日本フードサービス協会(JF)は2023年5月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数228、店舗数36,529店=98.7%)合計の売上高は111.8%と2桁の拡大。客単価は際立って上昇したが、客数は103.7%と前年同月を上回った。
売上高はすべての業種・業態が前年を上回った。ほとんどの業種・業態が前年比10%以上の伸びを示した。客数は洋風ファストフードサービス(FFS)が1.4%減となったが、他はいずれも前年比増。客単価はすべての業種・業態で前年より上昇している。
洋風FFSの客数減については、休日数が前年より1日少ないことや価格改定の影響などが考えられる。今回調査では洋風FFSの客単価は10.4%上昇しており、これはパブ・ビアホール(112.6%)、喫茶(111.4%)に次ぐ大幅な上昇となっている。
JFによる概況は以下のとおり。
5月は、8日に新型コロナの位置づけが感染症法2類から5類へと移行し、コロナによる行動制限がなくなり、GW後半の月初から店内飲食の好調が続いた。帰省客、国内観光客、インバウンドともに消費が旺盛で、外食全体の売上は111.8%、19年比でも107.6%となった。ただ、前月同様に売上昨対比は上がっているものの、食材・エネルギー・物流・人件費等の上昇と人手不足による時短営業などが経営上のマイナス要因となっていることは否めない。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2023年5月)
事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=228) | (N=36,529) | 111.8% | 98.7% | 103.7% | 107.8% | |
ファストフード | 合計 | (N=55) | (N=21,248) | 110.4% | 99.8% | 102.2% | 108.0% |
洋風 | (N=19) | (N=6,317) | 108.9% | 101.2% | 98.6% | 110.4% | |
和風 | (N=15) | (N=5,065) | 114.0% | 99.2% | 107.3% | 106.3% | |
麺類 | (N=19) | (N=3,155) | 114.3% | 99.0% | 104.9% | 108.9% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=20) | (N=4,355) | 107.8% | 99.2% | 100.9% | 106.9% | |
その他 | (N=7) | (N=2,356) | 108.8% | 100.2% | 100.8% | 107.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=67) | (N=10,303) | 112.0% | 98.1% | 106.3% | 105.4% |
洋風 | (N=34) | (N=5,193) | 111.9% | 97.9% | 106.9% | 104.7% | |
和風 | (N=32) | (N=2,564) | 114.1% | 97.7% | 105.6% | 108.0% | |
中華 | (N=13) | (N=1,183) | 110.6% | 101.1% | 106.2% | 104.1% | |
焼肉 | (N=17) | (N=1,363) | 110.6% | 96.7% | 102.6% | 107.8% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=36) | (N=1,866) | 122.5% | 90.0% | 113.2% | 108.3% |
パブ・ビアホール | (N=10) | (N=389) | 128.1% | 94.0% | 113.8% | 112.6% | |
居酒屋 | (N=30) | (N=1,477) | 119.9% | 89.0% | 112.8% | 106.3% | |
ディナーレストラン(計) | (N=27) | (N=981) | 114.6% | 93.8% | 108.7% | 105.4% | |
喫茶(計) | (N=24) | (N=1,870) | 118.8% | 100.5% | 106.7% | 111.4% | |
その他(計) | (N=19) | (N=261) | 116.4% | 100.4% | 109.5% | 106.3% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は55、店舗数は21,248店(99.8%)。客単価は際立って上昇したが、客数は102.2%と前年同月を上回った。売上高は110.4%と2桁の拡大。
洋風ファストフード(事業社数19、店舗数6,317店=101.2%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇し、客数は98.6%と前年同月を下回った。売上高は108.9%と拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,065店=99.2%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は107.3%と増加。売上高は114.0%と2桁の拡大。
麺類ファストフード(事業社数19、店舗数3,155店=99.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.9%と前年同月を上回った。売上高は114.3%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数20、店舗数4,355店=99.2%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。売上高は107.8%と拡大。
その他ファストフード(事業社数7、店舗数2,356店=100.2%)は、客単価は際立って上昇しながら、客数は100.8%と前年並み。売上高は108.8%と拡大。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は67、店舗数は10,303店(98.1%)。客単価は際立って上昇したが、客数は106.3%と増加。売上高は112.0%と2桁の拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数34、店舗数5,193店=97.9%)は、客単価は上昇したが、客数は106.9%と増加。売上高は111.9%と2桁の拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数2,564店=97.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は105.6%と増加。売上高は114.1%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,183店=101.1%)は、客単価は上昇したが、客数は106.2%と増加。売上高は110.6%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数17、店舗数1,363店=96.7%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は102.6%と前年同月を上回った。売上高は110.6%と2桁の拡大。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は36、店舗数は1,866店(90.0%)。客単価は際立って上昇したが、客数は113.2%と2桁の大幅増。売上高は122.5%と2桁の拡大。
パブ・ビアホール(事業社数10、店舗数389店=94.0%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は113.8%と2桁の大幅増。売上高は128.1%と2桁の拡大。
居酒屋(事業社数30、店舗数1,477店=89.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は112.8%と2桁の大幅増。売上高は119.9%と2桁の拡大。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数27、店舗数981店=93.8%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は108.7%と増加。売上高は114.6%と2桁の拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数1,870店=100.5%)は、客単価は2桁アップと大幅に上昇したが、客数は106.7%と増加。売上高は118.8%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数19、店舗数261店=100.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は109.5%と増加。売上高は116.4%と2桁の拡大。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html