背中を丸めて抱え込みたいジェラート「ジェラテリア シンチェリータ」(東京・阿佐ヶ谷)

「ジェラテリア シンチェリータ」(東京・阿佐ヶ谷)
「ジェラテリア シンチェリータ」(東京・阿佐ヶ谷)
「ジェラテリア シンチェリータ」(東京・阿佐ヶ谷)
「ジェラテリア シンチェリータ」(東京・阿佐ヶ谷)
約20種類のフレーバーを提供
約20種類のフレーバーを提供

10月に入って、ようやく、ようやく、朝晩は涼しくなってきました。それでも日中は暑く感じ、まさに異常気象のような気がします。日中はまだまだ水分をこまめに取ったり、着替えもきちんとしながら過ごしたほうがよさそうですね。ただ、自転車にとっては、シーズン本番! 仲間たちがロングライドに向かうのを尻目に、今日も近場をゆっくり漕いでしまうのでした。秋は食べ物がおいしいから、ぜひ、食事をメインのポタリングも企画してみたいと思っています。

インテリアデザイナーからジェラート職人へ

 今回うかがったのは、阿佐ヶ谷にあるジェラート専門ショップ「ジェラテリア シンチェリータ」さん。地元のファンだけでなく、こちらのジェラート目当てに遠方からもお客さんが押し寄せ、今年の夏などはとくに、てんてこ舞いの二乗のような状態だったという。

 こちらの社長にしてジェラートマイスターの中井洋輔さん(32)の経歴が面白い。もともとデザインの勉強をしていた中井さんは、2002年にイタリアに渡り、約2年を過ごす。このとき、インテリアデザインの勉強をするかたわら、好きになっていったジェラートにいつの間にか深~くハマり込むことに。

 ついには、本場のジェラート職人に師事してジェラートのイロハを学び始めた。それまで料理や製菓を専門的に習ったことはなかった中井さんだが、持ち前の旺盛な好奇心と、センス、そしてたぐいまれなる集中力で、ジェラートのコツと本質を体得していった。

本場でジェラートに魅せられた中井洋輔さん
本場でジェラートに魅せられた中井洋輔さん

 帰国後、ジェラートショップ勤務を経て、2010年に「シンチェリータ」を立ち上げた。かつては渋谷や中目黒にも店舗展開していたが、ジェラートの品質管理が行き届かなかったためもあり、本店の阿佐ヶ谷店に集中。内装なども中井さんのこだわりで、全面リニューアルした。

 そんな2011年1月、中井さんにとって待ちに待った出来事が起こる。ハチミツとクルミを使った看板商品「メルノア」が、イタリア・リミニでのジェラート世界大会で自由部門世界第3位に輝いたのだ。

 そこから注目が集まった。また、2012年2月には地上波ゴールデンのテレビ番組で大きく取り上げられたこともあって、瞬く間に超人気店に躍り出たのだ。

本場から賞賛を受けたバランス「メルノア」

ジェラート
ジェラートは、ソロ420円、デュオ460円、トリオ500円。いずれもプレミオフレーバーを含む組み合わせでは割増

「シンチェリータ」のジェラートは、いい意味でくどくない。砂糖のベタ甘さや、ミルクの極端な濃厚さから抜け出て、一瞬あっさりとしながら素材の味を生かし切った味。食べ始めると止まらなくなること請け合いなのだ!

 今回は、トリオ(500円~)として3種類選ぶことにしたのだが、これがまた迷う。看板メニュー「メルノア」は当然として、ではあと2つを何にするか……頭をフル回転して悩むことになる。

 結局、雨の日限定の「ドモリの白チョコ」と、ナッツ好きの性から「ピスタチオ」を選んだ。

ジェラート
小さなカップに収められた大きな満足
ジェラート
焼き菓子
秋・冬には焼き菓子も登場する

 世界第3位の「メルノア」は、今までどこで食べたものともちょっと違うジェラートだ。ハチミツを使ったしつこくないながらも深い甘さを、ナッツ系の中でも軽めなクルミのコクとほのかな香ばしさをバランスよく仕上げた逸品。中井さんは、「イタリアのジェラートってバカ甘いものが少なくなかったから、うちの看板である『メルノア』を出せばイケるんじゃないかって、密かに思ってました」とはにかむように語る。

 これを一口食べると、まず、さわやかさが口の中に広がって、すぐにハチミツの甘さがやってきて、クルミで舌を喜ばせる、とでも言おうか。

 で、甘いものも大好きな上荻のエンジンがいきなりかかってしまうのだ。

 次にすくった「ピスタチオ」の新鮮さとナッツ系のおいしさにはうなってしまった。

 そして、そして、雨の日限定、お待ちかねの「ドモリの白チョコ」。イタリア・ドモリ社のチョコレートは高価なものらしいのだけれど、それを惜しげもなくふんだんに使ったのが、このジェラート。「シンチェリータ」には珍しく、コクが深く、濃厚で、これもまたおいしいのだ。

 この3種を盛った小さなカップを大事に抱えながら、極上のジェラートをゆっくりゆっくり食べていく至福と言ったら……。つい背中を丸めて、ぐわーっと全部抱え込みたくなるくらいのおいしさなのだった。

 これを受け止めるのが、淹れたてのエスプレッソ。イタリア仕込みでこれもまたおいしく、実にジェラートに合ってくれるのだ。なんという至福!

 ゆっくり味わっていたつもりが、あっという間になくなってしまった。

 しかし、あんな小さなカップの中のジェラートだけでここまで満足感を味あわせてくれるとは……感激である。

 この10月3日からは、秋冬用の焼き菓子もバリエーションを増して、堂々のお目見え。これがまたおいしそうで、たくさんたくさん贈り物に使ってみたくなる。


●「ジェラテリア シンチェリータ」

東京都杉並区阿佐谷北1-43-7
Tel.03-5364-9430
営業時間:11:00~21:00
定休日:12月28日~1月2日

公式ホームページ
http://www.sincerita.jp/
ツイッター
https://twitter.com/gelato_nakai

About 上荻吾朗 40 Articles
編集者 かみおぎ・ごろう 1964年生まれ。北海道出身。週刊誌記者、漫画編集者を経て、WEB製作会社で勤務。震災後、通勤困難を経験して、メタボ対策のためにも、自転車通勤をするようになる。おいしいものを食べることが何より好きな健康チューネン。いかにも飲めそうなヒゲ面のくせに下戸。