中国の昼休みは2時間程度のところが一般的である。日本と比較して、ずいぶんゆったりとしているように思う。そのことについて紹介したい。
昼食のために親が子供を送り迎え
中国の昼食を考える場合、何度か紹介していることだが、中国の人々は基本的に冷えたものは食べないということを思い出しておく必要がある。したがって、日本人が普通だと思っている冷めたままの弁当を食べるということはあり得ない。
ではどうするかというと、たとえば学生の場合は、家が近ければ帰宅して昼食を摂る。ただ、小学生であれば誘拐などの心配があるため、昼休みにも親が送り迎えをする。とは言え、共働きの場合は困難なので他の人に依頼することになる。
日本の小中学校では学校給食が一般的だが、中国でも学校で食事が提供されるケースはある。その場合、多くは外部の事業者によるのだが、限られた予算の中で利益を出そうとする余り、食の安全に関してやや不安な面がある。また、通常はブッフェ形式となるが、学生はどうしても好きな料理ばかり選ぶため、偏食の懸念が指摘されている。
さて、日本の学校には遠足という行事があるが、振り返れば、その楽しみは何といっても親が作ってくれた弁当であった。中国では遠足自体が一般的でないが、校外学習で出掛ける場合なども、もちろん冷えた弁当を持って行くということはあり得ない。行った先の料理店や食堂を利用するのである。
デリバリーはコロナ禍以前から
社会人の場合は、帰宅して昼食を摂るのはさすがに少数派だろう。勤め先の近くに料理店があれば、そこを利用することができる。
同様に、コンビニや大規模超市があれば、数種類の惣菜を選んでご飯も購入できる。そうした食事であれば、通常10元(約150円)程度で収まり極めてリーズナブルである。また、懐が寂しい場合にカップ麺で我慢するということもあっても不思議ではない。
コンビニにはイートインコーナーを設けている場合も少なくない。また、汁物が欲しくなるが、その場合は中国でも普及しているおでんを選択できる。
フード・デリバリーは、コロナ禍以前からよく利用されてきた。
いずれにしても、時間に余裕があるため、ゆったりと昼寝をすることができる。つくづくうらやましいと感じる習慣である。