外食はするが酒は飲まない傾向

外食・中食の単価は変わらないが、利用回数は伸びている。とくに、男女とも40代で外食が伸びている。しかし、食事のときの飲酒は減少している——ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2018年度調査結果からわかった。

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2018年の外食市場調査結果を発表した。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の男女約1万人を対象に実施している「ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査」の2018年度の年間結果(外食&中食動向)を取りまとめた。

 これによると、2018年度は外食市場・中食市場ともに2年連続して前年度比プラスであった(外食+1.5%、中食+4.9%)。利用ごとの単価は、外食・中食とも前年並みであったが(外食+0.2%、中食+0.3%)、延べ回数の増加(外食+1.2%、中食+4.6%)で市場規模は拡大した。

 この3年間で市場規模が伸びたのは「ファストフード」(3年前比+21.9%)、「アジアン料理店」(同+18.1%)、「焼肉等」(同+18.1%)。また、飲酒を伴う外食の割合 は、とくにシニア層において減少、シニア層の外食が、飲み会から普段の食事の場にシフトしている。

40代の外食が伸びる。しかし飲まない

外食単価は変わらず延べ回数が増加

 首都圏・東海圏・関西圏の3圏域計における2018年4月〜2019年3月の年間の外食市場規模は前年度比+1.5%(4兆1350億円)と推計された。

 外食単価は前年並みであったが、外食実施率・外食頻度ともに微増、延べ回数が増加して市場規模は拡大した

外食市場が拡大しているのは40代

 性年代別には、3圏域計において「男性/40歳代」が、延べ回数シェア、市場規模シェアともに最も高い。

 対前年度比で延べ外食回数が最も伸びた性年代は「女性/20歳代」、外食市場規模が最も伸びた性年代は「女性/40歳代」。この5年間で外食市場規模が大きく増加した性年代は男女ともに「40歳代」であった。

居酒屋は依然外食市場規模の2割を占める

 業態別の延べ外食回数シェアは「居酒屋」が16.8%で最大で、外食市場規模では22.8%を占める。

 この3年間でとくに伸びを見せているのは「ファストフード」「アジアン料理店」「焼肉等」であった。

外食時の飲酒は減少している

 夕方以降の外食における飲酒割合は、3年前に比べ全体で1.0ポイント減少した。性年代別では「男性/60歳代」で3.3ポイント減少、「女性/60歳代」で2.9ポイント減少、「男性/50歳代」で2.8ポイント減少した。

20代女性の利用が最も伸びている

中食実施率・中食購入頻度とも過去最大

 3圏域計における2018年4月〜2019年3月の年間の中食市場規模は前年度比+4.9%(1兆2188億円)と推計された。中食単価は前年並みであったが、中食実施率・中食購入頻度ともに調査開始以来最も高く、市場規模は拡大。

40代男性が最も中食を利用している

 3圏域計において、性年代別には「男性/40歳代」が延べ回数シェア、市場規模シェアともに最も高い。対前年度比で延べ中食購入回数が最も伸びた性年代は「女性/20歳代」であった。

調査概要

調査目的:首都圏、関西圏、東海圏における、夕方以降の外食および中食の市場規模を把握することを目的に実施。また、業態別の市場規模や、性年代別の外食・中食の実態を明らかにすることも目的とした。

調査方法:インターネットによる調査

調査対象:首都圏、関西圏、東海圏の各圏域中心部からの鉄道距離が、おおむね首都圏:90分圏、関西圏:80分圏、東海圏:60分圏の市区町村に住む20〜69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)。

居住地の範囲

首都圏
東京都(一部除外)、神奈川県(一部除外)、千葉県(県東、県南の一部除外)、埼玉県(県西の一部除外)、茨城県の一部
関西圏
大阪府全域 、兵庫県(県北の一部除外)、京都府(府北の一部除外)、奈良県の一部、滋賀県の一部
東海圏
愛知県(一部除外)、岐阜県の一部、三重県の一部

消費地の範囲

首都圏
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県
関西圏
大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県
東海圏
愛知県、岐阜県、三重県
本調査での外食および中食の定義
外食:夕方以降の食事について、各圏域の居住者が各圏域の対象都府県内の店で食事した場合(1日2回まで)を対象としている。各圏域の居住者が対象都府県外で行った外食は含んでいない。
中食:夕方以降の食事について、各圏域の居住者が各圏域の対象都府県内で出前や宅配を利用して食べた場合(1日あたり2回まで。購入金額の上位2位まで)を対象としている。各圏域の居住者が対象都府県外で購入した中食は含んでいない。
※2018年度外食&中食動向(2018年4月~2019年3月:東名阪夕食)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/column/20190911