子供の皿で泣いていた野菜コロッケ
食の損得感情

“理想の食”のために闘えるか

世界を変えることは、闘争であると考える人は、今日なお多い。全共闘世代の人々、それに続く、学園が内ゲバに明け暮れていた頃に学生生活を送った人々と話していると、そう感じることが多い。私の高校の恩師は、さらにその前の全学連の頃の人だが、「生きることは闘いだ」と説かれて困った思い出がある。
圃場で指導に当たる稲葉光國氏
食の損得感情

有機農法の普及とGM作物推進に共通する想い

長年農業高校で教鞭をとってきた栃木県の稲葉光國氏は、10年ほど前に約30年間の教諭生活に終止符を打ち、97年に民間稲作研究所(現在はNPO法人)を設立した。化学肥料や農薬を使わない稲作の体系作りと普及に専念するためで、現在は活動を全国規模に広げ、各地の生産者が稲葉氏の方法の実践と結果のフィードバックを行っている。
Polysack Plastic Industries社のChromatiNet
食の損得感情

「あれもこれも」で経営の可能性を広げる

イスラエルのPolysack Plastic Industries社が面白い調光ネットを販売している。施設園芸(ビニールハウスやガラスハウスなどの施設を使って野菜や花きなどを栽培すること)では、保温、遮光、遮熱などのために様々なカーテンスクリーンを使う。一般的なのは、白や黒のネット状のものだが、同社のChromatiNet(彩色ネットの意)はその名の通り、赤、黄、青、グレー、パールなどの色が着いて […]
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有機農家に期待される役割

1月19日、任意の生産者組織JOHF(Japan Organic Heart Farmers-Food-Family)の生産者会議が開催された。同会は、事務局長でワタミファーム社長の武内智が平成フードサービス副社長時代に目標と価値観の会う生産者と設立したもので、年に一度の生産者会議も今回で10回目となった。会場はワタミ本社で、同社の渡邉美樹社長も出席した。
牛だけがスターなのではない(国産の乳牛。本文とは関係ありません)
食の損得感情

隠すのではなく、自慢することを考える

2005年11月、公正取引委員会がフォルクス(大阪府吹田市、山口伸昭社長)に対し、牛の成型肉を「生肉の切り身であるかのように表示していた」として排除命令を下した。このニュースを耳にして、最初から「当然だ」と受け止めた外食関係者は、どれほどいただろうか。「言われてみればその通り」「今後気を付けねば」という感想に至ったのはしばし考えてから、という関係者は一人や二人ではなかったのではないか。
ピクセンの環境改善型香り発生機
食の損得感情

科学的・合理的に作ることを嫌う心理

ピクセン(現バイオミメティクスシンパシーズ/東京・江東、漆畑直樹社長)は、香りに関する技術を核に、新市場開拓に取り組んでいるベンチャー企業だ。香りによる室内環境の改善、医療への応用、防災への活用などに取り組み、香りによる集客、購買促進などでも実績を上げている。
様々な粉末だし
食の損得感情

時代によって方法は変わり、使い手にも変化が求められる

アンゼンフーズ(静岡県沼津市、山形晋一社長)は、冷凍食品業界では名の通った会社だ。とくに中国料理を得意とし、冷凍の点心についてはパイオニア的存在。「およそ中国料理店で提供するものなら、なんでも冷凍食品にしてみせる」ということで、北京ダックの量産化にも成功している。
全国各地で生産されているコシヒカリだが(関東地方の水田で)
食の損得感情

コシヒカリ新潟BLの登場が教えたもの

新潟県は、イモチ病抵抗性のある新品種コシヒカリ新潟BL1~6号(以下コシヒカリ新潟BL)を奨励品種とし、2005年産からは、県下で従来品種のコシヒカリの作付けと集荷を事実上停止し、全面的にコシヒカリ新潟BLに切り替えた。この政策に対して、県内の大半の農家は従順に従ったが、独自の販売力のある自立的な農家やコメ流通関係者から拒否や反対があったり、食味の違いから新潟産コシヒカリの価値下落を危惧する声が上 […]
カタツムリ嫌いに理由はない
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農薬の是非が厄介なのは好き嫌いの問題だから

元・いずみ開発企画室長で、現在は宮城県食産業商業振興課に勤務する三輪宏子氏の呼び掛けで、2年前、食品に関する小さな勉強会が開かれた。食品メーカーの開発担当者と食品や外食の分野で執筆することが多い記者、編集者が自発的に集まり、とかく悪玉とされがちなものについて専門家の説明を聞こうというものだった。
車は「便利だから」だけで選ばれているのではない
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米国産牛肉再開!と小躍りしている場合ではない

米国産およびカナダ産牛肉輸入の年内再開が具体的になりつつある。米国の牛肉生産・流通のやり方には改善すべき点がたくさんあるにせよ、BSE(牛海綿状脳症)対策として、日本政府が全頭検査や禁輸にこだわる必要はない。要は、適正な評価に従って有効な対策が講じられ、ヒトへの感染の確率が低くできればいいのだ。
EurepGAP認証を取得した木内氏の農場。右手の休憩施設も、EurepGAPが農園に設置することを推奨している
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日本版GAP普及の鍵握るは小売業

日本版GAP(Good Agricultural Practice/適正農業規範)の確立・普及について、農水省がここ数年取り組みを強化してきている。2005年度は「食の安全・安心確保交付金」(総額約27億円)の内数という形で予算化している。国家的な事業であるわけだが、ここに至ってもなお、農業界にも、小売業界にも、外食業界などにも、アパレルのブランドではない「GAP」なる単語が十分に浸透しているとは […]
酒類の栓3種。右からコルク栓、スクリューキャップ、ビンディング式圧着栓
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ワインの栓から食品の技術革新戦略を考える

瓶詰めしたワインの熟成には、瓶の外からの空気の(若干の)流入が必要か否か――そんなことの議論がまだ続いている。外気が必要と考える向きは、「従ってワインボトルの栓はコルクでなければならない」と主張し、熟成にはワイン中の溶存酸素で十分で外気は必要ないと考える向きは、「スクリューキャップこそワインの熟成を安定させ長く品質を保つ」と主張する。
EMを使ったモミガラ堆肥の製造を実演する高松求氏
食の損得感情

「オカルト」を乗り越えて見聞せよと叱責されたものの

やや旧聞に属するが、「光合堀菌」なるものが世間を騒がせている。ある食品を摂取すると、体内に存在しなかった菌が合成されるなどという説明で、どうも菌の存在自体が疑わしい。これは際立った例の一つだが、微生物に関する商品はオカルトや新興宗教と結び付きやすく、詐欺や詐欺まがい商法に利用されることも少なくない。