仏がグリホサート製品続々排除

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.26(2019.12.25)を発表した。また、「リン:消費者用ファクトシート、医療従事者用ファクトシート」を食品安全情報(化学物質)No.26(2019.12.25)別添として発表した。

注目記事

【ANSES】フードサプリメントにベルベリン含有植物の使用

 ベルベリンはフードサプリメントに使用される多様な植物に見られるイソキノリンアルカロイドである。そのサプリメントは血糖値やコレステロール値を調節するために摂取されているが、EUでの健康強調表示は認可されていない。

 フランス食品・環境・労働衛生安全庁(ANSES)はベルベリンの健康影響、とくに毒性学的プロファイルを調べた。実証されている薬理効果が成人で400mg/日の用量から生じていることを確認したが、より低用量でもそのような影響が起こる可能性を排除していない。

 入手可能な毒性学的データや特定のサプリメントに観察された濃度から、これらのフードサプリメントの使用の安全性は保証できていない。したがって、感受性の高い集団はベルベリン含有フードサプリメントの摂取を控えるよう助言する。さらに、ベルベリンによる多数の医薬品との相互作用に対して医療従事者に注意喚起もしている。

※ポイント:フードサプリメントへのベルベリンを安全に摂取できる1日の用量を決めてフランスで規制するためにレビューしています。ベルギーでは最大1日用量として10mgを設定しているようですが、他の制限を設けている国や、禁止している国もあると報告しています。

【ANSES】ANSESはグリホサートを含む36製品の取り下げを発表

 植物保護製品の有効成分グリホサートが2017年にEUで5年間再認可されたことを受けて、ANSESはフランスで販売されているグリホサートを含む製品の市販認可をレビューし、入手可能な代替品と比較評価を始めた。製造業者から提出されたデータでは遺伝毒性の可能性を排除できなかったため、ANSESは評価プロセスの終了を待たずにグリホサートを含む36製品の認可の取り下げと4つの新製品の認可拒否を発表した。

※ポイント:フランスではすでに、世界中で広く使用されている有名なグリホサート製品(除草剤)「Roundup Pro 360」の販売が行政裁判の判決に基づき禁止されましたが、それ以外のグリホサート製品もフランス市場から排除しようとしています。ANSESの評価は来年末まで続くそうなので、さらに対象となる製品が増えるでしょう。

【FDA】FDAは食料生産動物用抗菌剤の販売または流通に関する年次概略報告書2018を発表

 米国食品医薬品局(FDA)は、食料生産動物に使用が認可されている抗菌剤の米国内における販売と流通を調査した報告書を発表した。調査期間は2017〜2018年。

※ポイント:FDAが報告書と一緒に読むときの注意をわざわざ書いていたのが興味深かったです。当たり前のことなのですが、それぞれのデータが何を意味するものなのかや、付随する要素を理解せずにデータ同士を直接比較しないように、というものです。

【ご挨拶】

 2019年の最終号です。来年も引き続き食品安全の海外情報をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 皆さま、よいお年をお迎え下さい。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.26(2019.12.25)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201926c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.26(2019.12.25)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201926ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC)

【FAO】
1. アジア-太平洋の300万の栄養不良の人々は、SDGs達成のためには2030年末までにどの月も飢餓からすくい上げられる必要がある
2. Codex

【EC】
1. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 外部報告書:グローバルな食品及び飼料供給チェーンの地図と分析
2. 飼料添加物関連

【FSS】
1. クリスマスの食品安全チェックリスト
2. 新たなEUの公的コントロール規則

【NHS】
1. Behind the Headlines

【BfR】
1.「指紋」が食品偽装を有罪にする役に立つ
2. 健康リスク:一枚の絵が数千の言葉に相当する

【RIVM】
1. 全ての人のための持続可能で健康的な未来に向けて:EUプロジェクトINHERITが政策的解決法を提供する
2. オランダ集団の日々の塩と砂糖摂取に与える食品中塩と砂糖濃度を下げることの影響推定
3. 雑草や緑の沈着物をコントロールするのに酢を使うことのリスク

【ANSES】
1. フードサプリメントにベルベリン含有植物の使用
2. 動物の健康における抗菌剤耐性モニタリングのANSESの仕事
3. コハク酸脱水素酵素阻害剤(SDHI)の最新情報
4. フランスにおける除草剤耐性品種の使用
5. ニース行政裁判所の決定:ANSESはスルホキサフロルを含む二つの殺虫剤の販売認可を取り下げ
6. ANSESはグリホサートを含む36製品の取り下げを発表

【FDA】
1. FDAは小規模農場の査察の開始に柔軟性を持たせる
2. FDAは食料生産動物用抗菌剤の販売又は流通に関する年次概略報告書2018を発表
3. 食品小売業政策改訂要望準備時に考慮する5つのこと
4. FDAは連邦法違反の差止同意判決により、Basic Reset and Biogenyxが回収している医薬品、ダイエタリーサプリメント及び医療機器を使用しないよう消費者に強調する
5. ダイエタリーサプリメント成分助言リスト
6. FDAは大豆レグヘモグロビンを認証免除色素添加物リストに加える最終規則の発効日を発表
7. 公示
8. リコール情報
9. 警告文書

【FTC】
1. FTCはUrthBoxスナックボックスの「無料」お試しに誤解させられた消費者に返金チェックを送っている
2. FTCとメイン州はダイエタリーサプリメント販売業者を命令無視で訴える

【CFIA】
1. 情報共有を増やし、より安全に
2. 開始:食品事業者用ツールキット

【FSANZ】
1. 最終報告書-新しい交配技術を用いて作った食品のレビュー
2. 食品基準通知

【TGA】
1. 安全性警告

【MPI】
1. ニュージーランド食品安全は新戦略と行動計画を発表する
2. リコール情報

【香港政府ニュース】
1. 包装済み衣笠茸のサンプルに基準値超過の保存料が検出され、食品表示規則に違反
2. 缶詰レタスのサンプルが食品表示規則に違反
3. 地元の豚の組織から基準値超過の動物用残留医薬品
4.日本産輸入冷蔵マグロのサンプルに基準値超過のメチル水銀が検出された
5. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 食品医薬品安全処、食品由来の抗生物質耐性の共同対応のための国際会議の開催
3. 食品医薬品安全処、食品の安全情報交換のための国際的なネットワークを強化
4. 食品、医薬品ウェブサイトの安全情報を1ヶ所に
5. 子供が好む食品の品質認証、安全は強化して栄養は改善
6. 子供が好む食品を調理・販売する飲食店の栄養成分表示の点検結果を発表
7. 食品調理器具の正しい使用方法など情報提供
8.「食医薬ヤングリーダー 優れた活動で私達の安全を守るようになりました」
9. 医薬品と誤認する懸念がある虚偽・誇大広告をした6カ所を摘発
10. 食品医薬品安全処、食品産業の海外市場への進出を支援
11. 回収措置

【FSSAI】
1. 消費者は今や消費者団体を介して食品の検査ができる
2. メディアコーナー

【その他】
・(ProMED-mail)シガテラ魚中毒-カナリア諸島
・EurekAlertの記事6件

別 添

【ODS】
リン:消費者用ファクトシート、医療従事者用ファクトシート