パン粉付き生肉のサルモネラ

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.07(2019.04.03)を発表した。

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【カナダ】パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連のサルモネラ

 カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)は、複数の州・準州の公衆衛生当局、カナダ食品検査庁(CFIA)およびカナダ保健省(Health Canada)と協力し、パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連してカナダ国内で発生しているサルモネラ感染アウトブレイクを調査している。

 2017年5月、カナダ政府機関の研究者は、アウトブレイクの探知および対応のために全ゲノムシークエンシング(WGS)技術の使用を開始した。それ以降、連邦・州・準州の公衆衛生・食品安全当局は、パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連してカナダ国内で発生したアウトブレイク17件について調査を行ってきた。これらのアウトブレイク調査により計14種類の食品のアウトブレイクとの関連が特定され、このうち13種類についてはCFIAが食品回収警報を発した。残りの1種類は小売業者により市場から撤去された。

 パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連してカナダで発生した17件のサルモネラ感染アウトブレイクでは、2019年3月22日までに検査機関確定患者566人が報告されている。
 また、新規アウトブレイク初発情報として、現在オンタリオ州から患者計2人が報告されている。患者は2019年2月に発症し、2人とも入院したが、死亡者は報告されていない。原因食品としてパン粉付き冷凍生鶏肉製品が特定されている。本アウトブレイクに関連し、2019年3月21日に以下の製品の回収が開始された。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.07(2019.04.03)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201907m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. Butterballブランドの七面鳥ひき肉に関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Schwarzengrund)感染アウトブレイク(初発情報)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:パン粉付き冷凍生鶏肉製品などの生の鶏肉に関連して発生しているサルモネラ感染アウトブレイク(2019年3月22日、3月1日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)、欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州疾病予防管理センター(ECDC)の「食品・水由来疾患および人獣共通感染症に関するネットワーク(FWD-Net)」と欧州食品安全機関(EFSA)の「人獣共通感染症モニタリングデータネットワーク」による第3回合同会議の報告書

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【欧州食品安全機関(EFSA)】
1. 欧州食品安全機関(EFSA)のデータ収集フレームワークを介して分子生物学的タイピングデータを報告するためのガイドライン

【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. デンマーク抗微生物剤耐性モニタリングおよびリサーチプログラム(DANMAP)の2017年次報告書

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2019(05)