フランスがグリホ製品排除へ

食品安全情報(化学物質)No.26(2018.12.19)

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.26(2018.12.19)を発表した。

注目記事

【EFSA】汚染物質の更新情報:食品中のPFASに関する2つの意見の一つ目

 欧州食品安全機関(EFSA)は、環境汚染によりフードチェーンを介してヒトが暴露する化学汚染物質であるパーフルオロアルキル化合物(PFAS)について、その1:パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびパーフルオロオクタン酸(PFOA)、その2:その他のPFAS、という2部構成で再評価を行った。今回はPFOSおよびPFOAに関する評価結果を暫定的に公表し、その他のPFASの再評価が完了するまでにさらにレビュー予定である。

 PFOSおよびPFOAの評価では、ヒト疫学研究をもとにPFOSに13ng/kg体重/週、PFOAに6ng/kg体重/週の耐容週間摂取量(TWI)を設定した。食事暴露評価の結果では両化合物について集団のかなりの割合で暴露量がTWIを超過している。

※ポイント:EFSAは、2008年にPFOSとPFOAのリスク評価を、2012年に詳細な食事暴露評価を行いました。その時は動物試験データに基づきTDIをPFOSは150ng/kg体重/日、PFOAは1500ng/kg体重/日と設定し、食事暴露量はそれらTDIよりも低いという結論を出していました。今回はヒト疫学研究データとヒトでの半減期の長さを考慮して非常に低いTWIを設定し食事暴露量がTWIを超過していると報告しています。

 ただ今回の評価については、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)、デンマーク環境保護庁(EPA)が、TWIを導出するのに用いたヒト疫学研究のエンドポイントの選択やデータ解析のやり方に疑問を提示しています(今号のRIVM記事参照)。今回は暫定版なので二つ目の評価とともに見直される部分も出てくるかもしれません。それと、食事暴露量は以前の評価時とあまり変わってないようです。

【ANSES】グリホサート:ANSESは入手できる代替品との比較評価を開始

 2017年12月に欧州レベルでグリホサートが5年間再認可されたのにつづき、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)はグリホサートを含む製品の販売認可を再評価している。ANSESは認可や再認可の申請が提出されている製品に対し、入手できる代替品と比較評価を行うことにしている。そのため、各グリホサート製品については、代用基準に適合した代替品が存在する場合は使用が全て禁止されるだろう。更新の申請が提出されていない132製品については、2018年12月15日に有効期間が満了する旨を製造業者に通知した。

※ポイント:長い議論を経てやっと欧州委員会が5年間の再認可を可決したにもかかわらず、フランスはグリホサート製品を排除する方向で動いています。大農業国のフランスで代表的な除草剤が使えなくなることの影響はどれほどのものかと考えてしまいます。

【おまけ】一年を振り返って

 2018年の最終号となりました。今年一年も、終わりの見えないグリホサート問題、EUにおける新規食品の新規則の発効、米国FDAによる部分水素添加油の使用禁止をはじめとする各国のトランス脂肪酸への対応、EUでの炭酸ガス不足、米国FDAによるFSMA関連規則導入への取り組み、カナダの食品安全規則の全面的な改正、など色々なニュースがありました。

 来年も継続して食品安全の海外最新情報をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。皆様、よいお年をお迎えください。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.26(2018.12.19)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201826c.pdf

今号の目次

【FAO】
1. Codex

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 農薬:累積リスク評価の新たな期限
2. ベンチマーク用量モデル化についてのRIVMとの共同プロジェクト
3. EFSA第24回科学会議―リスク評価におけるオミクス:最新技術と次の段階
4. フードサプリメントに栄養目的で添加されるマグネシウム源としてのクエン酸リンゴ酸マグネシウム
5. 食品添加物としてのプロパン-1,2-ジオール脂肪酸エステル(E 477)の再評価
6. D-リボースの安全性についての声明
7. 食事摂取基準値:インタラクティブツールが稼働
8. 食品中シアン化物に二つ目の意見―草案に意見をどうぞ
9. 汚染物質の更新情報:食品中のPFASに関する2つの意見の一つ目
10. 鳥類と哺乳動物のリスク評価に使用される食品についての生態学的データの推定、残留量および残留減少データ収集
11. 食品酵素関連
12. 遺伝子組換えダイズA2704‐12の新しい配列情報のリスク評価
13. 食品接触物質関連
14. 健康強調表示関連
15. 豚肉のと体と切り身の表面の微生物学的汚染物質を減らすための乳酸及び酢酸の安全性と有効性の評価
16. フランスの国立データ提供機関とEFSAとのパートナーシップ協定の枠組みの試行について合意―最終報告
17. DEMETERプロジェクト:新興リスク知識交換の場(ERKEP)の枠組みの構想記録

