牛肉O103感染源特定されず

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.23(2019.11.13)を発表した。

注目記事

【米国】牛ひき肉に関連のO103感染アウトブレイク

 米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)、複数州の公衆衛生当局、および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、牛ひき肉に関連して複数州にわたり発生した志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O103感染アウトブレイクを調査した。

 2019年6月18日までに、大腸菌O103アウトブレイク株感染患者が10州から計209人報告された。患者の発症日は2019年3月1日〜5月1日であった。患者の年齢範囲は1歳未満〜84歳。情報が得られた患者191人のうち29人が入院した。溶血性尿毒症症候群(HUS)患者2人が報告されたが、死亡者は報告されなかった。

 疫学調査および検査機関での検査から得られたエビデンスは、牛ひき肉が本アウトブレイクの感染源である可能性が高いことを示した。USDA FSIS、ケンタッキー州およびテネシー州の担当部局は、患者が食事をしたと報告したレストランおよび施設で牛ひき肉検体を採取した。検査機関での検査により、テネシー州で採取された牛ひき肉検体から大腸菌O103アウトブレイク株が検出された。

 本アウトブレイクの患者が喫食した牛ひき肉は供給元が多岐にわたっており、共通の供給業者、流通業者、ブランドのいずれも特定されなかった。消費者は牛ひき肉を安全に取り扱い、十分に加熱すべきである。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.23(2019.11.13)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201923m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)の食品安全近代化法(FSMA)の施行による効果の評価に関する声明

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 牛ひき肉に関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Dublin)感染アウトブレイク(初発情報)
2. 牛ひき肉に関連して発生した志賀毒素産生性大腸菌O103感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. カルバペネム耐性腸内細菌科菌群に関するリスク評価報告書 - 改訂第2版

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. イタリアの伝統的なRTE(そのまま喫食可能な)食品のリステリア(Listeria monocytogenes)汚染の定量的リスク評価

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. ボトル入り飲料水の回収に関する声明

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 中南米における食品安全:重要な地域的特性と世界的な取り組み

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(23)