ごはん映画
ヒッチコック映画の食べ物
アルフレッド・ヒッチコック監督の伝記映画「ヒッチコック」(2012)が本日公開された。今回はそれにちなみ、彼の映画の重要なシーンに登場する食べ物を取り上げる。 サスペンス映画の神様 アルフレッド・ヒッチコック(1899~1980)はイギリス・ロンドンに生まれ、1925年に「快楽の園」で監督デビュー。「暗殺者の家」(1934)、「三十九夜」(1935)、「バルカン超特急」(1937)などで名声を得 […]
「ハニーデュークス」の歓び
前回に続いて、ファンタジー映画のシリーズに登場するちょっと変わったお菓子たちを紹介する。今回は「ハリー・ポッター」シリーズである。 「ハリー・ポッターと賢者の石」の蛙チョコレート 「ハリー・ポッター」シリーズ(J・K・ローリング著、松岡佑子訳、静山社)は、イギリスの作家J・K・ローリングが1997~2007年にかけて著した全7巻からなる長編ファンタジー小説である。魔法使いの少年ハリー・ポッターのホ […]
友のレンバスとロクムの誘惑
3月14日のホワイトデーを前に、店頭にはさまざまなお菓子が並んでいる。今回と次回の2回に分け、ファンタジー映画のシリーズに登場するちょっと変わったお菓子たちを紹介していこうと思う。 「ロード・オブ・ザ・リング」の「レンバス」 「ロード・オブ・ザ・リング」3部作(2001~2003年)はイギリスの作家J・R・R・トールキンが1937年から1949年にかけて著したファンタジー小説「指輪物語」(評論社、 […]
「エル・ブリ」「すきやばし次郎」三つ星名店のメニュー
レストランのガイドブックとして世界的に名高いフランスの「ミシュランガイド」では、「それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理」に三つ星の評価を与えている。“三つ星店”には、評価に値するだけの条件が備わっているはずである。今回はミシュランで三つ星を獲得した店にまつわる2本の記録映画を通じてそのことを考えてみたい。 「エル・ブリ」の“消えるラビオリ” 「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレス […]
川島雄三監督作品のとんかつ
受験シーズンたけなわ。今回はゲン担ぎの食べ物といわれる「とんかつ」を題材にした川島雄三監督の2作品を紹介する。 とんかつのルーツは銀座と上野 とんかつは、明治28(1895)年創業の銀座の老舗洋食店「煉瓦亭」が、仔牛の骨つき背肉(côtelette=カットレット。カツレツの語源)を少量の油で炒めた西洋料理を基に考案、明治32(1899)年に発売した「ポークカツレツ」が発祥と言われる、日本生まれの […]
追悼・大島渚監督作品の食べ物
大島渚監督が亡くなった。享年80歳。1996年に脳出血で倒れて以来長い闘病生活を経てのことであった。謹んでご冥福をお祈りする。今回は監督の初期の2作品を、劇中に登場する食べ物と共に紹介する。 松竹ヌーヴェルヴァーグ 大島監督は1954年に松竹に入社。彼や同時期に入社した篠田正浩、吉田喜重らは助監督修業の中で、当時の松竹映画の主流であった“大船調”と呼ばれる保守的なホームドラマに対する批判を強めて […]
「南極料理人」の食べ物
日ごと寒さのつのる時期に恐縮ですが、今回は南極を舞台にした作品に登場する食べ物についてのお話です。 氷点下57度の食卓 「南極料理人」(2009)は、南極観測隊の調理担当として働いた体験を元にした西村淳のエッセー「面白南極料理人」を新鋭、沖田修一の脚本・監督で映画化した作品である。ロケは実際の南極ではなく、西村の出身地でもある冬の北海道網走市で撮影された。 海上保安庁の巡視船で厨房担当として勤務 […]
「石松三十石船」のすしは何ずしだったのか?
ずっと気になっていることがある。森の石松が三十石船で江戸っ子に勧めたすしとはどんなものだったのか? 食いねぇ食いねぇすし食いねぇ 幕末から明治にかけて活躍した実在の侠客の親分、清水次郎長(本名・山本長五郎、1820~1893)とその子分たちの物語は、講談や浪花節の題材として明治から昭和にかけて大衆に親しまれ、とくに二代目広沢虎造の謡う浪曲は彼独特のダミ声の節回しが人気を博した。彼の数多い演目の中 […]
「時計じかけのオレンジ」の中の食べ物と飲み物
今年もあと一カ月と少し。今回は師走の風物詩であるベートーヴェンの交響曲第九番が劇中で使用された作品の中に登場する食べ物と飲み物を取り上げる。
「夫婦善哉」の中の昭和大阪グルメ
織田作之助の原作を豊田四郎監督、森繁久彌・淡島千景主演で映画化した「夫婦善哉」(1955)を紹介する。「くいだおれの街」大阪をこよなく愛した原作者の食べ歩きの経験を反映していると思われる描写が随所に見られる。
張芸謀作品の中の酒と餃子
今年度のノーベル文学賞は、村上春樹氏優位の下馬評を覆し中国の莫言(モー・イエン)氏が受賞した。私は莫言の小説を読んだことはないが、彼の原作を映画化した「紅いコーリャン」(1987)を観てその作品世界の一端を知った。今回はこの映画の監督で2008年の北京オリンピックで開会式と閉会式の演出を務めた張芸謀(チャン・イーモウ)の作品に登場する酒と料理を紹介する。
ビクトル・エリセ作品の中の果物
収穫の秋、色とりどりの果物が店頭に並ぶ季節である。今回はスペインのビクトル・エリセ監督の作品に登場する果物を見てゆく。
アニメーション映画の中の食べ物
セルアニメからCG、切り絵、人形を使った作品まで、アニメーション映画の中でも食べ物が印象的に使われている作品は数多い。今回はその中から3本の作品を選んで紹介する。