みそソムリエという資格

みそソムリエ認定協会から届いた、手作りみそ製造キット
みそソムリエ認定協会から届いた、手作りみそ製造キット
みそソムリエ認定協会から届いた、手作りみそ製造キット
みそソムリエ認定協会から届いた、手作りみそ製造キット

「みそソムリエ」という新しい民間資格がある。みその伝道者であり・理解者であり・伝承者でもあるとサイトでは説明している。毎年、資格保持者が着実に増加している。

みそソムリエ認定講座

 3年前に「みそソムリエ」という民間資格が作られた。みそソムリエ認定協会(http://www.tokyomiso.or.jp/sommelier/)の講座を受けて修了試験に合格すると、授与される。みその生産量は減少が続いている。「少しでも歯止めをかけたい」という関係者の思いがあったと推察する。

 講座と試験の会場は東京農業大学「食と農」の博物館(東京都世田谷区/http://www.nodai.ac.jp/syokutonou/index.php)。1回の定員は45名だが、受講希望者が増えてきたため2011年は2回開催された。昨年11月に行われた講座に、筆者も参加した。参加者はみそ業界関係者が多いようだが、食に関心のある一般市民の割合が増加していると言う。

 講座は朝から夕方まで、みっちりとプログラムが組まれている。午前中はみそに関する知識(歴史、種類、効用、原料、表示等)に関する講義がある。昼食後、仕込み作業の実演を観て、留意点を聴く。みそとみそ汁を味わった後で種類を答える「きき味試験」に続いて筆記試験がある。ほとんどの受講者が合格する様子だ。

 本講座の内容は的確で、教え方も丁寧と感じた。貴重な経験ができ、昼食および手造りみそキットがついている。休憩時間には同館の充実した展示も観ることができる。2万5000円という費用は、決して高くはないだろう。

手前みその手造り

 受講してしばらく経つと、自宅に「手造りみそ製造キット」が届く。講座で学んだ手順で、実際にみそ造りを体験できる。キットの内容は、前処理をした大豆、米麹、食塩、種みそである(写真)。これで4.5kg程度のみそを造ることができる。

 手順は、以下の通り。

(1)米麹と食塩を混合する。
(2)大豆を湯煎した後、マッシャーやフードプロセッサ等でつぶす。
(3)種みそをダイズの煮汁で溶いて、つぶした大豆に混ぜ込む。
(4)(1)と(3)をよく混合し、空気を抜きながら樽に詰める。
(5)みそ上面をビニールで覆い、中蓋と重しを載せて完了。

 講座で講師の作業を観ているので、その通りに作業を進めればよい。とは言うものの、実際の作業はけっこう骨が折れる。筆者はダイズをつぶすのに、マッシャーを使ったが、作業を終える頃には腕が痛くなっていた。空気を入れないように樽に詰めるのにもコツが必要だ。

 仕込み後は室温で管理する。2カ月経った時点で天地返し(上下の反転)を行った。12月に仕込み、4月にはみその芳香が漂うようになった。時間が経つと風味が異なってくるが、その時期の持ち味と言える。

 塩麹が流行して、自作している人も多い。塩麹の次はみそ造りにチャレンジしてはいかがだろうか。塩麹ほど簡単ではないが、手間がかかる分、よりおいしく感じるものである。ネットで検索すると、手造りキットを扱っているサイトをたくさん見つけることができる。

「醗酵食品検定」を造りたい

 みそソムリエ事業は、みその理解者を増やすことに貢献しているのは間違いない。ユニークで評価できる。本事業の講習会形式は、実際の作業を観たり、各種のみそを味わうという体験ができる長所かある。その反面、人数を増やすことには限界がある。一方、知識の有無を判断する検定試験であれば、参加者を大幅に増やすことができる。

 醗酵食品で生産量の減少に悩んでいるのは、みそ業界だけではない。しょうゆや日本酒業界も同様である。そうであれば、範囲を広げて、醗酵食品に関する検定を立ち上げられないだろうか。生産減に関係ない業界であっても、理解者を増やす活動には賛同いただけるだろう。

 微生物の作用により造られる醗酵食品は、プロバイオティクス(経口摂取され、人体に有益な作用をもたらす微生物)食品である等の共通する特徴がある。日常の食卓を豊かにしながら、健康面での好ましい効果も期待できる。各業界にとって、理解者を増やす試みは売上げ増を期待できる。それだけでなく、社会的にも意義のある活動と考える。

 協力者を募った後、専用サイトやテキストの準備が必要になるだろう。ここで、さらなる援軍を要請したい。かわいらしい微生物のキャラクターが登場する「もやしもん」という人気マンガがある。作者の石川雅之氏と版元である講談社にお願いして、キャラクターを使わせていただくのはどうか。

 一言に醗酵食品と言っても多様である。上記以外に、納豆・漬物・酢・味醂・鰹節・キムチ・ヨーグルト・チーズ等々が挙げられる。これらが手を取り合って理解者増に努力する様を想像いただきたい。なんだか、楽しくなってくるではないか。

横山勉
About 横山勉 57 Articles
横山技術士事務所 所長 よこやま・つとむ 休刊中の日経BP社「FoodScience」に食品技術士Yとして執筆。元ヒゲタ醤油品質保証室長、2010年独立。食品技術士センター副会長(http://fpcc.jimdo.com/)。ブログ「食品技術士Yちょいワク『食ノート』」を執筆中(http://blogs.yahoo.co.jp/teckno555)。