欧州がグリホサートの認可延長

No.02(2023.01.18)

薬剤容器(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。欧州委員会(EC)はグリホサートの認可更新の可否について期日までに合意できず、関連規則に基づき認可を2023年12月15日まで延長した。ビタミンとミネラルはヒトの生理機能に不可欠であっても過剰摂取による有害影響を生じる可能性もあり、それに関連する報告の例を挙げる。

注目記事

【EC】グリホサート:認可期間の延長について

 植物保護製品(農薬)の有効成分グリホサートの認可は2022年12月15日に失効する予定であったが、その更新の可否について欧州委員会(EC)は合意できなかった。そのためECは関連規則に基づき、2022年12月2日、グリホサートの認可を2023年12月15日まで延長するという委員会実施規則(EU)2022/2364を採択した。

※ポイント:植物保護製品に関する規則(EC)No1107/2009では、申請者が対処できない理由により、有効成分の認可の更新について決定が下される前に失効する可能性が高い場合には、認可期間を延長するよう定めています。今回のグリホサートについては、科学的根拠となる欧州食品安全機関(EFSA)の評価にかなりの時間を要しており、完了するのが2023年7月以降になると予測されたため、規則に基づき期限延長となりました。

【NIH】The Scoop 2022年12月(亜鉛について)

 米国国立衛生研究所(NIH)のダイエタリーサプリメント局(ODS)は、ダイエタリーサプリメントの摂取に関するさまざまな疑問に答えるための簡単なQ&Aを定期刊行している。今号のテーマは「亜鉛」について。

※The Scoop December 2022
https://content.govdelivery.com/accounts/USNIHODS/bulletins/33d5775

※編集部註:The Scoop(スクープ)はNIHのニュースレターの誌名。

【別添 TGA】ビタミンB6を含む健康サプリメントが末梢神経障害を引き起こす可能性がある

 ビタミンB6(ピリドキシン)の摂取は、副作用として末梢神経障害を引き起こす可能性がある。その副作用はすで知られていることだが、オーストラリアTGAの報告書によると、多くの人がそのことを知らず、マルチビタミンやサプリメントにビタミンB6が含まれていることも気づいていないことが示唆されている。複数のサプリメントを摂るとビタミンB6の総摂取量が多くなり、末梢神経障害を発症する可能性が高くなる。TGAには、ビタミンB6を含む製品との関連が疑われる末梢神経障害の報告が30件以上届いている。そのため、ビタミンB6の摂取について注意を喚起するとともに、製品ラベルへの警告表示に関する規則を改訂した。

※ポイント:上記2つの記事はビタミンとミネラルのサプリメントの摂取に関するものです。不足していると思ってサプリメントを摂取している方も多いかもしれませんが、ヒトの生理機能に不可欠であっても過剰摂取による有害影響を生じる可能性もあります。ビタミンB6に関するTGAの記事は、その点を丁寧にわかりやすく説明しています。

 日本人の栄養素の摂取については「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に推定平均必要量、推奨量、耐容上限量などが示されています。各栄養素をどの程度摂取するのがよいのか気になる方は参考にして下さい。

※日本人の食事摂取基準
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/syokuji_kijyun.html

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.02(2023.01.18)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202302c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.02(2023.01.18)別添
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202302ca.pdf

今号の目次

【FAO】
1. 遺伝子編集とアグリフードシステム
2. セルビアの伝統を維持しつつ食品安全を近代化する
3. Codex

【EC】
1. グリホサート:認可期間の延長について
2. SCHEER(環境及び新興リスクに関する科学委員会)
3. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
4. 査察報告書
5. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1.2022危機準備訓練:年次報告書
2. EFSA は新しいロゴで新年を迎えます!
3. 新規食品関連
4. 食品接触物質関連
5. 農薬関連
6. 飼料添加物関連

【FSA】
1. 少数のヒト母乳製品のリコールに関する通知
2. FSA は共有キッチンでの学生の食品安全行動に関する研究を共有する

【DEFRA】
1. グレートブリテン植物バイオセキュリティ戦略(2023年から2028年)
2. イングランドにおける使い捨てプラスチックの広範囲に及ぶ禁止

【DWI】
1. 研究報告「飲料水のための水の再利用についての人々の認識」の発表
2. 水質規制基準レビュー

【BfR】
1. 肥育動物における抗生物質の使用は減少傾向
2. あなたの食品に何が入っているか-BfR MEAL Study
3. ニッケル:BfR MEAL Study に基づく食品を介した長期摂取量の推定

【RIVM】
1. DIY 製品ファクトシート。消費者暴露を推定するためのデフォルトパラメーター-2022更新バージョン

【ANSES】
1. トコジラミを全滅させる最終手段としてのみ化学物質を使用すること

【FDA】
1. ジュース中のヒ素及び鉛の検査結果
2. FDA は Food Code の2022版を発表
3. FDA の警察長官:グローバリゼーションと e コマースの課題への適応
4. FDA は食品表示最終規則の統一遵守日を発表
5. FDA は乳児用調製乳移行計画に関する承認書を発行
6. シーフードの天然毒素とスコンブロイド魚中毒に関連する病気とアウトブレイクの調査表更新
7. FDA と Stop Foodborne Illness が食品安全文化の学習とトレーニングのウェビナーを共同開催する
8. FDAはヒト及び動物用食品の輸入業者向けの外国供給業者検証プログラム最終ガイダンスを発行する
9. 警告文書

【EPA】
1. EPA はプラスチックや化学物質製造に使用される PFAS の全国検査戦略下で次の検査命令を発行
2. EPA は新しい PFAS 解析ツールを発表

【NIH】
1. スクープ-2022年12月(亜鉛について)

【CFIA】
1. 乳児用シリアルのデオキシニバレノール―2018年4月1日〜2019年3月31日
2. 特定食品中のオクラトキシン A―2012年4月1日〜2018年3月31日及び2019年4月1日〜2022年3月31日

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【NSW】
1. FAQ:Broken Bay の有毒な藻の発生について
2.2022夏の Foodwise ニュースレター

【香港政府ニュース】
1. Food Safety Focus-スコンブロイド魚中毒症
2. イタリア保健当局の報告:基準値超過のオクラトキシンのため、CAFFE’ TROMBETTA SpA のコーヒー製品のイタリアでのリコールに関する通知
3. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 蜂蜜製品に液状果糖を混入して製造・販売した業者を摘発
3. 飼養蜂蜜を天然蜂蜜と虚偽表示・販売した行為など集中取締りの結果、7業者を摘発・措置
4. コエンザイム Q10など機能性原料9種「摂取時の注意事項」を追加
5. 中国産乾燥キクラゲに対する輸入業者の検査命令の施行
6. 食薬処、代替食品の定義と安全管理の基準を用意
7. 個人オーダーメード型、複合健康機能性食品のモデル事業が拡大

【SFA】
1. シンガポールの農家との強い関係構築
2. マレーシア産ロメインレタスの輸入規制
3. 新規食品

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・ProMED-mail3件

別添

【TGA】ビタミン B6を含む健康サプリメントが末梢神経障害を引き起こす可能性がある