冷凍マグロでA型肝炎リスク

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.13(2017.06.21)を発表した。

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【米国食品医薬品局】冷凍マグロ製品のA型肝炎ウイルス汚染

 米国食品医薬品局(US FDA: US Food and Drug Administration)が冷凍マグロ製品のA型肝炎ウイルス汚染について調査中。

 Hilo Fish社は、Sustainable Seafood社(ベトナム)およびSanta Cruz Seafood社(フィリピン)から供給を受けたマグロからA型肝炎ウイルスが検出されたことから、2017年5月18日にこれらの製品の自主回収を開始した。

 現時点で米国疾病予防管理センター(US CDC)はこれらの製品に関連した患者発生を認識していないが、汚染の可能性があるマグロを過去2週間以内に喫食したワクチン未接種の人に対し、曝露後予防(PEP)としてワクチン等の接種を勧めている。

 米国食品医薬品局(US FDA)は、A型肝炎ウイルス感染の危険性がある消費者に注意喚起するため、汚染の可能性があるマグロを商品として保有していると考えられるテキサス州、オクラホマ州、およびカリフォルニア州のレストランや小売店舗のリストを公開している。汚染マグロに曝露した可能性がある場合は医療機関に相談すべきである。

 ハワイ州保健局(HDOH)は、PT Deho Canning社(インドネシア)由来の冷凍マグロ検体からA型肝炎ウイルスが2017年5月1日に検出されたことをFDAに通知した。今回の回収は、この件に関するフォローアップ調査の結果を受けてのものである。最初の回収対象製品はすでに流通チェーンから撤去されており、今回の新たな回収対象製品はハワイ州ではなく米国本土に出荷された。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.13(2017.06.21)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2017/foodinfo201713m.pdf

今号の目次

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. 米国食品医薬品局(US FDA)が冷凍マグロ製品のA型肝炎ウイルス汚染について調査中(2017年6月1日付初発情報および6月6日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 食品由来疾患サーベイランスの世界的な改善に向けて

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【Eurosurveillance】
1. ソルビトール発酵性(SF)志賀毒素産生性大腸菌(STEC)O157により発生中の溶血性尿毒症症候群(HUS)アウトブレイク(ドイツ、2016年12月~2017年5月)

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 家禽肉の病原体汚染の化学的除染に関するQ&A

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報