リステリア発生地旅行に注意

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.20(2019.10.02)を発表した。

注目記事

【WHO】スペインのリステリア症アウトブレイク

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)は、スペインで発生しているリステリア症アウトブレイクについて、2019年8月20日にスペイン当局から国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)を介して報告を受けた。

 2019年8月16日、アンダルシア州(スペイン)の地域保健当局は、Magrudis社によりスペイン国内で製造され、La Mecháのブランド名で販売された冷蔵ローストポーク製品の喫食に関連してリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクが発生したことを報告した。

 2019年8月23日、スペイン当局は食品安全警報を発し、上記のブランド名で販売されたすべての製品の喫食を避けること、および当該ローストポーク製品の一部は別の会社によりブランド名なしで販売されたとの注意喚起を消費者に対して行った。

 2019年7月7日〜9月13日に本アウトブレイクに関連してスペインの5州から計222人の確定患者が報告されており、死亡時にリステリア症に罹患していた高齢者3人が報告された。また、本アウトブレイクに関連して6人が流産したことが報告されている。

 2019年8月23日、フランス当局は、本アウトブレイクに関連した外国籍の国外旅行関連患者1人を欧州早期警告・対応システム(EWRS)を介して報告した。この患者は、アンダルシア州への渡航歴および当該製品の喫食歴があった。8月17日以降に当該製品を喫食した患者は3人のみで、これら3人は食品安全警報の発表前に当該製品を購入していた。

 追跡調査の結果、当該製品はスペイン国内のみに流通し、大部分がアンダルシア州に出荷されていたことが明らかになった。残りの製品はスペインの他の3州に出荷されていた。公衆衛生警報の更新時に対象となった製品はいずれも、スペイン国外には出荷されていなかったことがINFOSANを介して確認された。

 WHOは、感染リスクを最小限に抑えるため、リステリア症が発生している地域への旅行者は、他の食品由来疾患の場合と同様の予防策を講じるべきと助言している。

【米国】ステート・フェアに関連して発生のO157

 米国ミネソタ州保健局(MDH: Minnesota Department of Health)は、ミネソタ・ステート・フェアに関連して発生している大腸菌O157感染アウトブレイクを調査している。

 公衆衛生調査により、発症前に同フェアを訪れた同州の患者11人が最近特定された。患者は、2019年8月25日〜9月2日に同フェアを訪れ、8月29日〜9月6日に発症したことを報告している。

 これまでに得られたエビデンスは、畜産動物との接触が最も可能性が高い原因であることを示している。患者の多くが「誕生の奇跡」(Miracle of Birth)展を見学し、子牛、ヤギ、ヒツジ、子豚などと接触したことを報告したが、一部の患者は動物には直接接触しておらず、手すりなどの汚染表面への接触を介して間接的に暴露した可能性がある。これらは、家畜やその囲いに接触した後は必ず手指の洗浄を行うべきであることを再認識させるものである。

 ミネソタ州では大腸菌O157感染患者が毎年約130人報告されている。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.20(2019.10.02)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201920m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. スペインで発生しているリステリア症アウトブレイク

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 七面鳥生肉製品に関連して複数州にわたり発生した多剤耐性サルモネラ(Salmonella Reading)感染アウトブレイク(最終更新)

【ミネソタ州保健局(MDH)】
1. ミネソタ州保健局(MDH)がステート・フェアに関連して発生している大腸菌O157感染アウトブレイクを調査中

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 食料生産動物および食品に由来する人獣共通感染症細菌および指標菌の抗菌剤耐性に関して統一化されたモニタリングを行う場合の技術仕様書

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. オランダの肉牛飼育農場での人獣共通感染症調査(2017年)

【フィンランド食品局(FFA)】
1. KRYPTOプロジェクトがクリプトスポリジウム感染症増加の原因を調査中