食卓書机

ファミレス飲みは需要の潮目

 5月下旬から、外食のある傾向について雑誌やテレビから問い合わせがあり、取材に応じたり出演してお答えしたりということがありました。  それは何かというと、「ファミリーレストランへお酒を飲みに行く人が増えているがなぜか」あるいは「午後の回転寿司店で女子高生が来店してお茶しているのをよく見かけるがなぜか」といった、“業態の変わった利用”に関するものでした。 「よく見かける」とは言っても、実際にどれくら […]
マドレーヌ
スクリーンの餐

「ぼくを探しに」のシューケットとマドレーヌとハーブティー

今回は現在公開中の「ぼくを探しに」の中で重要な役割を持つお茶とお菓子について見ていこう。  本作は長編デビュー作の「ベルヴィル・ランデブー」(2003)や「ぼくの伯父さん」(1958)のジャック・タチの遺したシナリオを映画化した「イリュージョニスト」(2010)等の作品で知られるアニメーション作家シルヴァン・ショメ初の実写作品である。「アメリ」(2001)のプロデューサーであるクローディー・オサー […]
食卓書机

渥美俊一は好成績を危ぶんだ

 机を整理していたら、故渥美俊一氏のお別れの会でいただいた冊子が出てきました。渥美氏が亡くなったのは2010年7月21日。私はその秋に香雪社を設立し、11月にFoodWatchJapanをスタートしました。あれから仕事にかかり切りで、自宅の書斎は荒れ放題。その中でいろいろなことを放ったらかしにしたり、忘れたりしていました。  片づけの手を止めて、しばらく渥美氏のことを思い出していました。やはりいち […]
食卓書机

500の笑顔は500の生命

 1985年8月12日当日を含めれば、日本航空123便墜落事故から30回目の夏の日となります。あの事故で520名の生命が失われました。  航空機の事故率は他の交通機関よりも低いと言われますが、事が起こったときの損害規模が大きいために人々に強い印象を与えます。  旅客機は金のかかる大がかりな装置です。では、いちどきに数百名の生命にかかわるような事故は、そうしたビッグビジネスだけのものでしょうか。   […]
たらいそうめん
スクリーンの餐

「トラック野郎」シリーズの食べもの

本日(8月8日)より公開の「トランスフォーマー」シリーズ(2007~)の最新作「ロストエイジ」に登場するオートボットのリーダー、オプティマス・プライムは炎柄の塗装が施された大型トラックがロボットに変形するものだが、これを見ると思い出すのが日本の「トラック野郎」シリーズに登場する派手な電飾と絵で飾られたアートトラック(デコトラ)である。
食卓書机

客の命を預かる仕事と独創性

 今日はホンダ創業者・故本田宗一郎氏の命日です。  ビジネス界にはときどき“流出文書”というものが現れます。ある会社の内部文書であるはずのものが、どうしたわけか外部に流出し、コピーされて同業者の間で読み継がれ“影のベストセラー”になってしまう。たとえば流通業界では、バブル崩壊の頃にセゾングループの堤清二氏の長い談話と社員への問いかけが書き起こされた「サマーレビュー」なるものが出回りました。  こう […]
本作では大根の神様として描かれた「おしら様」
スクリーンの餐

「千と千尋の神隠し」八百万神の食事

今年の3月14日に公開されたアンデルセンの「雪の女王」をモチーフとしたディズニーアニメ「アナと雪の女王」は、7月16日現在の興行収入が249億円と国内歴代第3位となるメガヒット作品となっており、第2位の「タイタニック」(1997)の272億円も射程に捉えているが、今回はそのさらに上を行く304億円の歴代最高興行収入を記録した「千と千尋の神隠し」について述べていく。
ラドゥ
スクリーンの餐

「マダム・イン・ニューヨーク」のラドゥ

現在公開中の「マダム・イン・ニューヨーク」(2012)は、ボリウッド(第53回参照)の新人女性監督ガウリ・シンディのデビュー作で、邦題の通りニューヨークを舞台にインド人の主婦が苦手な英語を克服すべく奮闘するドラマである(原題は英語をもじった「ENGLISH VINGLISH」)。 ラドゥとインド女性のプライド  シャシ(シュリデヴィ)は、ムンバイの中流家庭で外資系企業に勤めるビジネスマンの夫サティ […]
食卓書机

シルク立国からバイオ立国へ

「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が世界文化遺産に登録されることが決まりました。うれしいニュースです。  日本の養蚕の歴史は古く、しかも昭和初期までは外貨獲得のための最重要産業の一つでした。その後、戦争、化学繊維の登場、安価な海外産の台頭などにより、日本の養蚕業は衰退しました。  しかしカイコとヒトとの付き合いは紀元前15世紀頃からと言われ、カイコは長い歴史を持つ家畜の一つです。とくに養蚕で国 […]
かるキャン
スクリーンの餐

「六月燈の三姉妹」の「かるキャン」と鹿児島の風物

現在公開中の「六月燈の三姉妹」(2013)に登場する創作和菓子をはじめとする鹿児島の食べ物の数々をご紹介する。 六月燈(ろくがつどう)とは  六月燈(六月灯)は、旧暦6月(現在は7月頃)に鹿児島県全域と宮崎県の一部 (都城市など)を含む旧薩摩藩領の地域で行われるお祭りで、薩摩藩第二代藩主島津光久が上山寺新照院に観音堂を建立し、供養のために燈籠を灯したのを領民たちが見習ったことが始まりとされている。 […]
食卓書机

消費増税1カ月で楽観は危険

 2014年4月度「外食産業市場動向調査」(日本フードサービス協会)の結果は、消費増税後最初の動向を考える手がかりとなります。 https://www.foodwatch.jp/jf201404/  この4月に客数が対前年同月をクリアした業態は、ファストフードの「麺類」「その他」(アイスクリームチェーン等)、ファミリーレストランの「洋風」「和風」「中華」「焼き肉」そして「パブ・ビアホール」でした。 […]
家畜個体識別国家システム(SINIIGA)の法制化のPR
戦術・戦略

売りたい国と買いたい国

今年4月9~10日、メキシコシティのワールドトレードセンターで「国際食肉会議(Congreso Inernacional de la Carne)」が開催されました。2004年から始まったというこのイベントは、75社が出展し、そのうち13社が牛肉関連企業です。