンスとなる。2021年6月18日までパブリックコメントを募集する。

戦略的優先順位:

  1. 国の食品管理を強化する
  2. 食品システムの世界的な変化と転換による食品安全上の課題を同定し対応する
  3. リスク管理の決定にフードチェーンの情報、科学的根拠、リスク評価の利用を増やす
  4. 利害関係者の関与とリスクコミュニケーションを強化する
  5. 国内および国際的な食品貿易における不可欠な要素として、食品安全を推進する

※ポイント:前回(2010年)のWHA食品安全決議が2022年に最終年を迎えることから、昨年新たなWHA決議が採択されました。新しいWHA決議では、以前とは異なり、WHOだけでなく加盟国による食品安全への取組みを呼び掛けていることを受けて、WHOの戦略原案も加盟国に主眼が置かれた内容になっています。

【EFSA/FSAI】二酸化チタン:E171は食品添加物として使用することは安全でないとみなす

 欧州食品安全機関(EFSA)は、2020年3月の欧州委員会(EC)からの要請により、食品添加物である二酸化チタン(E171)の安全性評価を更新した。入手可能な科学試験およびデータをすべて考慮すると、二酸化チタンはもはや食品添加物として安全とは考えられないと結論した。この結論に達した重要な要素は、遺伝毒性の懸念が排除出来ないという結論に至ったことである。

※ポイント:二酸化チタンは古くから食品添加物としてさまざまな食品に広く使用されているため、今回のEFSAの評価結果はEU以外の国でも多くの反響を呼ぶと考えられます。今後の二酸化チタンの食品添加物としての取扱いについては、他国のリスク評価機関がEFSAの報告書をレビューして、どのような判断を下すのかが注目されます。

【ATSDR】パーフルオロアルキル化合物の毒性学的プロファイル

 米国毒性物質・疾病登録庁(ATSDR)の毒性学的プロファイルは、毒性物質について、その時点での毒性と健康への有害影響情報を簡潔に述べたものである。2021年5月、ATSDRはパーフルオロ化合物の毒性学的プロファイルを公表した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.11(2021.05.26)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2021/foodinfo202111c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. WHO食品安全世界戦略の原案に関するパブリックコメント募集
2. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. FAOは全ての人に健康的食事を確保する新しい栄養戦略を実施する
2. 世界は持続可能な農業・食料システムの必要性に集まる
3. 病害虫と農薬管理についてのQ & A
4. 健康と農業・食料システムの強化は手を携えて行わなければならない
5. Codex

【EC】
1. 新しいゲノム技術:EUは前に進む道を開く
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 二酸化チタン:E171は食品添加物として使用することは安全でないとみなす
2. リスク同定に関連する食品添加物のナノ粒子の物理化学的特性
3. ミツバチの保護:リスク評価のための新たな方法
4. 規制製品:申請者を支援するオンラインセミナーシリーズ
5. EuroCigua プロジェクト報告書
6. 農薬関連
7. 食品酵素関連
8. 遺伝子組換え関連
9. 飼料関連

【FSA】
1. ゲノム編集と食品の未来

【FSS】
1. FSSの今後5年間の戦略はスコットランド人の食生活を中心に取り組む

【DHSC】
1. カフェ、レストラン、持ち帰りでメニューへのカロリー表示導入予定

【ASA】
1. 世界的に広告自主規制を強化する憲章
2. ASA裁定

【BfR】
1. ファイルアクセスで知的所有権を失う?

【RIVM】
1. オランダの海藻摂取
2. 食品中植物毒素 我々はどれだけ摂取している?
3. オランダの放射能モニタリング -2019年の結果
4. オランダ人集団の塩と砂糖の一日摂取量に与える食品組成改善国家合意の影響推定

【ANSES】
1. マスにおけるグリホサート急性暴露の影響

【FSAI】
1. EFSAが二酸化チタン(E171)を食品添加物として使用することはもはや安全でない
2. Breakfast Bite6月3日:食品事業での安全な食品管理方法
3. リコール情報

【FDA】
1. FDAはFSVP記録申請の産業用ポータルを開設する
2. FDAは革新的な食品トレーサビリティツールを求め、技術により前進する食品安全に関する対話を行う
3. 警告文書
4. リコール情報

【EPA】
1. EPAは飲料水処理可能性データベースに新たなPFASを追加

【ATSDR】
1. パーフルオロアルキル化合物の毒性学的プロファイル

【USDA】
1. スペシャリティ作物規制援助ワークショップ

【NIH】
1. COVID-19時のDietary Supplement

【FTC】
1. FTCは詐欺的CBDマーケティングを止めるための最新の執行活動を発表

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. ウェビナー案内 将来の食品-革新、課題、機会

【TGA】
1. 法的措置

【香港政府ニュース】
1. 食品安全センターはソウギョのサンプルにマラカイトグリーンを検出
2. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 福島関連
3. 輸入アワビ・サザエどこまで区別してる?
4. フキ、山菜など計4件残留農薬基準超過
5. 海の紫宝「アメフラシ(海カタツムリ)」注意報
6. 食薬処、偽食品原料判別技術開発
7.「COVID-19治療・予防」虚偽・誇大広告に騙されないでください!
8. 食薬処、南陽乳業ブルガリス製品「食品表示広告法」違反で告発措置
9. リンゴジュース4製品でパツリン基準超過検出
10. 健康的な食生活を実践します! 政府、「韓国人のための食生活指針」発表
11.「家庭の月」に備え多消費健康機能食品などの点検結果
12. 輸入食品HACCP認証制度施行のための第一歩
13. 家飲み-一人酒増COVID-19時代、輸入酒類減少傾向
14. オンライン注文製作ケーキ回収・検査結果発表
15.「あまり甘くなく、あまり塩辛くなく」実践映像コンテンツ公募
16. 食薬処、業界と協力して食品中有害物質生成を減らす
17. 回収措置

【その他】

●食品安全関係情報(食品安全委員会)から

●Eurekalert4件