食肉の衛生・安全確保のしくみ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.07(2017.03.29)を発表した。

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【英国食品基準庁】英国食品基準庁の赤身肉および家禽屠体の検査では99.57%が合格

 英国食品基準庁(UK FSA)の食肉衛生検査官(MHI:Meat Hygiene Inspector)および公認獣医師(OV:Official Veterinarian)は、すべての赤身肉および家禽屠体の汚染について目視検査を行い、その結果、これらの99.57%が検査を合格している。残りの0.43%が不合格で、食品事業者に返送され、事業者は是正措置を講じなければならない。以上がFSAの職員が1年365日毎日行っている業務である。検査に合格しなかった場合は衛生認証マークを得られず、ヒトのフードチェーンに流入することはない。

 衛生管理の不備は看過できないもので、FSAは、食品事業者が食肉汚染を防止するためまず第一に確実に衛生手順を改善するよう確固たる強制措置を講じている。最終的に衛生水準の改善や公衆衛生リスクの低減が実現できなかった場合は、当該施設の操業許可の取り消しも含めた強制措置を講じている。食肉製造が公衆衛生および動物の健康・福祉を遵守していることを消費者に保証するために衛生管理の法的システムを効果的に発動する方策として、現場での食肉検査は現在でも極めて重要かつ不可欠なため、FSAはこの検査を廃止する予定はない。

 食肉汚染に関する最近のメディア報道では、フードチェーンに流入する食肉の衛生状態、および食肉の安全性確保のためにFSAが行っている業務に関する説明が十分になされていない。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.07(2017.03.29)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201707m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. I.M. Healthyブランドの大豆バター製品「SoyNut Butter」に関連して複数州にわたり発生している志賀毒素産生性大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(2017年3月21日付更新情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:大腸菌感染アウトブレイクを調査中(2017年3月13日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. ドバイのレジオネラに関する疫学更新情報(2017年3月9日付):ドバイから欧州に帰国した旅行者で国外旅行関連のレジオネラ症患者数が2016年10月1日以降に増加

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州連合(EU)域内のヒト、動物および食品由来の人獣共通感染症細菌と指標細菌の抗菌剤耐性に関する年次要約報告書(2015年)
2. 新興リスクを特定するための新しいテキストマイニングツールの試験

【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】
1. カンピロバクター症に関する2006~2015年のデータ(2016年11月現在)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が行っている食肉検査について

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報