欧米発のスシ店が上陸する日

 先ごろ日本進出が発表された「Blue Bottle Coffee」(ブルーボトルコーヒー)、東京・清澄白河への1号店出店は2015年2月になり、また3月には東京・青山にも出店することを決めたとのことです。

「ブルーボトルコーヒー」はオーダーを受けて1杯ずつ淹れて提供する日本の喫茶店にインスパイアされたものと伝えられています。それを聞いて思い出すのは、エナジードリンクの「レッドブル」です。これもまた日本のドリンク剤にインスパイアされて事業化したと聞きます。それ以前は、欧米人が栄養剤を飲むとすればタブレット等が常識で、日本のドリンク剤は売れないと思い込まれていたのでした。

 “常識”と思われているものは、実は思い込みであることが多いように考えさせられます。そして、合理的にマーケティングする力のある人は、勝機と見るや一気呵成にマーケットを作る、あるいは一網打尽にするのでしょう。

 そう、ニューヨークでラーメンブームを起こしたのはコリアンの有能な人物でした。彼の最初の店がオープンしたとき、日本人からは「ぬるい」「のびている」と不評で、日本人ジャーナリストからも厳しい意見がついたとか。

 ところが、現地でアメリカ人のラーメンの食べ方を見ていると、店でアルコールを楽しんだ終盤にラーメンを注文して、提供された丼を眺めながらさらにおしゃべりに興じ、頃合いに冷めて軟らかくなったラーメンをもぐもぐとおいしそうに食べているものです。市場を読むとはこういうことかと、納得する光景でした。

 さてさて、のんびり構えていると、そのうち欧米発のスシ・チェーンが上陸してくるかもしれません。

※このコラムはメールマガジンで公開したものです。

齋藤訓之
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Food Watch Japan編集長 さいとう・さとし 1988年中央大学卒業。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、農業技術通信社取締役「農業経営者」副編集長兼出版部長等を経て独立。2010年10月株式会社香雪社を設立。公益財団法人流通経済研究所客員研究員。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。日本フードサービス学会会員。戸板女子短期大学食物栄養科非常勤講師。東京栄養食糧専門学校非常勤講師。亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師。著書に「有機野菜はウソをつく」(SBクリエイティブ)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、共著・監修に「創発する営業」(上原征彦編著ほか、丸善出版)、「創発するマーケティング」(井関利明・上原征彦著ほか、日経BPコンサルティング)、「農業をはじめたい人の本―作物別にわかる就農完全ガイド」(監修、成美堂出版)など。※amazon著者ページ →