クミアイ化学工業、ピロキサスルホン剤で海外展開強化

クミアイ化学工業は、新規除草剤「ピロキサスルホン」(pyroxasulfone/コード名:KIH-485)原体をオーストラリアと米国で発売する。このほど、オーストラリアに向けて初出荷を行った。

「ピロキサスルホン」は、クミアイ化学工業とイハラケミカル工業が共同で発見、合成した独自骨格のイソキサゾリン系化合物。

 特許等の権利を確保し、クミアイ化学工業が独占的に開発を行っている。トウモロコシ、ダイズ、ムギ類等に適用を持つことから、世界の穀物生産地をターゲットに「新たな基幹剤」として展開していく計画。

 作用様式は土壌処理除草剤で、トウモロコシ、ダイズの場合200g/ha前後、ムギ類には100g/ha前後と、競合剤の約1/10程度の低薬量を特徴とする。

 2009年4月に米国とオーストラリアで農薬登録申請を行い、年内には農薬登録が認可される見込み。米国ではBASF社(単剤)、ベーラント社(フルミオキサジンとの混合剤)、FMC社(フルチアセットメチルとの混合剤)、オーストラリアではバイエル社を販売提携先として、2012年作付けシーズンでの発売を予定。

販売開始3年目には米国とオーストラリア合計で60億円の販売を計画する。

 また、南米、南アフリカ、アジア各国での開発も進めており、将来的には世界市場で300億円以上の販売を目指す。