気候変動での公衆衛生リスク

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.15(2019.07.24)を発表した。

注目記事

【WHO】気候変動がもたらす公衆衛生リスク

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)の報告。気候変動は、直接的および間接的に食品安全に大きな影響を及ぼして公衆衛生リスクをもたらす可能性がある。

 降雨パターンの変動、異常気象の増加および年間平均気温の上昇が発生しており、人類はこのような気候変動による影響と向きあわなければならない。気候変動は、細菌・ウイルス・寄生虫・有害藻類・真菌類とこれらを媒介する生物の生残と出現、これらによる食品由来疾患の発生パターン、および毒素汚染のリスクに影響を与えると考えられる。

 そのほか、害虫発生状況が変化することにより、植物性・動物性食品における残留農薬および残留動物用医薬品の状況も影響を受ける。また気候変動により、栽培される農作物の種類・栽培方法・土壌・堆積物の拡散・長距離の大気循環等が変化することで、重金属および残留性有機汚染物質による食品汚染リスクが上昇する。

 気候変動のこのような影響に対する準備および対応に関して、世界保健機関(WHO)は農業・環境・その他の関連国際機関と協力し、各国当局、特に最も大きな影響を受ける国および低・中所得国の当局を支援する準備を整えておかなければならない。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.15(2019.07.24)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201915m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】

1. 食品安全 - 気候変動に伴う問題点および世界保健機関(WHO)の役割

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. Northfork Bison Distributions社が製造したバイソンひき肉に関連して発生している志賀毒素産生性大腸菌(STEC)感染アウトブレイク
2. 冷凍生マグロ製品に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Newport)感染アウトブレイク(最終更新)
3. カット済みメロンに関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Carrau)感染アウトブレイク(最終更新)

【欧州食品安全機関(EFSA)】

1. 今日の食品関連課題に対する欧州の消費者の意識:初の世界食品安全デー(World Food Safety Day)に欧州連合(EU)レベルの最新の調査結果を発表

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】

1. イングランド公衆衛生局(UK PHE)がエジプトへの旅行者に対して助言を発表

【ProMed mail】

1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(20)