遺伝子組換え小麦の自生発見

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.16(2016.08.03)を発表した。

注目記事

【EFSA】新興リスク情報交換連絡会2015年の年次報告書

欧州食品安全機関(EFSA)と加盟国との間で食品および飼料の安全に関する新興リスクについて情報交換をすることを目的に、新興リスク交換ネットワーク(Emerging Risks Exchange Network:EREN)が開設されている。2015年の年次報告では、EREN参加国から新興問題の可能性があるものとして13項目が提示され、評価の結果、そのうち11項目が新興問題であると結論されるとともに、推奨されるフォローアップ行動も提示された。

※ポイント:ERENでは、食品に関して何が新しい問題となり得るのかを定期的にまとめています。とくに注目すべきは、その提案された新興問題について生じうるリスクの大きさ、その対策を行うのに現時点で何が必要なのか(例:情報やデータ収集、共同研究の実施)も明確に指摘しているところです。

【EFSA】食品中のマラカイトグリーン

欧州委員会からの要請によりEFSAは、食品中(とくに魚・魚製品・甲殻類中)のマラカイトグリーンによる消費者へのリスクを評価し、食品1kgにつき2μgのマラカイトグリーンの参照値は適切に公衆衛生を保護するかどうかを検討した。その結果、最大2μg/kgで汚染された食品への暴露は健康上の懸念とはなりそうもないと結論した。

※ポイント:EUでは、食用動物への使用が認めておらず最大残留基準が設定されていない物質については、定められた分析法で検出されるべき最小濃度として最小要求性能限界(MRPL:Minimum Required Performance Limit)を設定し、MRPLは不適合を判断するための参照値としても使用されています。マラカイトグリーンについては、代謝物ロイコマラカイトグリーンとの和として養殖水産物の身(meat)についてMRPL2μg/kgが設定されているので、この値で残留した場合のリスクについて検討したというわけです。

【USDA】ワシントン州でのGE小麦自生検出

米国農務省(USDA)は、ワシントン州の未耕作農地に22本の遺伝子組換え(GE)小麦が育っているのを一人の農家が発見したことを確認した。この小麦はグリホサート耐性である。動植物衛生検査局(APHIS)は直ちに包括的対応をとり、GE小麦が販売されている根拠はない。この小麦はモンサント社が開発したMON71700とされるものである。この小麦が食品供給に入ったとしても安全性の懸念とはならないと結論した。

※ポイント:MON71700は2013年にオレゴン州で自生が発見されたMON71800の姉妹イベントとのことですが、これまでに市販されたことはないものです。原因については調査中のようです。

【EMA】各国は抗菌剤耐性リスクを減らすために動物へのコリスチンの使用を減らすべき

欧州医薬品庁(EMA)は、抗菌剤耐性リスクを減らすため、コリスチンを含む医薬品は動物の二次選択治療としてのみ使うべきで、その販売はEU加盟国全体で最小限にすべき、と助言した。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.16(2016.08.03)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2016/foodinfo201616c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. 国際がん研究機関(IARC):IARC モノグラフVolume 110(2016)

【FAO】
1. コーデックス委員会:オンラインコメントシステムの状況

【EC】
1. 食品および飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EMA】
1. 各国は抗菌剤耐性リスクを減らすために動物へのコリスチンの使用を減らすべき

【EFSA】
1. 新興リスク情報交換連絡会2015年の年次報告書
2. コリスチン:動物での使用を減らせ、とEMA が言う
3. 意見募集―遺伝子組換え植物のアレルゲン性ガイダンスについてパブリックコメント
募集
4. 食品中のマラカイトグリーン
5. 我々のモデルを作ろう!
6. 健康強調表示関連
7. 食品と接触する物質関連
8. 香料グループ評価

【FSA】
1. アルギニンの新しい形-イノシトール安定化ケイ酸アルギニン(ASI)-についての意見
を2016年8月15日まで募集
2. FSA は2016年4~6月のインシデントリストを発表
3. FSA は日付表示ガイダンスのレビューを約束する

【PHE】
1. PHE はビタミンD について新しい助言を発表

【NHS】
1. Behind the headlines

【ASA】
1. ASA 裁定

【ANSES】
1. 内分泌攪乱物質の同定のための科学的定義に関するANSES の意見
2. ANSES はVELACTIS®の使用停止と、農場を含む全バッチの回収を要請する

【FSAI】
1. PARNUTS の新しい規制
2. FSAI は2016-2018 戦略を発表-「すべての人にとって安全で信頼できる食品」

【FDA】
1. FDA は乳製品輸出リストのための電子システムを発表
2. CFSAN の住所変更
3. FDA はある種の自動販売機のカロリー開示法令遵守日時を延長する予定
4. ダイエタリーサプリメントの使用に関する消費者向け情報
5. リコール情報
6. 公示
7. 警告文書

【NTP】
1. NTP2015 会計年度年次報告書

【USDA】
1. House of Smoke は規制値を超える亜硝酸塩のため製品をリコール
2. 小規模工場ヘルプデスク
3. オーガニック小売価格の現時点調査
4. ワシントン州でのGE 小麦自生検出

【PMRA】
1. カナダ政府はホウ酸を含む農薬の再評価を決定

【CFIA】
1. 食品リコール警告-Sea Delight ブランドのマカジキ切り身(ロイン)がヒスタミンの
ためリコール

【CTA】
1. カナダ運輸局は航空機での旅行の際のピーナッツ、ナッツ、ゴマアレルギーに関する
助言を発表

【FSANZ】
1. 低THC 麻の実由来食品について意見募集

【MPI】
1. Whangaparaoa のバイオトキシン警告は解除、Plenty 湾地域は継続
2. 魚油サプリメントに関連した食品安全上のリスクはない

【香港政府ニュース】
1. 痩身用製品リコール

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. ベンゾピレンが基準を超過して検出されたごま油と香味油製品の回収措置
3. 食品・畜産物の製造業者に「リスク予防管理計画」を適用
4. 炎天下、異物の発生に注意してください!

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)抗酸化物質に注意、科学的レビューが警告
・(EurekAlert)カナダの北部の先住民コミュニティーの水銀暴露
・(EurekAlert)エネルギードリンクによる心臓の問題?症例報告が新しい根拠を加える
・(EurekAlert)コンドロイチン+硫酸グルコサミンは膝変形性関節炎患者に何の利益もも
たらさない可能性がある