豚レバーの肝炎ウイルス汚染

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(微生物)No.26(2014.12.24)を発表した。

注目記事

【US CDC】フランスの豚生レバー使用食品のE型肝炎ウイルス汚染状況

 生の豚レバーを使用した食品はE型肝炎ウイルス(HEV)感染の原因食品になると考えられる。4つのカテゴリーの食品から採取した計394検体についてHEV汚染率を調べたところ、カテゴリーごとに3~30%の検体からHEVが検出された。系統発生学的解析により、ヒトとブタに由来するHEVの塩基配列と高い相同性が認められた。

【UK FSA】食品に関する消費者調査「Food and You」

 英国食品基準庁(UK FSA: Food Standards Agency, UK)は、食品の問題に関連した行動、意識および知識に関する消費者調査を2年に1回実施しており、2014年に実施した第3回調査の英国全体についての結果報告書を10月に発行した。今回、イングランド、ウェールズ、スコットランドおよび北アイルランドの各地域別の結果報告書を発行した。

このうち、イングランドについての主な結果は以下の通りであった。

  • 全体で回答者の53%が、買物または食事の内容について財政的理由により直近の6カ月以内に少なくとも1つの変更を行ったと回答した(第2回調査では62%)。
  • 冷蔵庫を所有している回答者のほぼ半数(47%)が、庫内の温度を確認したことがないと報告した。
  • 冷蔵庫に生の食肉および鶏肉を保存していると回答した人の半数(50%)が、交差汚染を避けるための推奨事項に従っていると報告した。
  • 回答者の65%が食品衛生ランク付け方式「Food Hygiene Rating Scheme」を認識しており、20%が外食施設を選ぶ前にこの方式を利用して店の衛生ランクを確認すると回答した。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(微生物)No.26(2014.12.24)
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201426m.pdf

今号の目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 市販用に製造・包装されたキャラメルリンゴ(Caramel apple)に関連して複数州にわたり発生しているリステリア症アウトブレイク(初発情報、12月22日付更新情報)
2. 豆モヤシに関連して複数州にわたり発生しているサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染アウトブレイク(2014年12月16日付更新情報)
3. 生の豚レバーを使用した食品における高頻度のE型肝炎ウイルス汚染(フランス)

【米国ミネソタ大学感染症研究センター(CIDRAP)】
1. クロムニバス(Cromnibus)法案により米国の食品安全関連の資金配分額が増加

【欧州委員会健康・消費者保護総局(EC DG-SANCO)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【英国食品基準庁(UK FSA)】
1. 食品に関する消費者調査「Food and You」の英国4地域別の結果を発表

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】
1. 人獣共通感染症報告書(2013年)

【デンマーク国立血清学研究所(SSI)】
1. デンマークにおける2013年のA型肝炎発生状況

【ProMed mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報

【論文】
1. 腸内細菌はヒトおよびマウスノロウイルスのB細胞への感染を促進する