シルク立国からバイオ立国へ

「富岡製糸場と絹産業遺産群」(群馬県)が世界文化遺産に登録されることが決まりました。うれしいニュースです。

 日本の養蚕の歴史は古く、しかも昭和初期までは外貨獲得のための最重要産業の一つでした。その後、戦争、化学繊維の登場、安価な海外産の台頭などにより、日本の養蚕業は衰退しました。

 しかしカイコとヒトとの付き合いは紀元前15世紀頃からと言われ、カイコは長い歴史を持つ家畜の一つです。とくに養蚕で国を発展させてきた日本は、カイコに関する豊富な知見を蓄積しており、その研究は続いています。近年では、絹糸のタンパク質のセリシンやフィブロインが食品や化粧品の有用な素材として注目されています。

 そしてカイコは体が大きな昆虫で、しかも飼いやすく、数をそろえられます。そのため、古くからショウジョウバエと並んで遺伝学、生物学の実験に貢献してくれています。シルク立国からバイオ立国へ、カイコと日本人の新しい付き合いはすでに始まっています。

カイコってすごい虫!

http://www.nias.affrc.go.jp/gmo/kaiko/kaikobio.pdf

※このコラムはメールマガジンで公開したものです。

齋藤訓之
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Food Watch Japan編集長 さいとう・さとし 1988年中央大学卒業。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、農業技術通信社取締役「農業経営者」副編集長兼出版部長等を経て独立。2010年10月株式会社香雪社を設立。公益財団法人流通経済研究所客員研究員。昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員。日本フードサービス学会会員。戸板女子短期大学食物栄養科非常勤講師。東京栄養食糧専門学校非常勤講師。亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科非常勤講師。著書に「有機野菜はウソをつく」(SBクリエイティブ)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、共著・監修に「創発する営業」(上原征彦編著ほか、丸善出版)、「創発するマーケティング」(井関利明・上原征彦著ほか、日経BPコンサルティング)、「農業をはじめたい人の本―作物別にわかる就農完全ガイド」(監修、成美堂出版)など。※amazon著者ページ →