スクリーンの餐

カルトの活動を表現する食事

1990年代に大きな社会問題として顕在化したカルト。そして7月8日、その団体の一つへの怨恨が動機と思われる凄惨な事件が発生し、再びカルトへの関心が高まっている。折しも事件当日の7月8日に公開された「ビリーバーズ」は、過去にカルトや過激派が起こしたいくつかの事件をモチーフとした、山本直樹の漫画(2000)を原作とした問題作である。以下、その前半の食べ物絡みのシーンについて書いてみたい。
「劇場版 きのう何食べた?」より。アクアパッツアと一緒に作った「なんちゃってローストビーフ」。
スクリーンの餐

映画が映し出すコロナ禍の食

年末の恒例企画、今年公開された映画の中から印象的な食べ物や飲み物が出てきた作品を厳選したベスト10を発表する。今回の邦画編のキーフードは、牛丼・カレー食べ放題、牛丼弁当、チョコチップスティック、下北沢の老舗店、家庭菜園のジャガイモ、揚げ焼きパン、手打ちうどん、ショコラパフェ、町中華、アクアパッツア、などである。
包装に「ありがとう」をたくさん書いたお茶。おいしいと感じたのは、たぶん「ありがとう」のせいではないと思うのだが
食の損得感情

「波動」の正体(1)

農家を訪ねたり、食に関係するいろいろな人に会っていると、「波動」なるものを語る人によく出くわす。水を入れた容器に、2種類の文字を書いたラベルを貼る。一方には「ありがとう」と書き、もう一方には「ばかやろう」と書く。何日か後に調べると、それぞれの容器内の水の「波動値」に差を生じているとかなんとかという、あれだ。
タケヤマの高松求氏。近年はタケの形、表面の色や蝋の状態も格段に良くなり、タケノコの色と味もさらに向上した。品質向上に、消費者の声が影響した部分もあるのかも知れない
食の損得感情

言うことより買うことが、生産を変える

毎年4月ごろになると、茨城県牛久市の農家高松求氏のタケヤマ(竹を栽培する圃場)にタケノコを掘りに行く(高松求氏については、2005年8月18日の「『オカルト』を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの」でも触れた)。高松氏のお話をうかがい、タケノコを掘るという作業を通じて、植物のこと、農という循環システムのありさま、働くことの意義、仕事の段取りの付け方、地域社会での生き方などなど、教わることが多い。独 […]
EMを使ったモミガラ堆肥の製造を実演する高松求氏
食の損得感情

「オカルト」を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの

やや旧聞に属するが、「光合堀菌」なるものが世間を騒がせている。ある食品を摂取すると、体内に存在しなかった菌が合成されるなどという説明で、どうも菌の存在自体が疑わしい。これは際立った例の一つだが、微生物に関する商品はオカルトや新興宗教と結び付きやすく、詐欺や詐欺まがい商法に利用されることも少なくない。