食の損得感情

理論と感覚の両方がそろって見識が育つ

以前「日経レストラン」に、パソコンを販促に生かす話題として、RFM分析を紹介したことがある。コンサルタントに書いてもらった記事だが、R(recency、最後の利用は何日前か)、F(frequency、ある期間内の利用回数は何回か)、M(monetary、ある期間内に利用した金額は合計いくらか)の3つのデータをもとに、お客一人ひとりに点数を付けるという話だ。
収穫したダイコン。これを洗うことが商品作りと考えるか、土を落とさないことを商品作りと考えるか
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「裸の王様」は不幸だったのか?

アンデルセンの「裸の王様」は、王様が「愚か者には見えない布地で服を作る」という2人の男に新しい服を発注する話だ。王様にも家来にもその服は見えなかったが、「愚か者」と思われるのはまずいので、見えることにして出来映えを褒め、高額な報酬も与えた。それが実際には存在しないこと、つまり「王様は裸」であることを声高に指摘したのは子供だった。
「BRUTUS」2/15の特集「みんなで農業」。農水省の「食料自給率戦略広報推進事業委託事業」の随意契約で、契約金額は3045万2940円也
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「食料自給率」は21世紀の新概念

書くことについて、3人の師匠を私は拝している。その一人の農業技術通信社の昆吉則社長が、「自給率問題で農業を考えるな」と、これは十数年前から口を酸っぱくして言い続けている。ところが、“自給率問題”というのは話として単純で分かりやすく、“安全”や“正義”なども味方に付けているため、このストーリーにからめとられる人が多い。
原子力ではなく内燃機関で発電した電気で走り、核装備もない日本の潜水艦。それでやってこれたのには、理由がある
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遺伝子組換え技術と核兵器技術

考えれば考えるほど似ている。遺伝子組換え(GM)技術と核兵器だ。こんなことを言い出すと、「お前さん、いよいよでたらめを言い始めた」と言われてしまいそうだが、まあ待って欲しい。以前、松永和紀さんが、ある研究者が受け取ったとんでもないはがきのことに触れていたけれど、そのひどいはがきの趣旨とは全く次元の異なる話だ。
千切り大根の乾燥。生のダイコンが、自然環境、農家の勘、出荷担当者の舵取りの3つで価値を増す
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農業への参入だけが農業への貢献ではない

日本経済新聞の土曜朝刊に別刷で付く「日経 PLUS1」の1月10日の号、「楽食探訪」という欄に宮崎県の千切り大根(東日本で言う切干大根を、西日本では千切り大根と呼ぶ。以下千切り大根)の記事を書かせていただいた。まだ古紙回収に回っていなかったら、ぜひご覧いただきたい。そのこぼれ話から。
おせち料理。見た目はおいしそうなのだが
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おせち料理の技術革新は進んでいるのか

遅ればせとなるが、正月の話題から。おせち料理のことだ。ひとと話していると、どうもおせち料理のウケが悪い。テレビで、「どうしたらあれをおいしく食べられるか」「余ったおせちをどうするか」という話題を扱っているのも観たことがある。“ごちそう”のはずが、ずいぶんな話だ。
ジャガイモ栽培は簡単だと思われがちだが、ハイレベルな収量を得るには相当な技術を要する
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「国際ポテト年」の2008年が暮れる

メリー・クリスマス。この原稿が、私の今年の分の最後の担当となる。今年は、もう書くのも読むのもこりごりだが、前年からの食品関連の不祥事の話題を引きずったまま中国産ギョーザ事件で幕を開け、穀物価格の高騰に翻弄され、ついにコメの偽装までと、食品に関する嫌な話題が絶えることがなかった。日本で流通する食品は、量の確保も、質の確保も、完全に保証されたものとは言えないのだと思い知らされる1年だったと言える。
ベビーリーフ。生鮮野菜の人気商品の1つだ
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内食が“究極のレストラン”になった今日に対応できているか

私の家では、冷凍食品をよく使う。共働きの上、子供の学校は弁当が必要だ。それで毎朝、私が全員の弁当を作るのだが、自分で作っておいた煮物などに加えて、1品か2品、冷凍食品を入れる。弁当にちょうどよいポーションで、しかも電子レンジで用意できる商品が今は何種類も出ている。とても重宝している。
サンドイッチを店で作って家で食べれば「中食」、家で作って店で食べれば……「持ち込み」
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「中食」が増えているのではなく「外食」が減っているのではないか

新規就農希望者に向けて、「農業成功マニュアル」(翔泳社)という本を書かせていただいた。編集者からのリクエストは「全く予備知識のない人に向けて」というものだったので、農業、農家、農村の基本的な説明に少々多めにスペースを割いている。そのため、農家になろうと考えていない方でも、例えばコメや野菜の仕入れなどのために初めて農村を訪ねる、農家と会って話をするという場合にお役に立てる記述があると思う。12月3日 […]
「fresh」なハンバーガー(「LOG KIT」/長崎県佐世保市)
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「fresh」で成功をつかんだ故ロッキー青木氏

今年7月、米国で鉄板焼きチェーン「Benihana」を成功させたロッキー青木氏が亡くなった。十数年前に一度だけお目にかかって、お話を伺う機会があった。渡米した当時の意気込み、やりたいことをできることと考えること、何事も楽しいことにすること、そんな話を熱心に強い目で語る様子が印象的だった。すべてを楽しいことに転じる氏の考え方は、彼の成功哲学の1つだが、もちろん彼のレストランにもよく表れている。鉄板で […]
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冷凍に対するイメージは経験によって変わる

少し前のことだが、札幌のすし店でのこと。スミイカの握りが出て、「うまいですね」とほめた。肉厚で透明感があってつやつやしている。鮮度が良さそうに見え、歯ごたえもありながら、軟らかく噛み切れる。「不思議ですね」と振ると、職人さん、一瞬黙って「これを言ったら、あなたなんて言います?」という表情でこちらをうかがう。
事が大きくなればなるほど、仕事も生活もいかに彼の国に依存しているかが分かる(記事とは直接関係ありません)
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冷凍インゲンのジクロルボス汚染。何を求め、何をするべきか

東京都八王子市のスーパーで販売された冷凍インゲンが、有機リン系殺虫剤ジクロルボスで汚染されていた。包装に開封した切り口以外に穴はないというから、事実なら開封後に汚染したか、シール前に汚染したかのどちらかだ。一方、開封した途端に石油系の臭いがしたというから、証言が正しければ、シール前の汚染ということになる。また、その臭いから、散布するために有機溶剤に溶かした状態のもの、つまり農薬として流通しているも […]
OK。よく稔った。で、この後どこへ行くんだい?
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プロならば買うコメの正体には敏感であるべき

三笠フーズをはじめとする汚染米流通の問題。自殺者まで出したことは本当に残念でならない。三笠フーズの流通先の会社社長がなぜ自殺したのか、真相は分からない。しかし、この問題に関係してしまった人が感じた“事の重大さ”を、食品に関わる仕事をしている向きは、よくよく噛みしめておくのが供養というものだろう。というのは、この問題は根が深く、氷山の一角かもしれないと考えて当たるのが賢明に思えるからだ。以下、厳しい […]