1000円の贅沢――「和しょく えびはら」(東京・神楽坂)の昼食

「和しょく えびはら」(神楽坂)
神楽坂にぴかぴかの新顔
スマートフォンが扱いやすいグローブ
スマートフォンが扱いやすいグローブ

本当に冬まっさかりの天気ですね。日差しがあるのが救いですが、それでも朝晩の自転車通勤は、初動は結構キツいもの。防寒はバッチリしてるけれど、意外と困るのが、スマートフォンの扱い。iPhoneの標準マップが立派な自転車ナビになってくれるため、バイクにアタッチメントを付けて使っています。ところが、冬はタッチパネルに触るたび、いちいちグローブを外さなければならないのが面倒。で、最近は、写真の、付けたままタッチパネルを触れるグローブを愛用してます。これが来てから、便利、快適! になりました。もちろん、走行中、iPhoneは原則的にナビ以外には触らない、よそ見をしないのが事故防止の第一歩! であるのは言うまでもありません。

先着5名の幸せ

  • 「和しょく えびはら」(神楽坂)
    神楽坂にぴかぴかの新顔
  • 早くしないと満席に
    早くしないと満席に

 今回は、神楽坂に昨年11月末にオープンした「和しょく えびはら」さんを訪問。こちらは、赤坂の人気和食屋さんの「詠月」さんから「京都の修業時代の弟弟子が神楽坂に店を出すので」と紹介いただいたお店。

 京都で修業されたご主人の海老原誠さん(36)と奥様のお2人で切り盛りされている。

 こちらのすごいのが、お昼の1000円ランチ! 先着5名という制限つきだけれど、先付け、お造りまでついた極上ランチがいただける。

 第3回でご紹介した「ブラッスリー グー」さんもそうだが、神楽坂には1000円で食べられる超お得・美味なランチセットのお店がいくつかある。全部大人気なため、行列してたり、12時になる前に売り切れ、というお店ばかりなのだが、こちらの「えびはら」さんのランチも早晩そうなるに違いない内容なのだ。

漫画の話もいいけど急げ

 割烹や懐石といった漫画で思い出されるのは、やっぱり「味いちもんめ」(原作:あべ善太、作画:倉田よしみ)。和食の舞台裏の人間模様をきちんと描いているのはあの作品が一番だろう。

 今、当たり前になってる懐石や和食のコースは、北大路魯山人や吉兆の初代さんが練り上げた、実はそれほど古い歴史を持っていない比較的新しい形式であり、それにまつわる人物も個性的な人ばかり――という、まことにマンガ的な側面もあったりするのだけれど……それはまた別の話。

 こちらの限定1000円ランチに確実にありつくため、開店時間11時半にお店に着くように職場を出てずんずん歩いた。幸い、気合いのおかげで、食べることができることに。

 メニューは、先付、お造り、メインのおかず、ご飯、漬物、みそ汁のセット。

素材と仕事を堪能

 まずは、先付。季節の鎌倉野菜の蒸しものだ。八丁みそ中心に3種のみそをブレンドした合わせ甘みそが添えられている。鴨の挽肉が入っているのが泣かせるじゃないか。

 ホウレンソウ。ほどよく蒸されていて、やわらかく仕上がって口当たりが優しい味。かぼちゃは、ほっくり、とろり。この中のメインは、紅しぐれ大根。カブのような軟らかさで甘みそと実によく合うのだ。

 続いてお造り。青森のヒラメと三浦のしめ鯖。青森のヒラメは味に定評がある。すっぽんの名店、荻窪の「四つ葉」さんでも青森のヒラメのお造りが供される。ねっとりとしながら、甘く、それでいて弾力がたまらないヒラメ。醤油なしでひとくち食べて甘みを味わい、醤油をつけてその調和を楽しむ。楽しい時間でウキウキする。

 しめ鯖は、これまた味が深くなってうまみがぎゅっと濃縮されている。それがお口の中で脂がとろり、と溶けてうっとりとしてしまうのだ。

  • 蒸しもの
    蒸しもの
  • お造り
    お造り

ご飯止まらず

 そして、いよいよメイン。このお盆の上すべてが素晴らしかった。

 まず、メインの銚子の鯛のアラの煮もの。炊きすぎておらず、やわらかさがほどよい鯛のアラ。身がプリプリで沁みこんだ醤油味がまことにケッコー。一緒に炊きこまれた大根のやわらかいことといったら……。箸を入れると、はらり、と割れるのだ。そして、だしのしみ込んだレンコンの、また味が深いこと。やわらかさと歯触りも絶妙。ニンニクの芽がまた歯ごたえよく、この一皿に調和をもたらしてくれるのだ。

  • 鯛のアラの煮物
    鯛のアラの煮物
  • ぴかぴかご飯
    ぴかぴかご飯

 当然のごとく、ご飯が進む。

 こちらのご飯は、これまた素晴らしい土鍋で炊いたピカピカのごはん。噛むたびに甘みとうまみがひろがり幸せな世界へ。聞くと、一部ダイエット女性以外は、みな、ご飯をおかわりするという。

 それはそうだろう。

 このステキなメインに、おみそ汁と漬物がまたいいのだ。

 漬物は、新ごぼうのみそ漬けとキュウリの酢醤油漬け。こんなに素晴らしいみそ漬けは食べたことがなかった。新ごぼうがみそになじんでしんなり軟らかくなって、みそとなじんだ味がよく、実にご飯が進む。

 それらのおかずに引けをとらないのが、赤だしのナメコのおみそ汁。濃く味わい深い赤だしが、ちゃーんとアラ煮の濃さと、漬物の味を受けとめて、もう、ご飯が進んで止まらない。

 あっという間にご飯のおかわりに。もう1杯食べたいけれど、ぐっと我慢。全部をおいしく平らげて、大満足のままお店を出た。

 くれぐれも言うけど、こちらのランチは食べ過ぎご注意!!

  • 漬物
    漬物
  • みそ汁
    みそ汁

●和しょく「えびはら」

東京都新宿区岩戸町19 田中ビル1F
Tel.03-6327-6289
営業時間:月~金/昼11:30~13:30(L.O.)、同/夜18:00~23:00(L.O.21:30)
土・日・祝/夜18:00~23:00(L.O.21:30)
定休日:不定休

About 上荻吾朗 40 Articles
編集者 かみおぎ・ごろう 1964年生まれ。北海道出身。週刊誌記者、漫画編集者を経て、WEB製作会社で勤務。震災後、通勤困難を経験して、メタボ対策のためにも、自転車通勤をするようになる。おいしいものを食べることが何より好きな健康チューネン。いかにも飲めそうなヒゲ面のくせに下戸。