カフェイン摂取リスクと安全

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.12(2015.06.10)を発表した。

注目記事

【EFSA】カフェインの安全な摂取量

欧州食品安全機関(EFSA:European Food Safety Authority)は、一般の健康な人のための安全性の懸念のない急性の一日摂取量を見積もる、カフェインの安全性に関する科学的意見を発表した。

その意見では、運動と合わせた全ての食事源由来カフェインの摂取、アルコールやいわゆるエネルギードリンクに含まれる他の物質、また食品サプリメントにますます多く使われるようになったp-シネフリンと一緒にカフェインを摂取するリスクの可能性に関しても助言している。

多くの加盟国がカフェイン摂取に関連した健康の有害影響――特に心血管疾患、中枢神経系に関する問題(たとえば睡眠障害と不安)、胎児の健康へのリスクの可能性について懸念を表明した後、欧州委員会はEFSAにその評価を実行するよう求めた。

【BfR】食品中のマイクロプラスチック粒子

ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR:Bundesinstitut fur Risikobewertung)はEFSAに対し、食品中、特に水産物中のマイクロプラスチックとナノプラスチック粒子の存在に関する科学的意見を要請している。

マイクロプラスチックの正確な大きさは関連文献で統一して定義されていないが、大抵は0.001 mmから5 mm未満である。今日確認できる限りでは、プラスチックバッグやプラスチックボトルのような製品の化学的や物理的な経年劣化の過程で生じる「二次マイクロプラスチック」が環境中にマイクロプラスチックが流入する原因である。

現在、BfRには食品中のマイクロプラスチック粒子の化学成分、粒子の大きさ、濃度に関する信頼できるデータがない。しっかりしたデータがないため、マイクロプラスチック粒子に汚染された食品の摂取による健康リスク評価は現在不可能である。

【RIVM】ビタミンAの安全な最大用量

オランダ RIVM(国立公衆衛生環境研究所:National Institute for Public Health and the Environment)は、食品からのビタミンA(レチノール)摂取量を推定し、それに基づいてサプリメントからの許容できる最大量を推定した。

レチノールの過剰摂取は肝毒性と妊娠中の胎児への毒性があり、上限摂取量が設定されている。0~3才の子どもの約5~33%は、しばしばレバーソーセージなどのレチノール濃度の高い食品を食べるため、上限摂取量を超過している。4~14才では95%以上が上限未満である。

15才以上の男性にとっての安全な最大量は一日1450~1500μgレチノール、閉経後の女性は骨粗鬆症リスクがあるため一日400μgレチノール、出産可能年齢の女性は1200μgレチノールである。妊娠と授乳中の女性の食事に関するデータが少ないため、この集団に特別な安全量は計算できなかった。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.12(2015.06.10)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2015/foodinfo201512c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【EC】
1. 内分泌攪乱物質を同定するための定義についての影響評価に関する円卓会議
2. 会議「内分泌攪乱物質:同定のための基準と関連影響」
3. 食品獣医局(FVO)査察報告書
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 内分泌活性物質と非単調用量反応―EFSAが現在行っている作業
2. 農薬とミツバチ:データ要請
3. 果物と野菜の過塩素酸塩の意見の再公表
4. カフェイン:EFSAは安全な摂取量を見積もる
5. 食品と接触する物質関連
6. 香料グループ評価
7. 飼料添加物関連
8. 穀物のアトラジンの新規MRL設定についての理由付き意見

【FSA】
1. FSAは信頼できる食品のための戦略計画を発表
2. マギーヌードルについて消費者向けのさらなる情報
3. リコール情報

【FSS】
1. ケーキデコレーション用ペン

【HSE】
1. PRiF:最新モニタリング結果

【ASA】
1. ASAと CAP年次報告書2014:より大きな影響、より先を見越した行動
2. ASA裁定

【BfR】
1. 食品中のマイクロプラスチック粒子

【RIVM】
1. ダイエタリーサプリメントのレチノールの安全な最大用量
2. 欧州職場でのよくある発がん物質を同定する
3. ナノ物質をグループ分けする:グループ分けとリードアクロスに向けた戦略

【EVIRA】
1. フィンランドの野生植物を食品として使うこと

【FDA】
1. FDAの規制は食用動物への抗生物質の賢明な使用を保証する
2. 新しいFDAの計画は輸入業者と消費者の両方にメリットがある
3. 公示
4. リコール情報
5. 警告文書
食品安全情報(化学物質)No.12/ 2015(2015. 06. 10)
2

【EPA】
1. ミツバチを急性毒性殺虫剤から守る提案

【FTC】
1. FTCはOTCホメオパシー製品の宣伝内容を吟味するためのワークショップをワシントンで9月に開催

【CFIA】
1. インドから輸入した家畜飼料用トウモロコシの検査要求
2. 消費者向け助言 CFIAは消費者に対して製品のすり替えおよび/または異物混入の可能性があるため乳児用ミルクに注意を呼びかける
3. 企業向け通知-カナダ政府は作物品種情報へのより良いアクセスを提供

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【APVMA】
1. 抗菌剤耐性

【TGA】
1. 警告

【香港政府ニュース】
1. ちまきは安全性検査に合格

【HSA】
1. HSAは地元で販売され消費者1人を入院させた二つの違法鎮痛用製品について警告
2. 20万ドル相当の94,000ユニット以上の違法健康製品がGeylangで押収された

【FSSAI】
1. 命令 Section 22でカバーされるリスク/安全性評価のされていないNestle インドの「調味料入りマギーインスタント麺」とその他食品について
2. 販売されている全てのメーカーとブランドの調味料付き麺、パスタ、マカロニについての執行規定

【その他】
・(EurekAlert)アフラトキシン暴露と胆嚢がんに関連を発見
・王立豪州一般開業医学会プレスリリース:ホメオパシー治療は効果がなく処方すべきではない