バーテンダー諸兄に贈るFOODEX JAPAN 2012洋酒レポート10(3)

Alquitara Orujo Hierbas
Alquitara Orujo Hierbas

去る3月6日~9日、幕張メッセにおいてFOODEX JAPAN 2012が開催された。参加国数72か国、約2400社の飲料・食品メーカーが一堂に集まる世界でも有数の見本市であり、今回も73000人を超す来場者で賑わった。その中でバーテンダー目線に立って見付けてきた洋酒10品を紹介していく。3回目はスペイン産の2品だ。

【5】Alquitara Orujo Hierbas

Alquitara Orujo Hierbas
Alquitara Orujo Hierbas

アンダルシア州コルドバの白ブランデーに地中海ハーブを加えたリキュール
取扱:ユニオンリカーズ Tel.03-5510-2684

 こちらも【4】と同じユニオンリカーズ扱いで試飲していない。フランスの陰に隠れてはいるものの、スペインはブランデーの知られざる大生産国であり、味についても興味は尽きない。(スペイン)

【6】Galisian Orujo

Galisian Orujo
Galisian Orujo

ガリシア地区のメンシア・アルバリーニョ・トレイシャドウラ種のブドウを使い、贅沢に蒸留したグラッパ
取扱:リベラジャパン Tel.03-3506-3630

 これは帰宅後に会場で貰ったパンフレットで見つけたグラッパ。だだっ広い会場を小走りで駆け巡りながら強い蒸留酒を立て続けに煽り、襲ってくる酔いを会場内のそこかしこで出されているストレートコーヒーの一気飲みで無理やり押さえてリサーチを続けていると、必ずこういう見落としが出てくる。筆者にとってうまいグラッパの代名詞は「オルネライア」と「サシカイア」なのだが、これを超える味に出会うことができたのかもしれないと思うと、会場で試飲しなかったことが悔やまれる。(スペイン)

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About 石倉一雄 129 Articles
Absinthe 研究/洋酒ライター いしくら・かずお 1961年北海道生まれ。周囲の誰も興味を持たないものを丹念に調べる楽しさに魅入られ、学生時代はロシアの文物にのめり込む。その後、幻に包まれた戦前の洋酒文化の調査に没頭し、大正、明治、さらに江戸時代と史料をあたり、行動は図書館にバーにと神出鬼没。これまでにダイナースクラブ会員誌「Signature」、「男の隠れ家」(朝日新聞出版)に誰も知らない洋酒の話を連載。研究は幻の酒アブサン(Absinthe)にも及び、「日経MJ」に寄稿したほか、J-WAVE、FM静岡にも出演。こよなく愛する酒は「Moskovskaya」。