鶏肉は洗わない。手指は洗う

No.05(2024.03.06)

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国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。WHOの国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局は、2023年の第3四半期に対応した事例の件数と内訳を発表した。スコットランド食品基準庁(FSS)と英国当局は、ポーランドから輸入された家禽製品に関連してサルモネラ感染食中毒患者が増加していることを受けて消費者に注意喚起を行っている。

注目記事

【WHO】国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)2023年第3四半期報告

 世界保健機関(WHO: World Health Organization)発。2023年の第3四半期に国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局は、世界保健機関(WHO)加盟のすべての地域の国・領土が関連した計46件の食品安全事例に対応した。

 このうち生物的ハザード関連の事例は32件で、その内訳は以下のとおりであった。

  • サルモネラ属菌(12件)
  • リステリア(Listeria monocytogenes)(10件)
  • ボツリヌス菌(3件)
  • セレウス菌(2件)
  • 赤痢属菌(2件)
  • 大腸菌(1件)
  • ノロウイルス(1件)
  • 黄色ブドウ球菌(1件)

 非表示のアレルゲン/成分に関連した事例は8件で、その内訳は以下のとおりであった。

  • グルテン(4件)
  • アーモンド(2件)
  • 卵(1件)
  • ピーナッツ(1件)

 物理的ハザード関連の事例は4件で、その内訳は以下のとおりであった。

  • プラスチック(2件)
  • 金属(1件)
  • 石(1件)

化学的ハザード関連の事例は2件で、その内訳は以下のとおりであった。

  • カプサイシン(1件)
  • クロルピリホス(1件)

 本四半期にINFOSAN事務局が対応した上記46件の事例に関連した食品カテゴリーは以下のとおりであった。

  • 複合食品(9件)
  • 食肉・食肉製品(5件)
  • 野菜・野菜加工品(5件)
  • 魚・水産食品(4件)
  • 果物・果物製品(4件)
  • スナック・デザート・その他の食品(4件)
  • ハーブ・香辛料・調味料(3件)
  • 乳・乳製品(3件)
  • ナッツ・油糧種子(3件)
  • 卵・卵製品(2件)
  • シリアル・シリアルベース製品(1件)
  • ノンアルコール飲料(1件)
  • 砂糖・菓子(1件)

 上記以外の残り1件については関連した食品が不明であった。

 INFOSANのメンバーおよび協力機関の積極的な関与により、これらの食品安全事例の41%がINFOSAN加盟各国の緊急連絡窓口(ECP)および情報連絡窓口(FP)を介して、35%が欧州委員会(EC)の「食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF)」を介して、また24%がWHOのさまざまな経路を介してINFOSAN事務局に報告された。

【英国】家禽のサルモネラ感染増加を受けての助言

 スコットランド食品基準庁(FSS: Food Standards Scotland)は、英国食品基準庁(FSA)および英国保健安全保障局(UK HSA)とともに、家禽製品(冷蔵・冷凍の鶏および七面鳥のドラムスティック肉、むね肉、もも肉、鶏カット肉など)の家庭での取り扱いや調理について、消費者に注意喚起を行っている。最近、ポーランドから輸入された家禽製品に関連してサルモネラ(Salmonella Enteritidis)感染食中毒患者が増加しているためである。

 その助言内容は以下の通りである。

  • 加熱時間や温度など、調理および保存に関してラベルに記載されている指示を守る。これは、食品の安全な喫食に重要なことである。・製品は、消費期限までに使用または冷凍する。
  • 生の家禽製品を取り扱った後は、手指を念入りに洗う。
  • 生の家禽と接触したすべての設備表面や器具を石鹸と温水で洗浄する。
  • 生の家禽製品を決して洗わない。
  • 調理後に保存した家禽肉製品を喫食する際の再加熱は1回までにする。

 ポーランドから英国に輸入された家禽製品に関連する複数のサルモネラ株について、調査が行われている。家禽製品(肉、卵など)に関連し、遺伝学的に近縁な複数のサルモネラ(S. Enteritidis)株の感染患者が、2023年に200人以上報告されている。

 ポーランドから輸入される家禽肉・卵の安全性向上に必要なあらゆる対策が確実に実施されるよう、FSSおよびFSAはポーランド当局および欧州連合(EU)と協議している。EUから英国に輸入される食品・飼料に関して新たな輸入管理制度が導入されることにより、上記のような対策の実施状況の確認、英国の高い食品・飼料基準の維持および公衆衛生の保護が可能となる。

(注目記事のまとめ:FoodWatchJapan編集部)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(微生物)No.05(2024.03.06)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2024/foodinfo202405m.pdf

今号の目次

【世界保健機関(WHO)】
1. 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)2023年第3四半期報告(2023年7〜9月)

【米国疾病予防管理センター(US CDC)】
1. 生乳チェダーチーズに関連して複数州にわたり発生している大腸菌 O157:H7感染アウトブレイク(2024年2月28日付更新情報)
2. 冷凍の有機栽培イチゴに関連して複数州にわたり発生した A型肝炎アウトブレイク
(2023年9月4日付最終更新)

【欧州委員会健康・食品安全総局(EC DG-SANTE)】
1. 食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF:Rapid Alert System for Food and
Feed)

【Eurosurveillance】
1. 欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)における2010〜2019年の A型肝炎患者:欧州サーベイランスシステムに報告された患者に関する所見

【スコットランド食品基準庁(FSS)】
1. ポーランドからの輸入家禽製品に関連しているサルモネラ症患者の増加を受け、スコットランド食品基準庁(FSS)が家禽製品の安全な取り扱いと調理方法について消費者に注意喚起

【ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)】
1. 国際協力:食品安全の向上のために韓国とドイツが連携

【ProMED-mail】
1. コレラ、下痢、赤痢最新情報(09)