リスク評価の新課題への対応

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.22(2012.10.31)を発表した。ECは環境とヒトの健康について、食品以外のリスク評価課題の意見の募集を開始した。韓国KFDAは来年から始まるカフェイン関連に規制に先立ち、国内流通中の“エナジードリンクなど”カフェイン含有量の調査結果を発表した。

注目記事

【EC】リスク評価の新しい課題への対応に関するディスカッションペーパーにパブリックコメント募集

 ECのSCENIHR(新興および新規健康リスクに関する科学委員会)、SCCS(消費者の安全性に関する科学委員会)およびSCHER(健康および環境リスクに関する科学委員会)によるリスク評価(食品以外)の新しい課題への対応に関するディスカッションペーパーを公表し、2012年11月30日まで意見を募集する。ディスカッションペーパーでは、環境とヒトの健康について大きく2つの分野について検討している。

※ポイント:食品以外のものを評価対象にしている委員会(食品は欧州食品安全機関―EFSA―が担当)の発表なので一見食品とは関係ないようですが、リスク評価が抱える課題は基本的には食品も同じです。

 食品中の化学物質に関するこれまでの対策は、動物試験結果等に基づいて影響があるかどうかの判断をする定性的なものでしたが(ハザードベース)、今後はヒトが特定の化学物質を食品全体からどのくらいの量を摂取して、その結果どの程度のリスクが推測されるのかという定量的な判断が必要だということです(暴露量にもとづくリスクベース)。

 定量的な判断がなされれば、多数存在する化学物質について、リスクの大きさで優先順位をつけられますし、年齢、性別、地域など、対象グループ別についても状況に添った重点的な対策をとることが可能になります。そのために現在わが国で必要とされているのは、リスク評価者が自由に利用できる、暴露評価に必須な各食品の摂取量データです。

【KFDA】「食品の基準及び規格」改訂(案)について

 韓国食品医薬品安全庁(KFDA)は、10月12日付けで「食品の基準及び規格」の改訂(案)を公表し、12月11日までパブリックコメントを求めている。

※ポイント:今回の改訂では、いくつかの食品について新たに基準が設定されるようです。対象となるものは、キノコ類の鉛およびカドミウム、乳児用粉ミルク等のアフラトキシンM1およびベンゾピレン、青魚のヒスタミンなどです。

【KFDA】国内流通中の“エナジードリンクなど”カフェイン含有量調査結果発表

韓国食品医薬品安全庁(KFDA)は、国内に流通しているエナジードリンク(エネルギードリンク)、リキッドコーヒー、コーヒー専門店のコーヒー、コーヒーミックスなどの調製コーヒー、カプセルコーヒー製品などのカフェイン含有量の調査結果を発表した。

※ポイント:今回の調査は、カフェイン関連の規制が来年1月に発効するのに先立ち、国民のカフェイン暴露量評価と低減化案作成のために行われたものです。国が異なると多少の増減はあるかもしれませんが、まとまったデータが示されていて参考になります。

 若年層のエネルギードリンクの摂取については欧米でもニュースになっていますが、韓国では子ども向け製品には規制が厳しくなっています。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.22(2012.10.31)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2012/foodinfo201222c.pdf

今号の目次

【EC】
1. リスク評価の新しい課題への対応に関するディスカッションペーパーにパブリックコメント募集
2. SCHER 肥料中カドミウム スウェーデンのリスク評価報告書(ヒト健康)に追加の要請
3. 食品獣医局(FVO)査察報告書
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 特集:EFSAの10周年記念号(EFSA JOURNAL)
2. EFSAの最新報告では食品中のアクリルアミド濃度に大きな変化はない
3. 食品中の新興新規臭素化難燃剤(BFRs)についての科学的意見
4. 水フィルターから放出されるアンモニウムの健康リスク
5. EFSAはSéraliniらにGM トウモロコシ NK603のデータを提供
6. 遺伝子組換え昆虫耐性トウモロコシ1507のリスク評価の更新とリスク管理助言についての科学的意見
7. ジンクフィンガーヌクレアーゼ3とその他の同様の機能をもつ部位特異的ヌクレアーゼを用いて開発した植物の安全性評価に関する科学的意見
8. 燻製皮付き羊肉に提案されている製造方法を支持する英国FSAの研究についての科学的意見の技術的問題の解釈の明確化
9. 飼料添加物関連
10. 食品と接触する物質関連
11. 香料グループ評価

【FSA】
1. 放射能報告書発表

【DWI】
1. 水処理凝固剤と飲料水中ニトロソアミンのさらなる研究発表

【NHS】
1. 医薬品へのサプリメントの影響は「危険」

【ANSES】
1. ANSESはSéraliniらの研究の欠点を強調、しかしGMOの長期影響についての新しい研究を薦める

【FSAI】
1. 多くのケータリング施設ではアレルゲン表示が既に行われている

【FDA】
1. ダイエタリーサプリメント、未承認医薬品をニューヨークで押収
2. 連邦判事はオレゴンのハーブとサプリメント製造業者に終局的差し止め命令
3. ニューヨークのダイエタリーサプリメント製造業者Venus Pharmaceuticalsと同意判決
4. 公示
5. 警告文書(2012年10月16日、23日公表分)

【CFIA】
1. ダイオキシンとダイオキシン様化合物を検査したすべての植物油及びチーズは摂取しても安全
2. カナダ食品安全法が上院で採択
3. モンサントカナダ社からの遺伝子組換え除草剤耐性綿(MON 88701)の新規食品及び家畜飼料としての認可申請通知
4. Séraliniら(2012)によるグリホサート製剤とGMトウモロコシNK603の2年間齧歯類混餌投与試験論文についてのヘルスカナダとCFIAの声明

【FSANZ】
1. アクリルアミドと食品
3
2. GM大豆に意見募集

【香港政府ニュース】
1. 汚染医薬品のリコール拡大
2. 経口用製品に警告
3. 調整ミルク基準に意見募集
4. 上海ガニは安全性検査に合格

【KFDA】
1. 日本の原発関連食品医薬品安全庁の対応と管理動向〔38〕
2. 国内流通‘キノコ類’重金属含量は安全!―2011年の研究事業の結果―
3. 子どもが飲む粉ミルク、より安全に管理する!
4. 偽造の唐辛子粉、今後は流通不可能!―食品医薬品安全庁、唐辛子薬味を使用して製造された偽の唐辛子粉判別法の開発―
5. 食品医薬品安全庁、青魚の安全管理基準の強化
6. 国内流通中の‘エネルギードリンクなど’カフェイン含有量調査結果発表

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(米国小児科学会)米国小児科学会が初めて子どもためのオーガニック食品について詳細に分析