低アクリルアミドGM馬鈴薯

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.12(2017.06.07)を発表した。

注目記事

【FSANZ】遺伝子組換えジャガイモ系統への意見募集

オーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)は、多数の遺伝子組換えジャガイモ系統由来食品の認可申請について意見を募集する。いくつかは褐変と調理中にアクリルアミドが生じることを抑制し、一部はある種の葉枯病耐性に組換えられている。これらジャガイモ系統はそのジャガイモ自身の遺伝子あるいは野生ジャガイモ種の遺伝子を用いて組換えられた。公衆衛生や安全上の問題はみつからず、これらジャガイモは普通のジャガイモと同じように安全であることを確認している。

※ポイント:アクリルアミドは海外ではリスク管理が必要と考えられる優先順位が高い食品汚染物質です。一般的には高温調理を避けましょうという調理方法を変えることによるリスク低減化が呼びかけられていますが、それよりも原材料レベルでリスク低減化につながる有効手段の一つとして開発が進んでいるのが、アクリルアミドの生成量が少なくなるように改良された遺伝子組換えジャガイモです。

【MFDS】飲食店の衛生等級制施行で消費者の安全の責任を

韓国食品医薬品安全処(MFDS)は、外食利用率の増加を受けて、飲食店衛生管理水準を評価し、「非常に優秀(★★★)」「優秀(★★)」「良い(★)」の3段階で等級を付与するという「飲食店衛生等級制」を5月19日から本格施行した。衛生等級指定業店は、出入り検査を2年間免除、衛生等級表示板の提供、食品振興基金を活用した施設・設備の改・補修などの恩恵が与えられる。食薬処は、飲食店間の競争による衛生水準向上に食中毒の発生減少、消費者の選択権保障及び営業者の売上高向上が期待されるとしている

※ポイント:韓国では、衛生管理のレベルで飲食店に格付けする制度を始めたようです。似たような取り組みは他国でも実施されていて、有名なのが英国FSAによるイングランド、ウェールズ及び北アイルランドにおける“食品衛生格付け方式(FHRS:Food Hygiene Rating Scheme)”で、0(緊急に改善が必要)~5(衛生水準が非常に良い)の6段階の格付けとなっています。ともに、消費者が店舗を選択する時の判断を支援することを目的としています。

【EFSA】乳児をさらに守る最新の科学

欧州食品安全機関(EFSA)は、生後16週間以内の乳幼児用食品に存在する物質のリスク評価に関するガイダンスを発表した。今後、食品添加物の評価を含む食品の安全性に関連するEFSAの評価に適用する予定である。

【EFSA】緊急助言の必要性への対応に関するEFSA手引書

EFSAの緊急時対応マニュアル。EFSAによる緊急助言を作成するのに成功の鍵となる枠組みは、柔軟性があり、それぞれの特殊な状況に十分に適応可能なことである。定期的にレビューして改訂していかなければならない。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.12(2017.06.07)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201712m.pdf

今号の目次

【EC】
1. 査察報告書
2. SCHEER:生命医学研究、製品や機器の生産や試験におけるヒト以外の霊長類の必要性:最終意見
3. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EFSA加盟国のリスクコミュニケーションハンドブック改訂
2. 食事摂取基準:EFSAはビタミンKに関する助言を発表
3. ミツバチの健康:EFSAはデータ収集の必要性の概要を述べる
4. 緊急助言の必要性への対応に関するEFSA手引書
5. 食品と接触する物質
6. カキ/日本の柿及びザクロのクロルピリホス-メチルの既存MRLs改訂
7. 遺伝子組換え関連:トウモロコシNK603のリスク評価に関するEFSAのGMOパネルの以前の結論についての新しい科学論文(Mesnage ら, 2016 )の妥当性
8. 香料グループ評価:香料グループ評価 226改訂1(FGE.226 Rev1)についての科学的意見:FGE.19 の化学サブグループ 1.1.1(b)の 1つの α,β-不飽和アルデヒドの遺伝毒性データについての考察
9. 飼料添加物関連:雌豚用飼料添加物としてのBacillus subtilis PB6(Bacillus subtilis ATCC PTA-6737)の安全性と有効性
10. 乳児をさらに守る最新の科学

【NHS】
1. Behind the headlines

【BfR】
1. 消費者の健康を守るために、独立した科学的根拠のあるリスク評価が必須である

【FDA】
1. 輸入食品の安全性を進歩させるための現代的で統合されたアプローチをとる
2. FSVP:コンプライアンス日が近づいたため輸入業者の重要な事実を
3. FDAの検査でグルテンフリー基準は高いコンプライアンスを確認
4. リコール
5. 警告文書
6. 1年経って、FDAは消費者を安全でない食品からより良く、より強く、守っている
7. パートナーシップを通じて輸入食品の安全性を向上させる

【FTC】
1. FTCはグリーンコーヒー減量サプリメントを購入した人々に合計約200万ドルの追加の返金小切手を送付

【CFIA】
1. カナダ人のための安全な食品基準案

【FSANZ】
1. 遺伝子組換えジャガイモ系統への意見募集
2. 食品基準改訂No. 170
3. 食品基準通知

【APVMA】
1. ナチュラル製品はAPVMAの登録が必要な場合がある-Parra Trooperについての声明

【TGA】
1. 安全性警告

【香港政府ニュース】
1. 違法ミルクのリコールを命じた

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
3
2. 飲食店の衛生等級制施行で消費者の安全の責任を
3. ベンゾピレンが基準を超過して検出された「ごま油」製品の回収措置
4. 誰でも簡単に行うことができるナトリウム低減料理を作る
5. ナトリウム含量の比較表示制度の本格実施
6. ともに食品安全を、健康的な大韓民国 – 第16回食品安全の日の記念式開催

【AVA】
1. MUJIりんご&ぶどう果汁100%ドリンクの自主回収

【FSSAI】
1. 食品強化に弾みがつく FSSAIはアーリーアダプターを表彰

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)キノコ中毒 米国:(カリフォルニア)
・(EurekAlert)良くあるクラスの化合物がDNA修復メカニズムを破壊してがんをおこす
・(EurekAlert)何がMonterey Bayでの観察された中で最も有毒な藻類の大発生を引き起こしたのか?
・(EurekAlert)ナッツアレルギーの診断と管理のための初めての単一のガイダンス