外食市場規模190億の大幅減

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2019年10月度調査結果では、外食市場規模が大きく縮小した。

実施率と頻度も過去最低。単価も実質低下

 2019年10月の外食市場規模は、3圏域合計で3140億円。前年同月比(以下、前年比)は−190億円と大幅マイナスで、3カ月連続して前年を下回った。外食実施率(74.4%、前年比増減−2.8pt)、外食頻度(4.06回/月、前年比増減−0.11回)が2012年10月の調査開始以来、10月としては過去最低を記録し、逆に外食単価2,529円(前年比増減+32円)は10月としては過去最高額を記録した。

 ただし、外食単価(税込みで回答)の前年比の伸び率は10月から引き上げられた消費税増税分には届かず(前年比増減+1.3%。※消費税が8%から10%に引き上げられたことで、単価は理論上+1.9%が前年同額となる)、実質的には前年比マイナスという捉え方ができる。

 10月は前年に比べてカレンダー上は即位の礼の祝日の分が1日多く、有利なカレンダーだったが、天候上は甚大な被害を招いた台風19号が列島縦断したりと、全国的にも雨量が非常に多く、消費税増税と合わせて外食には厳しい環境であったと考えられる。

2019年10月の外食実施率は74.4%

前月比増減−1.6pt、前年比増減−2.8pt。

外食実施率(2019年10月)

2019年10月の外食頻度は4.06回/月

前月比増減−0.09回、前年比増減−0.11回。

外食頻度(2019年10月)

2019年10月の外食単価は2,529円

前月比増減+82円、前年比増減+32円。

外食単価(2019年10月)

2019年10月の外食市場規模は3140億円

前月比増減−29億円、前年比増減−190億円。

外食市場規模(2019年10月)

アジアン料理と鍋系が好調

 業態別では、主要16業態中、市場規模が前年比プラスだったのは4業態にとどまった。「アジアン料理店」(前年比増減+7億円)、「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」(同+6億円)、等で前年を上回った。

 一方、「居酒屋」(前年比増減−51億円)、スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(前年比増減−29億円)、「和食料理店」(前年比増減−25億円)等11業態では、市場規模が前年を下回った。

 延べ外食回数でもっとも伸びたのは「アジアン料理店」で前年比+15万回、また、単価が最も伸びたのは「カラオケボックス」で前年比+399円だった。

「アジアン料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「カラオケボックス」は延べ外食回数、単価とも前年を上回った。

「カラオケボックス」は8カ月ぶりに市場規模が前年比プラス。荒天と消費税増税が、手軽な室内レジャーに追い風であった可能性も考えられそうだ。

前年比プラス業態

「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「カラオケボックス」

前年比±0の業態

「ファストフード」

前年比マイナス業態

「和食料理店」「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「ラーメン、そば、うどん、パスタ、ピザ等の専業店」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2019年10月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201910

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9000〜1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

稲垣昌宏
About 稲垣昌宏 27 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。