米国でO157:H7感染併発

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.25(2020.12.09)を発表した。

注目記事

【米国】感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク2

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、複数州にわたり発生している感染源不明の3件の大腸菌O157:H7感染アウトブレイクを調査している。本件は、その他2件(以下の各Webページ参照)とは別のアウトブレイクである。

https://www.cdc.gov/ecoli/2020/o157h7-10-20a/index.html(感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク1、食品安全情報(微生物)No.23/2020(2020.11.11)US CDC記事参照)

https://www.cdc.gov/ecoli/2020/o157h7-11-20/index.html(感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク3、食品安全情報(微生物)No.24/2020(2020.11.25)US CDC記事参照)

 2020年11月19日時点で、大腸菌O157:H7アウトブレイク株感染患者が18州から計39人報告されている。

 各州・地域の公衆衛生当局は、患者に対し、発症前1週間の喫食歴およびその他の曝露歴について聞き取り調査を行っている。すでに聞き取りが行われた患者22人全員が、ホウレンソウ(16人)、ロメインレタス(15)、アイスバーグレタス(12)、袋入りレタスミックス(8)など、さまざまな種類の葉物野菜の喫食を報告した。本アウトブレイクの感染源として、単一の種類またはブランドの葉物野菜やその他の食品はまだ特定されていない。CDCは、現時点では特定の食品の喫食を避けるよう促す助言は行っていない。

 本アウトブレイク調査は継続中である。

【米国】デリミート関連のリステリア

 米国疾病予防管理センター(US CDC)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、デリミート(調理済み食肉)に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクを調査している。2020年11月30日時点で、リステリア(L. monocytogenes)アウトブレイク株感染患者が3州から計11人報告されている。

 聞き取りが行われた患者10人全員が、サラミ、モルタデッラ、プロシュートなどのイタリアンスタイルのデリミートの喫食を報告した。これらの患者は、さまざまな店舗のデリカウンターで包装済みデリミートやその場で薄切りした食肉を購入したと報告した。デリミートの具体的な種類および患者に関連した共通の供給元を特定するため調査が進められている。

 デリミートはリステリアに汚染されている可能性がある。リステリア症アウトブレイクが発生していなくても、リステリア症の罹患リスクが高い人は、内部温度が165°F(74℃)になるまでの加熱、または蒸気が出るまでの加熱が提供直前に施されていない場合は、デリミートを喫食すべきでない。

【米国】エノキダケ関連のリステリア感染アウトブレイク(最終更新)

 米国疾病予防管理センター(US CDC)、複数州の公衆衛生・食品規制当局および米国食品医薬品局(US FDA)は、エノキダケに関連して複数州にわたり発生したリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイクを調査した。2020年6月9日までに、リステリア(L. monocytogenes)アウトブレイク株感染患者が17州から計36人報告された。

 患者に対し、発症前1カ月間の食品喫食歴およびその他の曝露歴に関する聞き取り調査を行った結果、22人中12人(55%)が、エノキダケ、ポルトベロマッシュルーム、ホワイトマッシュルーム、ボタンマッシュルーム、クレミニマッシュルーム、キクラゲ、マイタケ、ヒラタケなどのキノコの喫食を報告した。

 FDAおよび複数州の当局は、エノキダケの検体を採取して検査を行った。ミシガン州農業・農村開発局(MDARD)は、患者1人が買い物をした食料品店1店舗でエノキダケ検体を採取し、2検体からL. monocytogenesアウトブレイク株を検出した。これらのエノキダケは「Product of Korea(韓国産)」の表示があり、Sun Hong Foods社により供給されたものであった。2020年3月9日、同社はエノキダケの回収を開始した。

 3月18日、韓国食品医薬品安全処(MFDS)は、本件に関する調査結果および新たな患者発生を防ぐための対策を発表した。MFDSは、韓国内の業者2社が生産したエノキダケからL. monocytogenesを検出した。

 2020年6月9日時点で本アウトブレイクは終息したと考えられる。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.25(2020.12.09)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2020/foodinfo202025m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)第二四半期報告(2020年4〜6月)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. デリミート(調理済み食肉)に関連して複数州にわたり発生しているリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(2020年12月4日付更新情報)
2. 米国の複数州にわたり発生している感染源不明の大腸菌O157:H7感染アウトブレイク2(2020年11月23日付更新情報)
3. エノキダケに関連して複数州にわたり発生したリステリア(Listeria monocytogenes)感染アウトブレイク(最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】
1. 公衆衛生通知:ペットのハリネズミに関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Typhimurium)感染アウトブレイク(2020年12月1日付更新情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【アイルランド食品安全局(FSAI)】
1. 食品安全文化

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. リステリアの汚染源を追跡する

【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. デンマークで発生した赤痢アウトブレイク(2020年8〜9月)

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報2020(08)