4月では過去最高の市場規模

ホットペッパーグルメ外食総研による外食市場調査の2018年4月度調査結果では、外食市場規模は11カ月連続で前年超えとなった。また、市場規模と外食実施率は当調査の4月としては過去最高を記録した。

外食市場は前年比+219億円、4カ月連続で全圏域プラス

 2018年4月の外食市場規模は、3圏域合計で3,412億円。前年同月比(以下、前年比)は+219億円と、11カ月連続して前年を上回った。外食実施率・頻度・単価の3指標がそろって2カ月連続で前年を上回り、4カ月連続で3圏域(首都圏、関西圏、東海圏)とも市場規模が前年を上回った。また、外食実施率は76.6%(前年比+1.9ポイント)。この市場規模と外食実施率は、4月としては過去最高スコア。

 2018年4月は前年と比べると土・日・祝日の日数は同じであったが、全国的に好天に恵まれ、とくに4月21日、22日は関東甲信越各地で真夏日が記録されるなど暑かったことから、外食需要が喚起されたと考えられる。『ホットペッパーグルメ』のフリーワード検索でも、4月にして早くも「ビアガーデン」の検索数が急上昇するといった動きがあった。

 圏域別には、全3圏域で前年比プラスを記録したが、とくに関西圏では外食単価(2,631円、前年比+125円)が3カ月連続して3ケタの前年比伸びを記録しており、市場規模906億円(前年比+70億円)の増加に寄与した。

2018年4月の外食実施率は76.6%

前月比増減−1.8pt、前年比増減+1.9pt。

外食実施率(2018年4月)

2018年4月の外食頻度は4.17回/月

前月比増減−0.20回、前年比増減+0.07回。

外食頻度(2018年4月)

2018年4月の外食単価は2,581円

前月比増減−73円、前年比増減+60円。

外食単価(2018年4月)

2018年4月の外食市場規模は3,412億円

前月比増減−345億円、前年比増減+219億円。

外食市場規模(2018年4月)

主要16業態中13業態が前年比プラス

 業態別では、主要16業態中、「和食料理店」「その他各国料理店」「カラオケボックス」を除く13業態の市場規模が前年比プラス。とくに「居酒屋」(前年比+41億円)、「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」(前年比+30億円)などが市場規模の前年比増加額の多い業態となっている。「居酒屋」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」とも単価は前年比で微減したが、延べ利用回数で前年を大きく上回り、市場規模は増加した。

 これで「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」は14カ月連続して市場規模の前年比プラスが続いたことになり、「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」も11カ月連続で市場規模が前年比プラスで推移している。一方、前月まで10カ月連続して前年比プラスだった「和食料理店」は前年比−13億円で伸びがストップした。

前年比プラス業態

「中華料理店」「レストラン、食堂、ダイニング、洋食店」「フレンチ・イタリアン料理店」「アジアン料理店」「焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店」「お好み焼き、鉄板焼き等の専業店」「すき焼き、しゃぶしゃぶ、鍋、おでん等の専業店」「ファミリーレストラン、回転寿司」「居酒屋」「バー、バル、ワインバー、ビアホール、パブ」「スナック、ナイトクラブ、キャバレー」「ファストフード」「牛丼、カレー等一品もの専売業態」

前年比±0の業態

「カラオケボックス」

前年比マイナス業態

「和食料理店」「その他各国料理店」

※ホットペッパーグルメ外食総研「外食市場調査」(2018年4月度)
https://www.hotpepper.jp/ggs/research/article/marketing/201804

ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査

 ホットペッパーグルメ外食総研・外食市場調査は、リクルートライフスタイル(東京都千代田区、淺野健社長)の外食に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が行っている調査。毎月、首都圏・東海圏・関西圏の約1万人を対象に「外食市場調査」を実施している。

 この「外食市場調査」では、圏域内の生活者による毎日の夕方以降の食事や飲酒について、外食と中食の内容(場所、相手、単価など)をヒアリングし、毎月の外食市場の動きを継続的に可視化している。3圏域限定で朝食・昼食は含まない市場調査ではあるが、飲食店などの事業所ヒアリングではなく、生活者に直接ヒアリングを行っていることから、性年代別や相手別の消費動向がわかり、外食している街や業種の情報が取得できていることが特徴。

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About 稲垣昌宏 56 Articles
ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員 いながき・まさひろ 市場調査をメインに消費者動向から外食市場動向を分析・予測。また、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や講演などを行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」。