
日本フードサービス協会(JF)は2025年4月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数222、店舗数36,188店=100.5%)合計の売上高は106.0%と拡大。客単価は際立って上昇しながら、客数は100.9%と前年並み。
売上高は、すべての業種・業態でプラス。とくに、中華ファミリーレストラン(14.3%増)、喫茶(11.2%増)、和風ファミリーレストラン(10.8%増)、麺類ファストフード(10.3%増)は二桁増。ディナーレストラン(7.7%増)、洋風ファミリーレストラン(7.5%増)も好調だった。
客数は、和風ファストフード(▲7.9%)、その他ファストフード(▲3.5%)、その他(▲1.8%)、パブ・ビアホールパブ(▲1.2%)、持ち帰り米飯/回転寿司(▲1.2%)、焼肉ファミリーレストラン(▲0.7%)が前年同月を下回ったが、客単価上昇で売上増となった。
JFによる概況は以下のとおり。
4月は、前月のような気温の寒暖差もなく比較的安定した天候のもと、春休みやお花見、大型連休などで人出が増え、また単月の訪日外客数が過去最高を更新し、インバウンド需要が引き続き好調、加えてメニュー価格の改定による客単価上昇が続いており、外食全体の売上は前年比106.0%となった。一方で、4月から値上げされる原材料品目も多く、外食企業の今後の経営の圧迫が懸念される。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年4月)

事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
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全体 | (N=222) | (N=36,188) | 106.0% | 100.5% | 100.9% | 105.1% | |
ファストフード | 合計 | (N=52) | (N=21,049) | 104.4% | 101.1% | 99.3% | 105.1% |
洋風 | (N=18) | (N=6,135) | 104.5% | 101.5% | 103.6% | 100.9% | |
和風 | (N=15) | (N=5,278) | 100.5% | 102.4% | 92.1% | 109.1% | |
麺類 | (N=17) | (N=3,131) | 110.3% | 100.4% | 103.1% | 107.0% | |
持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=17) | (N=4,084) | 104.9% | 99.3% | 98.8% | 106.1% | |
その他 | (N=9) | (N=2,421) | 104.1% | 101.2% | 96.5% | 107.9% | |
ファミリーレストラン | 合計 | (N=65) | (N=9,750) | 108.4% | 99.5% | 104.4% | 103.9% |
洋風 | (N=32) | (N=4,820) | 107.5% | 97.4% | 104.2% | 103.1% | |
和風 | (N=30) | (N=2,334) | 110.8% | 101.6% | 104.3% | 106.2% | |
中華 | (N=13) | (N=1,217) | 114.3% | 103.0% | 106.9% | 106.9% | |
焼肉 | (N=16) | (N=1,379) | 102.5% | 100.3% | 99.3% | 103.2% | |
パブ/居酒屋 | 合計 | (N=37) | (N=1,797) | 103.7% | 100.2% | 100.8% | 102.9% |
パブ・ビアホール | (N=12) | (N=400) | 102.6% | 102.3% | 98.8% | 103.9% | |
居酒屋 | (N=30) | (N=1,397) | 104.3% | 99.6% | 102.0% | 102.3% | |
ディナーレストラン(計) | (N=23) | (N=893) | 107.7% | 102.1% | 107.0% | 100.6% | |
喫茶(計) | (N=25) | (N=2,478) | 111.2% | 99.6% | 101.2% | 109.8% | |
その他(計) | (N=20) | (N=221) | 100.4% | 89.8% | 98.2% | 102.3% |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は52、店舗数は21,049店(101.1%)。客単価は際立って上昇しながら、客数は99.3%とほぼ前年並み。売上高は104.4%と前年同月を上回った。
洋風ファストフード(事業社数18、店舗数6,135店=101.5%)は、客単価は前年並みだが、客数は103.6%と前年同月を上回った。売上高は104.5%と前年同月を上回った。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,278店=102.4%)は、客単価は際立って上昇し、客数は92.1%と減少。売上高は100.5%と前年同月をクリア。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,131店=100.4%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.1%と前年同月を上回った。売上高は110.3%と2桁の拡大。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数17、店舗数4,084店=99.3%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は104.9%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数9、店舗数2,421店=101.2%)は、客単価は際立って上昇し、客数は96.5%と前年同月を下回った。売上高は104.1%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は65、店舗数は9,750店(99.5%)。客単価は上昇したが、客数は104.4%と前年同月を上回った。売上高は108.4%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数32、店舗数4,820店=97.4%)は、客単価は上昇したが、客数は104.2%と前年同月を上回った。売上高は107.5%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数30、店舗数2,334店=101.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は104.3%と前年同月を上回った。売上高は110.8%と2桁の拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,217店=103.0%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は106.9%と増加。売上高は114.3%と2桁の拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数16、店舗数1,379店=100.3%)は、客単価は上昇しながら、客数は99.3%とほぼ前年並み。売上高は102.5%と前年同月を上回った。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は37、店舗数は1,797店(100.2%)。客単価は上昇しながら、客数は100.8%と前年並み。売上高は103.7%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数12、店舗数400店=102.3%)は、客単価は上昇し、客数は98.8%と前年同月を下回った。売上高は102.6%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数30、店舗数1,397店=99.6%)は、客単価は上昇したが、客数は102.0%と前年同月を上回った。売上高は104.3%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数23、店舗数893店=102.1%)は、客単価は前年並みだが、客数は107.0%と増加。売上高は107.7%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数25、店舗数2,478店=99.6%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.2%と前年同月を上回った。売上高は111.2%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数20、店舗数221店=89.8%)は、客単価は上昇し、客数は98.2%と前年同月を下回った。売上高は100.4%と前年同月をクリア。
●日本フードサービス協会
http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html