【FSS】
1. 表示されない亜硫酸塩のためEnglish HeritageはCherry Brandy、Ginger Liqueur、 Elderberry & Port及びScrumpy Ciderを回収措置

【DEFRA】
1. PRiF 食品中農薬の結果:2018年四半期ごとの監視結果(第2四半期の報告書)

【NHS】
1. Behind the Headlines

【BfR】
1. 科学のための料理 – BfR MEAL研究は2周年を記念する
2. EUの乳幼児向け食品におけるカドミウムの最大基準値は妥当、鉛への暴露は根本的に達成可能な最低量にまで減少させるべき

【RIVM】
1. PFOAの健康に基づくガイダンス値についての議論

【ANSES】
1. グリホサート:ANSESは入手できる代替品との比較評価を開始
2. ANSESは3歳未満の子供の食事経由の化学物質の暴露に関する研究データへのアクセスを提供する

【FDA】
1. メニュー表示についての新しいFDAオンライン教育訓練モジュール
2. 関係者は意図的異物混入規則ガイダンス案の最初の二つの巻にいっしょに意見を提出できるだろう
3. 警告文書

【NIH】
1. 医療関係者向けファクトシート更新
2. 消費者向けファクトシート更新

【FTC】
1. “Nobetes”ダイエタリーサプリメント販売業者が立証されていない健康強調表示、違法な課金、詐欺的保証であると主張するFTCの苦情申し立てに和解

【CFIA】
1. 2017-2018 コーヒー製品の表示されていないアレルゲン
2. カナダ人のための安全な食品規制(SFCR)ウェブセミナー

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. 安全性警告:THAN YOU 錠剤

【MPI】
1. Countdown ブランドのアジの切り身
2. 北島海岸のバイオトキシン警告

【香港政府ニュース】
1. 食品安全センターはソウギョに微量のマラカイトグリーンを検出
2. 乾燥エビに基準値超過の保存料を検出
3. 包装済みデーツ(ナツメヤシの実)が食品表示規則に違反
4. 台湾政府より‐日本から台湾に輸入された「フジッコ 海藻料理 芽ひじき」に台湾の基準に違反する量の重金属である無機ヒ素を検出
5. 冷凍キングクリップ(Ling)の切り身に基準値超過の水銀が検出された
6. 生の豚肉に二酸化硫黄が検出された
7. マカオ民政総署大楼(IACM)の食品安全センター(CSA)より‐日本から輸入された、森永乳業の森永の焼きプリンに細かい金属の粉の混入の可能性があるため警告が出された

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 貝類毒素の発生及び検査現状
3. 検査命令対象の輸入食品等を追加指定通知(ノニ粉末)
4. 食医薬ヤングリーダー活動で、適切な食・医薬品情報を学びました!
5.「食品安全国」ホームページを分かりやすく、便利にリニューアル!
6. オンライン不法流通及び虚偽・誇大広告を確認して、購入する
7. 食品医薬品安全庁、新型勃起不全治療剤類似物質究明

【HSA】
1. 警告:健康製品3製品に効き目の強い表示されない成分が検出された;そのうち1製品により消費者が入院となった
2. マホガニー(スカイフルーツ)の種子を摂取後に肝臓障害を生じた報告を更新

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(ProMED-mail)電子タバコ溶液を飲み込む 英国(スコットランド):重大な毒性
・(EurekAlert)鉛中毒予防の「終わらない課題」
・(EurekAlert)海外で購入した一部のスパイスの高濃度鉛
・(EurekAlert)理性的でない消費者:事実ではなく感覚にもとづく意志決定
・(EurekAlert)MON 810とNK603 GMトウモロコシ:ラットの健康や代謝に影響は検出されない
・(EurekAlert)オーガニック食品は気候にとってより悪い