FDAが合成香料7つを削除

国立医薬品食品衛生研究所は、食品安全情報(化学物質)No.22(2018.10.24)を発表した。

注目記事

【FDA】FDAは7種類の合成香料を食品添加物リストから削除

 米国食品医薬品局(FDA)は、2件の食品添加物申請に応じて合計7種の合成香料および風味増強剤の使用認可を取り下げるという食品添加物規制の改正を行う。うち6種は合成由来のベンゾフェノン、エチルアクリレート、オイゲニルメチルエーテル(メチルオイゲノール)、ミルセン、プレゴンおよびピリジンである。

 これらについては、実験条件下において実験動物でがんを引き起こしたという根拠をFDAが認めたため、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)のデラニー条項(section409(c)(3))に基づき食品添加物規制から除外される。ただしFDAは、これら6種は意図された使用条件下での公衆衛生上のリスクはないと判断し、食品添加物リストからは削除するが、それ以外の食品に含まれる場合や抽出物に含まれ「天然香料」とされるものについては法律上の影響はないとしている。

 ベンゾフェノンについては食品と接触して繰り返し使用するゴム製品の可塑剤としての使用も削除の対象となる。残りの1種はスチレンで、業界ではすでに使用が中止されていることを受けて、食品添加物リストから削除し、今後は合成香料や風味増強剤としての使用を認めないこととする。

 先の6種については、企業が適切な代替成分を特定し製品成分を再調整するための時間として、連邦公報への規則の交付から24カ月の猶予を与える予定である。

※ポイント:この記事で注意していただきたいのは、対象は“合成由来”の化合物に限定され、実施内容は食品添加物リストから削除すること、という点です。対象物質は天然の植物にも一般的に含まれており、たとえばオイゲニルメチルエーテルはバジル、ミルセンは柑橘類、プレゴンはペパーミント、ピリジンはコーヒーに存在しています。

 FDAには食品に添加してもよいものとして他に「一般的に安全と認められる(generally recognized as safe:通称GRAS)」物質があり、今回の削除対象物質を天然に含む食品や天然香料、天然抽出物がGRASとして扱われています。つまり、今回の改正はあくまでも合成由来を食品添加物リストから削除して使用を禁止するという措置であり、天然に含まれるGRASのものは対象外となるので誤解のないようにしましょう。

 また、FD&C Actにおける「食品添加物」の定義には、食品に直接添加するものだけでなく食品接触物質も含まれます。これは、食品の包装や製造工程において接触により食品に何らかの物質が移行して含まれることになるためです。そのためにベンゾフェノンの可塑剤としての使用も食品添加物規制の改正の対象となりました。

【FAO】世界食糧デー関連

 国連食糧農業機関(FAO)は、世界食糧週間(10月15~19日)、世界食糧デー(10月16日)の関連イベント等の案内を公表した。2018年世界食糧デーのテーマは「我々の行動が我々の未来となる、2030年までに飢餓ゼロの世界を可能に」。

※ポイント:食品廃棄・ロスを減らすことが国際的な目標になっています。日本では、本来食べられたであろう食品のロスの約半分は家庭からだそうですので、これを機に改めて自分の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.22(2018.10.24)
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/foodinfonews/2018/foodinfo201822c.pdf

今号の目次

【FAO】
1. 世界食糧デー関連
2. 潘 基文氏が世界食品安全デーに向けてコーデックスを支援
3. 原子力緊急事態時の食品安全対策ウェビナー
4. コーデックス
5. 国際化学物質安全性計画(IPCS)
6. 家畜の力を持続可能な開発のために利用する

【IAEA】
1. 干ばつが発生しやすい地域で、新しい突然変異種のササゲがジンバブエの農家を救う
2. IAEAの専門家が福島第一原子力発電所近くの海水、海底堆積物、魚のサンプルを収集

【EC】
1. 査察報告書
2. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EEA】
1. 欧州と世界で水銀汚染は問題であり続ける

【EFSA】
1. 食品添加物としてのモノ-及びジグリセリン脂肪酸エステルと相互作用する酸化大豆油(E 479b)の再評価
2. イベントのお知らせ
3. EFSAのフォーカルポイント:欧州食品の安全性の10年にわたるネットワーク
4. 香料グループ評価
5. EFSAのリスク評価のためのシステマティックレビューあるいはシステマティックレビューの具体的手順の教育課程
6. 意見募集:飼料添加物と環境
7. テフルベンズロンの条項12 MRLレビューに従う確証データの評価

【FSA】
1. ラベル表記ミスのためNational Trustはビスケットを回収措置

【NHS】
1. Behind the Headlines

【RIVM】
1. RIVMのサステナビリティデー:マイクロプラスチック

【FDA】
1. FDAは7種類の合成香料を食品添加物リストから削除
2. 2018年秋の統一課題:健康と安全を促進するためのFDAの新しい規制改革
3. トランプ政権は「食品廃棄を減らすことに勝つ」イニシアチブを開始
4. FDAは農家や生鮮カット農産物の生産加工業者がFSMA要求を満たすのに役立つガイダンス案を発表
5. リコール情報
6. 警告文書

【USDA】
1. USDAは遺伝子組換え低ゴシポール綿の規制解除を発表

【NIH】
1. 医療関係者向けファクトシート更新

【CFIA】
1. 今日に対応し将来のために構築する進行状況報告書2018:振り返り、前を見る

【FSANZ】
1. 食品基準通知

【APVMA】
1. Four Cornersのグリホサート番組への反応

【NSW】
1. リコール:Cucina Classica ペンネアラビアータ

【香港政府ニュース】
1. 食品安全センターはソウギョのサンプルに微量のマラカイトグリーンを検出する
2. CFSは日本からのメロンの輸入違反をフォローアップする
3. 食べられないキノコや毒キノコを含む種類の混合を疑われるキノコ類を食べないよう市民に呼び掛ける
4. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. ニューシス「ソウルで流通するキノコ、ブルーベリー、ナッツ、ワラビで放射能検出」報道関連
3. KBS「紅参製品で環境ホルモンと推定される物質を多量検出」の報道関連
4.「ジュースクレンズ」ダイエット、デトックスなどに効能・効果ない
5. 国民請願安全検査制度、今回は「ダイエット飲料」を検査する

【AVA】
1. 業者は「オーガニック」「ケージフリー」の主張を実証できなければならない
2. レタスの回収措置

【FSSAI】
1. 祝祭中のミルクと乳製品の安全性確保のための特別対策
2. ニュースコーナー:伝統飲料業界は合成シロップとsharbat(甘い飲料)の基準にショック

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から
・(EurekAlert)市販のサプリメントに未承認成分
・(EurekAlert)研究は養殖エビを巡る懸念に挑戦する
・(EurekAlert)「この種のものでは初めての研究で」世界中のヒトの排泄物からマイクロプラスチックが発見された
・(EurekAlert)マイクロプラスチックの環境影響は不明、研究が示唆