冷蔵庫でもリステリアは増殖

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.21(2019.10.16)を発表した。

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【フィンランド】リステリアのリスク評価

 フィンランド食品局(FFA: Finnish Food Authority)発。フィンランドは、リステリア(Listeria monocytogenes)を病因物質とするリステリア症の罹患率が他国に比べ高い。同国のリステリア症の罹患率は上昇傾向にあり、人口の高齢化とそれによる抵抗力の低下が主な原因と考えられる。食習慣の変化も、リステリア症などのさまざまな疾患の罹患率に影響を及ぼす可能性がある。

 リスク評価では、数理モデルを用いてさまざまな冷蔵庫内温度でのリステリアの増殖が予測された。本研究に用いた数理モデルでは、菌濃度データ、食品摂取量データ、増殖パターンおよび患者数を考慮した総合的リスク評価が行われた。これらのデータを使用することにより、消費者の行動(ここでは冷蔵庫での食品の保存方法)の違いがリステリア症罹患リスクにどのような影響を及ぼすかの予測が行われた。

 10℃で保存した場合、推奨される最高保存温度である3℃での保存に比べ、高齢者でのリステリア症の罹患率が約20倍上昇すると予測された。モデルによると、健康な成人においてもリステリア症患者数は3倍に増加することが予測された。

 食品を冷蔵庫で保存しても、リステリアの増殖を完全に阻止することはできない。他の多くの細菌と異なり、リステリアは冷蔵庫の温度でも増殖できる。冷燻・塩漬け水産食品に関するフィンランド食品局(Finnish Food Authority)の推奨保存温度は0〜3℃であり、これはこのリスク評価で裏付けられた。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.21(2019.10.16)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2019/foodinfo201921m.pdf

今号の目次

【カナダ公衆衛生局(PHAC: Public Health Agency of Canada)】
1. 公衆衛生通知:七面鳥生肉および鶏生肉に関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Reading)感染アウトブレイク(2019年10月1日、7月30日付更新情報)
2. 公衆衛生通知:Rosemountブランドの加熱済み角切り鶏肉に関連して発生しているリステリア感染アウトブレイク(2019年10月2日付更新情報)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 英国食品基準庁(UK FSA)が2018/19年次報告書および決算報告書を発表

【フィンランド食品局(FFA)】
1. リステリアは冷蔵庫内で増殖できる