米国農場のGM小麦自生問題

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.12(2013.06.12)を発表した。

注目記事

【USDA】オレゴンで遺伝子組換え(GE)グリホサート耐性小麦が検出された件を調査

 米国農務省動植物衛生検査局(USDA APHIS)は、オレゴンの農場で採集した検体に遺伝子組換え(GE/Genetically engineered)グリホサート耐性小麦の存在を示す結果が得られたと発表した。USDAのさらなる検査により、モンサント社が1998年から2005年に16の州で野外試験を認められたGEグリホサート耐性小麦と同じ品種であることが判明した。このGE小麦は、オレゴンの農家が自分の小麦畑にグリホサート耐性のある小麦が自生しているのに気づき、発見されたものである。GE小麦が自生した原因はわかっていない。

※ポイント:現時点では自生した理由についての続報はありません。これまで、食品用および飼料用ともに認可された遺伝子組換え小麦はありません。認可されていないものが見つかったこと自体は問題ではありますが、今回発見された遺伝子組換え小麦については他の地域や流通上では確認されておらず、また安全性についても以前にFDAが確認しているとのことですので、食品安全上の懸念はなさそうです。

【AVA・MFDS】台湾産の澱粉加工製品のマレイン酸に関する記事

 台湾産の一部の澱粉加工製品から食品添加物として認可されていないマレイン酸が検出されたことを受けて、シンガポール農畜産食品局(AVA)および韓国食品医薬品安全処(MFDS)は関連製品の販売禁止措置および検査を行っている。

※ポイント:マレイン酸が検出されたのは、食感をよくするために澱粉に「無水マレイン酸」が違法に添加されたことが原因のようです。添加された澱粉を加工食品の原料に使用するため、影響のある製品の種類は拡大しています。台湾のメディアでは「毒澱粉」と報道されていますが、摂取量を考慮すると、心配される腎臓障害等の有害影響はなさそうです。

【NIH ODS】ダイエタリーサプリメントのファクトシート:セレン

 米国国立衛生研究所ダイエタリーサプリメント局(NIH ODS)は、セレンに関するファクトシートを発表した。セレンは多数の食品に天然に存在し、ヒトにとって栄養学的に必須な微量元素であるが、過剰摂取により中毒を生じる場合がある。ブラジルナッツのセレン含量が多いため、米国では定期的に摂取しないよう注意が喚起されている。また、食品に含まれるだけでなく、セレン含有のダイエタリーサプリメントもある。

※ポイント:日本でも、通信販売等でセレン含有のさまざまなサプリメントが販売されています。日本人の平均摂取量は約100μg/日で十分であるのに対し、耐容上限量は成人男性で260~300μg/日、成人女性で210~230μg/日あることから、その差は小さく、不必要なサプリメントの摂取は有害影響をもたらす可能性があるため注意が必要です。

※参考:「日本人の食事摂取基準」(2010年版)6.2.6. セレン(Se)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4am.pdf

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.12(2013.06.12)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2013/foodinfo201312c.pdf

今号の目次

【UN】
1. 日本の2011年核事故は将来の健康に影響しそうにない、と国連報告書案は述べる

【WHO】
1. WHO紀要

【EC】
1. フードチェーン及び動物衛生に関する常任委員(SCFCAH):フードチェーンの毒性学的安全性に関する議事概要
2. SCFCAH:一般食品法部会の議事概要
3. EU食品添加物:我々の食品をより安全に
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. EU食品添加物リスト発効
2. マルハナバチの研究はネオニコチノイドの結論に影響しない、とEFSAは述べる
3. 柑橘類の塩化ジデシルジメチルアンモニウム(DDAC)輸入トレランス設定についての理由付き意見
4. 食品及び飼料中にステリグマトシスチンが存在することに関連する公衆衛生や動物の健康上のリスクについての科学的意見
5. 食品添加物としてのモンタン酸エステルの再評価に関する科学的意見
6. 食品と接触する物質関連

【FSA】
1. ウマ肉レビュー-主な知見
2. チーア種子に意見募集

【BfR】
1. 欧州の食品危機を克服する

【FDA】
1. 警告文書(2013年5月28日、6月4日公表分)
2. 公示

【USDA】
1. USDAはオレゴンで遺伝子組換え(GE)グリホサート耐性小麦が検出された件を調査している
2. 食品安全検査局(FSIS):残留物質コンプライアンスガイド

【NIH】
1. ダイエタリーサプリメントのファクトシート:セレン

【CFIA】
1. CFIAは1,000検体以上の食品について食用色素を検査し、96.2%が基準を遵守していることを確認
2. 生鮮野菜の残留農薬検査の結果、消費者に健康リスクはない

【FSANZ】
1. 米国の農場で見つかったGM小麦についての助言

【TGA】
1. 警告
2. 「BergaMet」製品の宣伝についての決定

【香港政府ニュース】
1. ちまきは安全性検査に合格
2. 4月の食品安全性検査の結果は99.99%合格
3. 漢方薬により女性が健康被害
4. 漢方プラクティショナーが取調中
5. 有害ハーブで高齢者が入院
3
6. 経口用製品に警告
7. 痩身用製品に警告
8. 漢方薬リコール
9. 痩身用製品に警告
10. ハーブを摂取して男性死亡
11. 19人が食中毒

【MFDS】
1. 工業用マレイン酸(Maleic acid)検出のため一部の台湾産澱粉加工食品を回収・廃棄措置
2. 勃起不全治療剤の成分配合「ビタミン含有製品」の回収.廃棄
3. 食品へ使用できない原料を用いて製造された液状茶の回収.廃棄
4. 米国オレゴン州小麦関連

【AVA】
1. マレイン酸を原因とする台湾産の澱粉ベースの製品のリコール更新

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)都市の菜園の鉛のホットスポット検出には異なるサンプリング戦略が必要