コルゲート管暗渠を施工した圃場断面の模型
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畑の土 xv/赤黄色土(2)

赤黄色土はとくに下層で強い粘りを持ちます。このことから、暗渠の敷設などの対策を講じない場合には湿害などの障害を起こしやすくなります。一方、酸性土壌であることも赤黄色土の特徴です。排水と酸性を改良する手を打てば、とくに根菜では味わい深いものが作れるようになります。
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畑の土 xiv/赤黄色土(1)

赤黄色土は、日本の北から南まで広く分布する土です。これは、更新世という太古に日本列島が高温多湿であったために、岩石のさまざまな成分が風化して流れ出し、鉄とアルミニウムが多く残って出来た土壌と言えます。
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畑の土 xiii/火山放出物未熟土(2)

火山放出物未熟土はもともとやせた土だが、十分な量の堆肥を施すことで、一転して優秀な畑にすることが可能になっている。ただし、ある限界を超えて堆肥を入れ過ぎると、深刻な障害を起こしやすい。それは、主にリン酸とカリウムの過剰という形で現れる。
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畑の土 xii/火山放出物未熟土(1)

火山灰や火山礫の風化がまだ十分進んでいない土が火山放出物未熟土。これは、もともとやせた土だが、堆肥の施用によって改善が可能となる。ただし、取り組む農家によって出来・不出来の差が出やすいのが特徴となっている。その理由を述べていく。
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畑の土 xi/暗赤色土(2)

日本の近代農業では、暗赤色土のように作業性の悪い土に対しては、土壌改良をしようと考えがちです。しかし、それは正しい選択でしょうか。日本と中国の農業を比べながら、そのことについてよく考えてみましょう。
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畑の土 x/暗赤色土(1)

暗赤色土は、日本では一部の地域でだけ見られる珍しい土です。これは非常に粘りの強い土で、作業性は最悪です。しかし、根菜類を育てるとたいへん良好な品質のものが得られます。
ロータリ
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畑の土 ix/褐色森林土(2)

褐色森林土は、広葉樹の落葉が含むカルシウムなどのおかげでバクテリアがよく働き、その地域の降水量の関係から成分の流亡も少ないのが特徴です。ところが、日本の場合は降水量が多いため、褐色森林土とは言っても成分が流亡し、酸性に傾いた土となっています。
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畑の土 vii/砂丘未熟土(2)

砂の畑で優良な野菜産地はたくさんあるものの、砂の土壌化学性を見ると、あまり芳しいものではありませんでした。肥料や水の与え方にいろいろ工夫が必要です。では、砂の土壌物理性はどうなっているでしょうか。実は砂は、土壌物理性から言うと非常によい土なのです。
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畑の土 vi/砂丘未熟土(1)

砂も土だと言うと、疑問に思ったり、あまり作物の栽培に適さない土だろうと考える人は多いでしょう。しかし実際には、砂地で野菜の優良産地というところはたくさんあります。砂の土壌としてのよさはどのようなところにあるのでしょう。土の化学性で見ると、やはりあまりよい土には見えないのですが。
北海道の圃場
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畑の土 v/黒ボク(5)

黒ボクと同じように真っ黒な土のチェルノーゼムも、やはり腐植が多いために黒い土です。しかし、チェルノーゼムが腐植が多い土壌になったのは、黒ボクとは違うメカニズムよるものです。さて、黒ボクの腐植を分解しにくくしているアルミニウムには、実は抗菌作用があることがわかって来ましたが、その作用を阻害するものがリン酸過剰です。
黒ボク
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畑の土 iv/黒ボク(4)

黒ボクは軽く、軟らかい土で、とくに排水性のよい場所では良好な圃場を作ることができます。黒ボクの黒さや軟らかな性質は腐植の多さによるものです。黒ボクはなぜ腐植が多いのかと言うと、その腐植がアルミニウムと結び付いていて、分解しにくいことによります。
黒ボク土の圃場断面標本(モノリス)
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畑の土 iii/黒ボク(3)

日本にとくに見られる黒ボクという土壌の特異性は、世界的にも有名なものです。化学性には問題の多い土壌ですが、非常に軽く、軟らかく、しかもその物理性が深い層まで均一になっているのが特徴です。
黒ボク土の圃場断面標本(モノリス)
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畑の土 ii/黒ボク(2)

黒ボクが不良土となる理由は、植物の生育に必要な成分が高温多雨の気候下で溶け出し、有害なアルミニウムが残ったものであるということです。しかし、1930年頃にカルシウムとリン酸の施用などで土壌の改良が行われると、黒ボク地帯に大型野菜産地が形成されていきました。
火山灰土地帯
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畑の土 i/黒ボク(1)

栽培現場を7つに分類して説明する (1) 育苗培土(野菜苗を中心に) (2) 固形培地によるハウス栽培 (3) ハウスでの地床栽培 (4) 露地畑 (5) 水田での水稲 (6) 水田からの転作 (7) 海外での農業 黒ボクは世界でも稀な不良土です。ここでは何をやってもうまく育たず、長らく荒れ地のまま放置されてきました。例外は人糞尿を集めて下肥として施用できた大都市近郊の圃場と、水田として利用した場 […]