ドイツの業務用調理施設の衛生規則

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.25(2013.12.11)を発表した。

注目記事

【BfR】業務用調理施設における食品の安全な調理

ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR : Bundesinstitut fur Risikobewertung)はaid infodienst(支援情報サービス)と協力し、業務用調理施設の従業員向けに衛生規則をまとめ、計8カ国語に翻訳して発行した。

リーフレットの記載項目は以下のとおり(英語版リーフレットより)。

従業員の衛生

・自分自身を清潔に保つ
・手指を清潔に保つ、爪を短く切る、マニキュアを使用しない
・私服と作業衣を別々に保管する
・作業衣と布巾を毎日替える
・調理場ではいつも帽子を着用する
・作業開始前に指輪、ブレスレット、腕時計などをはずす
・こまめに手指をよく洗浄・消毒する
・食品に向かって咳やくしゃみをしない
・傷口は防水包帯で覆う
・喫煙しない
・複数回の下痢または嘔吐などの症状がみられたら早急に職場責任者に報告する
・肝炎や下痢性疾患などの感染症が流行している地域に予防接種をせずに訪れ、帰国した場合、または休暇中にこれらの感染症に罹患した場合は、職場責任者に報告する

食品の衛生

・傷んでいない食品のみを仕入れる
・食品の継続的な冷蔵を確認する
・清潔な作業と汚染の可能性がある作業を分けて行う
・腐りやすい食品は常に冷蔵し、できるだけ早く使用する
・食品は素早く調理する
・加熱済み材料は調理まで冷却しておく
・料理には常に覆いを掛けておく
・食肉・家禽肉の大きな塊や丸鶏は、調理前に完全解凍する
・家禽肉および食肉の解凍液は廃棄する
・味見は適切な方法で行う
・調理済みの料理や食器の内部表面には素手で触らない
・料理を加熱する際には適切に行う
・温かい料理を提供する際は65℃以下で長時間置かないようにする
・食品の冷却はできるだけ急速に行う

調理場の衛生

・調理場を片付けておく
・調理場、貯蔵室および調理設備を清潔に保つ
・できれば使い捨ての清潔な布で作業の合間に調理場をこまめに清掃する
・冷蔵室に過剰に食品を詰め込まない
・食器洗浄機の温度や洗浄時間を規定の設定から変更しない
・洗剤や消毒剤を調理場の外で保管する

【US CDC】レストランの食品安全に関する調査と対策ツールを発表

 米国疾病予防管理センター(US CDC)がレストランにおける食品安全の向上を目指して新しい調査結果と対策ツールを発表した。

 CDCのデータによると、米国で毎年報告される食品由来疾患アウトブレイクの多くは、レストランおよび調理済み食品販売店(デリ)における適切な食品安全対策の認識と実行の強化により防ぐことができる可能性がある。

 調査により、レストラン従業員の教育および公衆衛生サーベイランスに課題があることが確認された。これらは、非常に頻繁に発生し被害が大きい公衆衛生上の問題を防ぐ際に必要となる重要なツールである。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.25(2013.12.11)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201325m.pdf

今号の目次

【汎アメリカ保健機構(PAHO)】
1. コレラの流行に関する更新情報(2013年12月5日付、11月21日付)

【米国食品医薬品局(US FDA)】
1. Krinosブランドのタヒニ(ゴマペースト)製品に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Montevideo、S. Mbandaka)感染アウトブレイク(調査結果の概要)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 大西洋岸の複数の採捕水域由来の貝類の喫食に関連した腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)患者の増加(米国、2013年)
2. 米国疾病予防管理センター(US CDC)がレストランにおける食品安全の向上を目指して新しい調査結果と対策ツールを発表
2.1. CDCがレストランでの食品安全の向上に関わる論文4報を発表
2.2. NVEAIS(米国食中毒アウトブレイク環境評価情報システム)
2.3. 食品由来疾患アウトブレイクの環境衛生調査に関するe-ラーニングモジュール

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】
1. 欧州連合諸国でのサルモネラ(Salmonella Mikawasima)感染患者数の異常な増加

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【イングランド公衆衛生局(UK PHE)】
1. 英国でのサルモネラ(Salmonella Mikawasima)感染確定患者数の増加

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. イースト・アングリアの農場で検出された家畜関連メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(LA-MRSA)

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. EU加盟国リファレンス検査機関の比較調査「動物用飼料II(2012)」:鶏用飼料中のサルモネラの検出

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 業務用調理施設における食品の安全な調理

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報