脱自粛ムードと前年からの反動

2021年12月のフードサービス（株式公開企業）の業績。既存店売上高では、134件のデータのうち121件が前年同月以上だった一方、13件が前年同月割れとなった。全店売上高では、91件のデータのうち79件が前年同月以上だった一方、12件が前年同月割れだった。

自粛ムード収まるなかの年末・前年同月は厳しかった

既存店売上高の伸びが2桁以上となっているデータが80件ある。また、新店を含む全店売上高の伸びが2桁以上となっているデータも56件ある。

一方、売上高が前年同月を2桁以上下回ったデータは、既存店で3件、全店で2件と非常に少ない。

2021年12月は、秋以降に国内の新規陽性者数が低い水準で推移し、オミクロン株に関する情報もとくに上中旬にはまだ“海外の話題”といった状況で、外出自粛ムードが緩むなかで年末商戦を迎えた。

加えて、前年12月は「新型コロナ感染拡大の第三波」とされ、前年11月に好調な数字を出していた企業も暗転する例が目立ち、既存店売上高が前年同月を下回ったデータが145件中133件、全店売上高が前年同月を下回ったデータが103件中93件と厳しい結果となっていた。それとの比較で好転を思わせるデータが多くなっていると言える。

なお、既存店売上高が2020年12月と2021年12月でともに前年同月を上回っているデータは下記6件である。

• ゼンショーHD「すき家」（2020年12月101.3％→2021年12月118.2％）
• フライングガーデン（2020年12月101.1％→2021年12月106.3％）
• 日本KFCHD（2020年12月100.8％→2021年12月104.8％）
• ホットランド「築地銀だこ」（2020年12月101.0％→2021年12月103.5％）
• 日本マクドナルドHD（2020年12月107.2％→2021年12月102.4％）
• アークランドサービスHD「かつや」（2020年12月104.2％→2021年12月100.6％）

主要なフードサービスの2021年12月の業績一覧

各社発表データによる。一部に速報値を含む。売上高、客数、客単価のパーセンテージは前年同月比。

凡例：10％以上のプラス／5％以上のプラス／前年同月未達／5％以上のマイナス／10％以上のマイナス。順不同。