日本フードサービス協会(JF)は2025年10月外食産業市場動向調査を発表した。全体(事業社数218、店舗数36,647店=100.9%)合計の売上高は107.3%と拡大。客単価は上昇したが、客数は103.2%と前年同月を上回った。
売上高は、ほとんどの業種・業態で前年同月を超えた。喫茶(10.6%増)と洋風ファストフード(10.4%増)は2桁増。その他と焼肉ファミリーレストランは前年同月を下回った。
客数は、多くの業種・業態で前年同月を超えたが、洋風ファストフード(109.5%)、ディナーレストラン(105.4%)のように増加幅が大きい業種・業態は一部。その他、焼肉ファミリーレストラン、持ち帰り米飯/回転寿司、和風ファストフードは前年同月を下回った。
客単価は、すべての業種・業態で前年同月よりも上昇したが、上昇幅が5%を超えたのは、和風ファストフード(9.3%上昇)持ち帰り米飯/回転寿司(7.8%上昇)喫茶(6.8%上昇)和風ファミリーレストラン(6.1%上昇)中華ファミリーレストラン(5.6%上昇)の5つ。
JFによる概況は以下のとおり。
10月は、レストラン業態などの一部で9月からの客数の伸び悩みが残ったものの、月後半に客数は回復した。だが消費者の節約志向は根強く、半額などのお得なキャンペーンに集客効果が見られた。客単価の上昇、FF業態やFR低価格業態の堅調、一時期鈍化していたインバウンド需要の回復などが外食全体の売上を下支えし、売上は107.3%となった。
売上高と店舗数の伸び率推移(〜2025年10月)

| 事業社数 | 店舗数 | 売上高(前年比) | 店舗数(前年比) | 客数(前年比) | 客単価(前年比) | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 | (N=218) | (N=36,647) | 107.3% | 100.9% | 103.2% | 104.0% | |
| ファストフード | 合計 | (N=52) | (N=21,491) | 107.7% | 101.7% | 103.3% | 104.3% |
| 洋風 | (N=21) | (N=6,257) | 110.4% | 101.8% | 109.5% | 100.8% | |
| 和風 | (N=15) | (N=5,349) | 108.1% | 102.8% | 98.9% | 109.3% | |
| 麺類 | (N=17) | (N=3,174) | 104.2% | 101.5% | 100.7% | 103.5% | |
| 持ち帰り米飯/回転寿司 | (N=18) | (N=4,274) | 103.4% | 100.0% | 95.9% | 107.8% | |
| その他 | (N=8) | (N=2,437) | 104.8% | 102.2% | 104.0% | 100.8% | |
| ファミリーレストラン | 合計 | (N=62) | (N=9,252) | 106.7% | 99.4% | 102.9% | 103.7% |
| 洋風 | (N=29) | (N=4,371) | 107.8% | 98.1% | 104.1% | 103.5% | |
| 和風 | (N=31) | (N=2,310) | 107.4% | 101.1% | 101.2% | 106.1% | |
| 中華 | (N=13) | (N=1,230) | 108.8% | 102.1% | 103.0% | 105.6% | |
| 焼肉 | (N=15) | (N=1,341) | 99.7% | 98.7% | 95.8% | 104.1% | |
| パブ/居酒屋 | 合計 | (N=40) | (N=2,300) | 104.2% | 99.7% | 101.7% | 102.4% |
| パブ・ビアホール | (N=14) | (N=420) | 104.1% | 102.2% | 102.2% | 101.8% | |
| 居酒屋 | (N=32) | (N=1,880) | 104.2% | 99.1% | 101.5% | 102.7% | |
| ディナーレストラン(計) | (N=23) | (N=943) | 106.5% | 101.9% | 105.4% | 101.1% | |
| 喫茶(計) | (N=24) | (N=2,485) | 110.6% | 100.9% | 103.6% | 106.7% | |
| その他(計) | (N=17) | (N=176) | 97.0% | 87.6% | 94.1% | 103.0% | |
凡例:10%以上のプラス/5%以上のプラス/前年同月未達(四捨五入で100.0%となっているものを含む)/5%以上のマイナス/10%以上のマイナス。
※前年同月比は税抜比較で行っている。
※ファストフード、ファミリーレストラン、パブ/居酒屋の各業態の内訳に関しては、重複する事業社があるため合計の数値は必ずしも内訳の累積に一致しない。
ファストフード
ファストフード全体の事業社数は52、店舗数は21,491店(101.7%)。客単価は上昇したが、客数は103.3%と前年同月を上回った。売上高は107.7%と拡大。
洋風ファストフード(事業社数21、店舗数6,257店=101.8%)は、客単価は前年並みだが、客数は109.5%と増加。売上高は110.4%と2桁の拡大。
和風ファストフード(事業社数15、店舗数5,349店=102.8%)は、客単価は際立って上昇し、客数は98.9%と前年同月を下回った。売上高は108.1%と拡大。
麺類ファストフード(事業社数17、店舗数3,174店=101.5%)は、客単価は上昇しながら、客数は100.7%と前年並み。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
持ち帰り米飯/回転寿司ファストフード(事業社数18、店舗数4,274店=100.0%)は、客単価は際立って上昇し、客数は95.9%と前年同月を下回った。売上高は103.4%と前年同月を上回った。
その他ファストフード(事業社数8、店舗数2,437店=102.2%)は、客単価は前年並みだが、客数は104.0%と前年同月を上回った。売上高は104.8%と前年同月を上回った。
ファミリーレストラン
ファミリーレストラン全体の事業社数は62、店舗数は9,252店(99.4%)。客単価は上昇したが、客数は102.9%と前年同月を上回った。売上高は106.7%と拡大。
洋風ファミリーレストラン(事業社数29、店舗数4,371店=98.1%)は、客単価は上昇したが、客数は104.1%と前年同月を上回った。売上高は107.8%と拡大。
和風ファミリーレストラン(事業社数31、店舗数2,310店=101.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は101.2%と前年同月を上回った。売上高は107.4%と拡大。
中華ファミリーレストラン(事業社数13、店舗数1,230店=102.1%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.0%と前年同月を上回った。売上高は108.8%と拡大。
焼肉ファミリーレストラン(事業社数15、店舗数1,341店=98.7%)は、客単価は上昇し、客数は95.8%と前年同月を下回った。売上高は99.7%と未達ながら前年同月並み。
パブ・居酒屋
パブ/居酒屋全体の事業社数は40、店舗数は2,300店(99.7%)。客単価は上昇したが、客数は101.7%と前年同月を上回った。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
パブ・ビアホール(事業社数14、店舗数420店=102.2%)は、客単価は上昇したが、客数は102.2%と前年同月を上回った。売上高は104.1%と前年同月を上回った。
居酒屋(事業社数32、店舗数1,880店=99.1%)は、客単価は上昇したが、客数は101.5%と前年同月を上回った。売上高は104.2%と前年同月を上回った。
ディナーレストラン
ディナーレストラン全体(事業社数23、店舗数943店=101.9%)は、客単価は上昇したが、客数は105.4%と増加。売上高は106.5%と拡大。
喫茶
喫茶全体(事業社数24、店舗数2,485店=100.9%)は、客単価は際立って上昇したが、客数は103.6%と前年同月を上回った。売上高は110.6%と2桁の拡大。
その他の業態
その他全体(事業社数17、店舗数176店=87.6%)は、客単価は上昇し、客数は94.1%と減少。売上高は97.0%と前年同月を下回った。
●日本フードサービス協会
https://www.jfnet.or.jp/industry_report/
