2019年食の10大ニュース[4]

2019年、気になった出来事を振り返ってみました。

  • ゲノム編集技術応用食品、実物はまだこれから
  • CSF(豚コレラ)でワクチン使用へ
  • 台風での農業被害
  • プラごみ削減へ、環境対策
  • アレルギー表示にアーモンド
  • 福島産食品、EUなどで輸入規制緩和へ
  • 食品添加物表示の検討、進む
  • グリホサートの論争、続く
  • 食事摂取基準、高齢者のフレイル予防と食塩目標量引き下げ
  • 自然毒による食中毒で死者

(順不同)

ゲノム編集技術応用食品、実物はまだこれから

 ゲノム編集技術応用食品の食品衛生上の取り扱いが定まり、任意の届出制度がスタートした。当初、夏ごろには高GABAトマトが届出されるのでは、とよく言われたが、結局、第1号の登場は来年以降に。特許料がからんで遅くなっているとも聞く。国産品が足踏み状態なので、第1号は輸入品になるのでは。では、輸入品が任意の届出をきちんとやってくれるのか。やはりゲノム編集技術応用食品は、今後も注目の的となりそう。

CSF(豚コレラ)でワクチン使用へ

 豚コレラがCSF、アフリカ豚コレラがASFと、なんとわかりにくい名前になったことか。これで不安がる消費者をけむにまくのだろうか、と思ったが、結局「豚熱」「アフリカ豚熱」という名称になるらしい。

 豚熱には、ようやくワクチンが使えるようになった。アフリカ豚熱には、ワクチンがない。防疫体制の強化が求められる。

台風での農業被害

 台風が大型化し、日本の各地にいたましい傷跡を残した。農水省によれば、台風15号、19号など一連の豪雨災害で、農業被害の総額は4,342億円にも達した。

 気候変動で、かび毒、毒魚、病害虫の発生などにも変化を生じるおそれがあり、食品の安全性にも影響を与えている。

プラごみ削減へ、環境対策

 レジ袋は有料化、食品容器も脱プラ化が進められている。プラスチックだけでなく、CO2排出量の削減とか、環境負荷全体の低減対策が必要。

 海洋マイクロプラスチックについても、これから社会的関心がもっと高まるのでは。

アレルギー表示にアーモンド

 数年ごとに見直されるアレルギー表示項目で、推奨表示の対象品目に、アーモンドが追加された。アーモンドは菓子、飲料ばかりでなく、調味料など幅広い食品に使われており、注意が必要。

福島産食品、EUなどで輸入規制緩和へ

 原発事故後の諸外国での食品の輸入規制が、徐々に撤廃、緩和されている。最近ではEUが福島県産の大豆等を検査証明の対象外にするなど、規制措置が緩和された。

 事故後、輸入規制を行った54カ国・地域のうち、規制措置を完全撤廃したのは、いまのところカナダなど33カ国。

食品添加物表示の検討、進む

 消費者庁の食品添加物表示制度に関する検討会で、「無添加」「不使用」など、消費者の誤解を招きかねない表示については、ガイドラインを策定する方向性が示された。検討会はまだ続いており、今後、消費者への啓発についても議論する予定。

グリホサートの論争、続く

 海外で訴訟沙汰となり、話題の除草剤グリホサート。EUでは期限を決めて削減に向かっているが、EFSA(欧州食品安全機関)では安全と言っている。日本の食品安全委員会でも評価済みで、安全性に関しては問題視されていない。安全で有用な農薬を農家が使えないとしたら、消費者にとっても不利益では。

食事摂取基準、高齢者のフレイル予防と食塩目標量引き下げ

 日本人の食事摂取基準(2020年版)が発表された。高齢者のフレイル予防で、たんぱく質の目標量の下限が、65歳以上では、エネルギー比13%から15%へアップ。食塩の目標量は、0.5g引き下げられて、男性7.5g未満、女性6.5g未満へ。

自然毒による食中毒で死者

 イヌサフランなど植物性自然毒の食中毒で、死者が発生。ツキヨタケなどキノコ類の食中毒も多発。小学校でジャガイモを食べた児童が病院に救急搬送されるなど、学校栽培のジャガイモ食中毒も相変わらず発生している。ふぐなど動物性自然毒でも死者が出ている。


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瀬古博子
About 瀬古博子 7 Articles
消費生活アドバイザー せこ・ひろこ 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会会員。2018年3月まで、内閣府食品安全委員会事務局で、リスクコミュニケーション等に従事。