オランダがアクリルアミドに有害影響の可能性ありと指摘

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.21(2014.10.15)を発表した。

注目記事

【WHO】ハザードキャラクタリゼーションにおける不確実性の評価と表現のためのガイダンス文書

 IPCS(国際化学物質安全性計画)の統一化計画の一環としてガイダンス文書(No.11)を公表した。ハザードキャラクタリゼーションの最終結果の不確実性について、共通のアプローチをとることを目的にしている。ガイダンスは、化学物質リスク評価を行う際に各国や国際的組織が採用および利用することを意図したものである。

※ポイント:これは、IPCSが各国や国際的組織で行われる化学物質のリスク評価の考え方を一致させることを目指して作成しているガイダンス文書の一つで、ハザードキャラクタリゼーションにおいて、不確実性を考慮する際にどこに着目して、どのように考慮しなければいけないのかをまとめたガイダンス文書です。この中で、エクセルを用いて不確実性を分析するためのAPROBAスプレッドシートを開発したのが特徴的です。

【RIVM】オランダ在住の7~69歳のアクリルアミド、硝酸塩、オクラトキシンA摂取量

 オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)が、オランダの子どもおよび成人におけるアクリルアミド、硝酸塩およびオクラトキシンA(OTA)の食事由来摂取量について、オランダ国民栄養調査と食品中濃度のデータをもとに検討した。その結果、硝酸塩の摂取については安全である、アクリルアミドは健康への有害影響の可能性がある、OTAは安全であると決定するのは適しておらず摂取量計算を改善するためにさらなる研究が必要であると結論した。

※ポイント:アクリルアミドについては、食品安全委員会の化学物質・汚染物質専門調査会で継続審議となり、一部のメディアでもニュースになったことで最近話題になっています。海外では、オランダと同様にフレンチフライやポテトチップ、ビスケットからの暴露が問題になっていて、成人ではコーヒーも寄与率で1、2位となる暴露源です。従って海外ではこれらの食品への対策が重視されていますが、それは、これら食品中のアクリルアミド濃度が高いだけでなく、摂取量も多いからです。

 RIVMはアクリルアミドのリスクについて、発がんを指標とした場合の暴露マージン(MOE)を子どもでは143~500、成人では214~1000と結論しました。欧州食品安全機関(EFSA)はMOEが10000以下の場合に健康リスクへの懸念があると判断していますので、RIVMの結論でも今回の調査結果は有害影響の可能性があると述べています。ただし、MOEの算出にも食品の摂取量が考慮されていることに注意が必要です。

 海外と日本では食べる食品の種類も量も異なります。ですから、主な暴露源もMOEの数値も海外と日本では当然のことながら異なります。日本でのアクリルアミド対策は、まずは、どの食品からどの程度の量のアクリルアミドを摂取しているのかを調査した上でリスクの大きさを検討し、他の汚染物質や因子によるリスクと比較するという定量的な判断を行うことが重要でしょう。

 また、加熱加工中に生成することは明確なので、アクリルアミドがどのような条件で生成しやすいのかを知った上で、事業者による製造工程での低減化対策や、家庭調理において高温で長時間加熱しすぎないなど注意することも対策の鍵となるでしょう。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html

食品安全情報(化学物質)No.21(2014.10.15)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2014/foodinfo201421c.pdf

今号の目次

【WHO】
1. ハザードキャラクタリゼーションにおける不確実性の評価と表現のためのガイダンス文書

【EC】
1. 食品獣医局(FVO)査察報告書:エストニア、インド、中国、グリーンランド、フィンランド
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. 内分泌活性物質―EUはパブリックコメントを募集
2. ソフトウエアツールが一回のクリックでGMデータを解析する
3. EFSAは90日間混餌投与試験を行う際のさらなる助言を提供
4. 亜鉛・セレン・クロムの食事摂取基準(DRVs)に関する助言
5. 新規食品成分としての微少藻類シゾキトリウム属由来のDHA と EPAを豊富に含む藻類の油の使用拡張に関する科学的意見
6. 健康強調表示関連
7. 飼料添加物関連

【FSA】
1. FSAは小麦粉に大豆が入っていないかをチェックする
2. 新規食品成分申請関連

【PHE】
1. キノコを採るときには注意、中毒専門家が警告

【BfR】
1. 2013年年次報告書

【RIVM】
1. オランダ在住の7~69才のアクリルアミド、硝酸塩、オクラトキシンA摂取量

【ANSES】
1. レユニオン島の2種類のサメを食べることによる、特にシガトキシンの、健康リスクについてのANSESの意見
2. 農薬処理地域の近傍にいるヒトや住人を守るための規制の再評価のための科学的支援要請についてのANSESの意見

【FSAI】
1. FSAIは野生キノコを食べることに警告-子どもを中毒リスクから守るために保護措置が必要

【FDA】
1. FDAの前進のための新しいロードマップ:戦略的優先課題2014-2018
2. FDAの査察、コンプライアンス、リコールデータを共有する新しいデータダッシュボードツール
3. FDAは消費者に対してEu Yan Sang(香港)社の“Bo Ying compound(保嬰丹)”を使用しないよう警告
4. 警告文書
5. 公示

【NTP】
1. 発がん物質報告書第13版

【EPA】
1. EPAは化学物質情報へのアクセスをしやすくする / EPAは改良のための意見を求める

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【TGA】
1. 安全性助言

【香港政府ニュース】
1. 30食品が安全性検査に不合格
2. カニは安全性検査に合格
3. 地溝油関連記事

【MFDS】
1. 日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. 説明資料(連合ニュースなど「まったく同じ水なのに…混合飲料水の水質管理ずさん」記事に関連する)
3. 説明資料(連合ニュースなど「健康飲食店1/3がナトリウムを減らす約束を守らず増やしている」記事に関連する)

【PFDA】
1. FDA助言:Philippine StarとBulgarに虚偽・詐欺的・誤解を招く主張が宣伝されたTurcuminハーブ食品サプリメントを使用しないよう一般へ警告

【その他】
・(ProMED-mail)薬物濫用、合成薬物
・(ProMED-mail)麻痺性貝毒中毒 中国:(HK)