まなざし系サプリ

健康食品の通販番組でよく見るものにブルーベリーがありますよね~。そのブルーベリーの通販番組では、「まなざしが気になる方に」というフレーズがよく出ます。そんな“まなざし系サプリ”とも言うべきもののお話をしましょう。

「目と言ったら、メッ!」

「まなさしが気になる方に」なんて、回りくどい言い方ですよね?「目と言えばいいじゃない」と思うでしょう。ところが、実はこの表現、今やほとんどの放送局でNGなのです!

 バクッと「体の調子がいい」的な“健康全般的なこと”は「まあよい」とされるのですが、特定の部位(目とか腰とか膝とか耳とか脳とか)に効果効能をにおわすことには、非常~にきびしい! 地上波はほとんどダメなんじゃないかなーと思います。

 だから今は、ナレーションやコメントなどは「まなざし」といったきわめてあいまいな言い方になり、映像を目にアップさせて「ここが気になる方に勧めたいんですよ~」ということを伝えようと、制作現場は苦心しております!

「まなざしサプリと言えばアントシアニンでした」

 ブルーベリーのサプリメントで今やすっかりおなじみとなったのは、北欧原産の野生種のブルーベリー「ビルベリー」というものですね。これを材料にしたサプリメントがたくさんあります。特徴はアントシアニンという色素が多いことで、普通の生のブルーベリーが外は紫でも中が白いのに対し、中まで紫なんです。このアントシアニンが「まなざしサプリ」のウリですね。

 このアントシアニンなんですが、ヨーロッパではいろいろと研究(編集部註:代替医療系の研究と思われます)が進んでいるようで、実際健康のためにいいものという認識は日本より広まっているようですね~。というのは現地を取材してきたとあるディレクターさんの談。ちなみに私は現地には行けませんでした(もちろん制作費節約のため)。

 一方日本ではと言うと、アントシアニンに詳しく実験・研究データを持っている専門家、というのはなかなかいないんですねぇ。他の食品、たとえば青汁の食物繊維のことなどは、独自研究している方が日本にもたくさんいますが、アントシアニン研究をずーっと続けている日本人研究者には巡り会えておりません。噂される効能を否定するつもりはないですけどもね(ヨーロッパではそれなりに重宝されている成分のようですので)。

 このアントシアニンの詳しい働きの説明はここではやめますが、何かと言ったら「ポリフェノール」の一種とされています。体を老化させる活性酸素に対抗すると言われるものですね。ココアや赤ワインに含まれていると有名になりました。でもポリフェノールって無数にあるわけです。カテキン、タンニン、ルチン、イソフラボンなどはフラボノイドにくくられるポリフェノールですし、いろいろ数えると5000種類以上もあるんだそうです。

 アントシアニンもフラボノイドの一つですが、普通の食品から摂れる機会はあまりないので、それが摂りたい、という人にはいいかもしれませんね。

「まなざしサプリには新手が続々なんです」

 この“アントシアニンのブルーベリー”が、長らくまなざし系サプリ市場を支配していたのですが、最近は新しいさまざまな成分も名乗りを上げてきています。

 マリーゴールドから抽出するルテインだとか、カシスエキスだとか、アサイーベリーだとか、ボイセンベリーのエラグ酸などなど。

 それぞれにいわれはあるようですが、どれを健康の補助的に摂るかはその人次第というところです。私や私の周りのスタッフも何か商品を扱うときは試しますが「いやあブルーベリーいいね~!」という人もいれば「森畑くん! ブルーベリーよりこれからはルテインだねぇ。オレ、これでいく」など、正直人によってバラバラ。

 私は普段パソコンに向かって目を酷使していますが、○○は何となくいいような……でも多忙にかまけて飲み続けないでしまうたちなので、何とも言えないのですがねえ。

 取材の中で眼医者さんに「眼を健康に保つには?」ということも聞いてみました。すると、「健康食品の成分については否定はしませんが、眼の周りの血流をよくしておくのは大切ですよ」と。そのために「疲れを感じたら軽~くマッサージしてみるのでもいい」とおっしゃっていました。ま、それも私、なかなか続けられないのですがね……。

アバター画像
About 森畑たけし 65 Articles
通販番組制作担当者 もりはた・たけし 1975年生まれ。通常のテレビ番組と通販番組を手がけて12年。ひと昔前、一段下に見られていた感のある通販番組とその市場の成長に驚くばかり。同時に「やっててよかった~」とありがたい食い扶持があることにホッ……。しかし、膨大なグルメ情報、健康情報、お得情報などを発信し続けていながら、本人は全く活用できていない。自分が通販アイテムを買って続けるなら髪関係だろうかと、毛根と〆切が気になる人。