60代の外食利用が伸び悩む

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2018年9月度調査結果では、外食市場規模が2カ月ぶりに前年を下回った。60代男女のシニア層の外食控えが響いた。

外食市場規模は前年比−61億円

 2018年9月の外食市場規模は、3圏域合計で3,245億円。前年同月比(以下、前年比)は−61億円で、2カ月ぶりに前年を下回った。外食実施率(75.9%、前年比+0.6ポイント)は前年を上回ったが、外食頻度(4.21回/月、前年比−0.01回)と外食単価が前年割れした。とくに外食単価(2,455円、前年比−63円)が響いた。

 性年代別では、60代で男女そろって外食実施率と単価が前年を割り込み、とくに60代女性の外食実施率は2012年10月の調査開始以来、過去二番目に低い70.6%(前年比−2.1ポイント)とシニア層の外食控えが市場規模に表れた。

 カレンダー上は土日祝の合計数が前年に比べると2日多く有利な面もあったが、天候面では2つの台風が本州に上陸した。

 圏域別には、関西圏のみが市場規模が前年比+34億円と3カ月ぶりに市場規模がプラスとなった。要因は6月以来の外食実施率・頻度・単価ともにプラスであったことによる。首都圏、東海圏は市場規模が前年比マイナスで、とくに首都圏は外食単価(2,476円、前年比−101円)が響いて、市場規模も前年比−86億円と大幅マイナスであった。

2018年9月の外食実施率は75.9%

前月比増減−2.1pt、前年比増減+0.6pt。

外食実施率(2018年9月)

2018年9月の外食頻度は4.21回/月

前月比増減−0.11回、前年比増減−0.01回。

外食頻度(2018年9月)

2018年9月の外食単価は2,455円

前月比増減−54円、前年比増減−63円。

外食単価(2018年9月)

2018年9月の外食市場規模は3,245億円

前月比増減−257億円、前年比増減−61億円。

外食市場規模(2018年9月)

肉系伸びて中華は前年超えストップ

 業態別では、主要16業態中、9業態で市場規模が前年比プラスで、とくに「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比増減+38億円)の伸びが顕著であった。同業態はこれで4カ月連続の市場規模前年超え。

 逆に「和食料理店」(同−31億円)、「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」(同−25億円)、「フレンチ・イタリアン料理店」(同−24億円)などが前年比でマイナスの大きい業態であった。

 連続して前年実績を上回っている業態は、「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」が14カ月連続と好調を続けているが、先月まで13カ月連続してプラスに推移していた「中華料理店」は14カ月目にして記録がストップした。

 今回延べ外食回数と単価の両方が前年比プラスの業態は主要16業態中5業態。延べ外食回数でもっとも伸びたのは「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」で前年比+75万回、また、単価が最も伸びたのは「アジアン料理店」で前年比+150円などとなっている。

前年比プラス業態

「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「カラオケボックス」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

前年比±0の業態

「その他各国料理店」

前年比マイナス業態

「和食料理店」「中華料理店」「フレンチ・イタリアン料理店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「居酒屋」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2018年9月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201809

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約9000~1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

稲垣昌宏
About 稲垣昌宏 15 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。