生乳チーズに関連のO157

No.06(2026.03.18)

チェダーチーズ(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。米国で大腸菌O157:H7感染アウトブレイクが発生しており、生乳チェダーチーズが感染源である可能性が示されている。欧州当局はビブリオのリスクについて注意喚起している。

注目記事

【米国】生乳チェダーチーズに関連の大腸菌O157:H7

 米国疾病予防管理センター(US CDC: Centers for Disease Control and Prevention)、米国食品医薬品局(US FDA)および複数州の公衆衛生・食品規制当局は、複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイクを調査するためさまざまなデータを収集している。

 疫学データは、Raw Farmブランドの生乳チェダーチーズが大腸菌O157:H7に汚染され、本アウトブレイクの感染源となっている可能性があることを示している。

 2026年3月13日時点で、大腸菌O157:H7アウトブレイク株感染患者が7州から計7人報告されている。患者の発症日は2025年9月1日〜2026年2月13日である。情報が得られた7人のうち2人が入院し、死亡者は報告されていない。

 本アウトブレイクの調査が終了するまで、Raw Farm社が製造した当該生乳チェダーチーズの喫食を避けるべきである。

【欧州】夏季に高まるビブリオ感染症リスク

 夏季の到来および海面水温の上昇に伴い、欧州疾病予防管理センター(ECDC)はビブリオ属菌による季節性のリスクについて注意喚起している。

 ビブリオ属菌は、海水と淡水が混在する汽水域に存在し、とくに水温が高く塩濃度の低い環境を好んで生息する。これらの環境条件は、気候変動により欧州の一部地域でますます一般的になってきている。

 ビブリオ属菌は、塩濃度が低く細菌の増殖にとくに適した条件を有する夏季のバルト海で頻繁に検出される。ビブリオ属菌は、北海や囲われた水域または河口域などのさまざまな水浴場でも確認されており、欧州各地の海面水温上昇に伴い、ビブリオ属菌が他の沿岸地域へ拡散することが予測されている。

ビブリオ症は、ビブリオ属菌のうちのいくつかの菌種によって引き起こされ、なかには重篤な感染症を引き起こす可能性があるものが存在する。これらの感染症には、生または加熱不十分な貝類の喫食による食品由来感染症や、皮膚の外傷・切り傷から細菌が体内に入り込むことで生じる重度の血流感染症が含まれる。免疫力が低下している人や慢性肝疾患を有する人はとくにリスクが高い。

 ビブリオ感染のリスクを低減するためには、生または加熱不十分な貝類(とくに牡蠣)の喫食を避けること、および水産食品を十分に調理することなどの予防措置が重要である。開放創、開けたばかりのピアスの穴、または切り傷がある場合は、汽水域や海水での遊泳を避ける、もしくは患部を防水の絆創膏などで覆うことが重要である。体に掻き傷、切り傷、または外傷がある状態で海水に接触した場合は、清潔で新鮮な真水で患部を洗うことが重要である。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

目次

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】

1. 生乳チェダーチーズに関連して複数州にわたり発生している大腸菌O157:H7感染アウトブレイク(2026年3月15日付初発情報)

2. Deepブランドの冷凍食品に関連して複数州にわたり発生したサルモネラ(Salmonella Anatum)感染アウトブレイク(2025年9月25日付最終更新)

【カナダ公衆衛生局(PHAC)】

1. 公衆衛生通知:様々なブランドのピスタチオおよびピスタチオ入り食品に関連して発生しているサルモネラ(Salmonella Agona、S. Anatum、S. Bareilly、S. Branderup、S. Corvallis、S. Havana、S. Kottbus、S. Mbandaka、S. Meleagridis、S. Ohio、S. Reading、S. SenftenbergおよびS. Tennessee)感染アウトブレイク(2026年3月13日付更新情報)

【欧州疾病予防管理センター(ECDC)】

1. 夏季に高まるビブリオ感染症リスク

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】

1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and Feed)

【オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)】

1. オランダで食品由来感染症の患者数が2024年に増加-オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)が養鶏業者に対策を呼びかけ

【ノルウェー公衆衛生研究所(NIPH)】

1. ノルウェー公衆衛生調査(2025年)

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.06(2026.03.18)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2026/foodinfo202606m.pdf