FDAが水素添加油の措置完了

No.26(2023.12.20)

ショートニング(イメージ)

国立医薬品食品衛生研究所が集めた食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報から。FDAは部分水素添加油に対する最終行政措置を完了する。米国でシナモンアップルソースパウチに高濃度の鉛が含まれていた問題で、FDAとCDCがそれぞれ調査を進めている。オーストラリア・ニュージーランド食品基準局に、ニホンウズラ由来の培養細胞を新規食品成分として使用することについて認可を求める申請が提出された。

注目記事

【FDA】FDAは食品中の部分水素添加油に対する最終行政措置を完了する

 米国食品医薬品局(FDA)は、食品への部分水素添加油(PHOs)の使用規定を取り消す直接最終規則の発効日を2023年12月22日と発表した。

※ポイント:米国ではメーカーの取組みが進んでいることから、特段の反対意見はなく発効日が決定したようです。PHOsについては、香港でも「食品中の有害物質(改正)規則2021」のもと食品への使用禁止の規定が2023年12月1日に発効しています。

【FDA】高濃度の鉛の調査:シナモンアップルソースパウチ(2023年11月)

 米国FDAは、2023年12月19日の時点でリコール製品に関連する可能性のある有害事象報告を69件受け取っている。現時点でリコール対象製品の拡大はない。さらに、原因調査のため、エクアドルにあるAustrofoods社(リコール対象のWanaBana製品の米国販売代理店)の施設の立入検査を開始するとともに、エクアドル当局がAustrofoods社へシナモンを供給しているNegasmart社の調査を実施している。

【CDC】シナモンアップルソースパウチ製品に関連した鉛中毒の発生

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、WanaBan製品のリコールに関連した鉛暴露の症例について発表した。2023年12月15日時点で、計205例が報告され、うち67例でリコール製品との関連が確定されている。ただしFDAとCDCはデータソースが異なるため、各機関が発表する有害事象/症例の報告数は一致しないことに注意が必要である。

※ポイント:エクアドル当局の報告によると、生鮮品や未加工品ではなく、粉砕または粉末のシナモン加工品が汚染されていたようです。汚染原因は特定されておらず、現在も調査中です。FDAの有害事象は主に医療従事者や消費者の自己申告による報告であり、CDCの症例は州保健局を通じた報告に基づく点が異なります。CDCの症例定義では、医学的な観察を必要とする血中鉛濃度の参考値3.5μg/dLを指標にしています。

【FSANZ】食品基準通知(Notification Circular273-23)

意見募集:新規食品としての培養ウズラの使用を許可することについて

 Vow Group Pty Ltdから、Coturnix japonica(ニホンウズラ)由来の培養細胞を新規食品成分として使用することについて、認可を求める申請が提出された。今回は、細胞ベースの食品製造の最初の3段階(細胞株、製造方法、細胞採取)に焦点を当てたオーストラリア・ニュージーランド食品基準局(FSANZ)のリスク評価に対する意見を求めている。

【ご挨拶】

2023年の最終号となります。今年は、「食品安全情報」の発行開始から20年を迎える記念の年でした。これまでご紹介してきた海外における化学物質関連のトピックスを簡単にまとめましたので、何かのご参考になれば幸いです。来年も引き続き「食品安全情報」をよろしくお願いいたします。皆さま、よいお年をお迎えください。

●2003〜2022年度の20年間に「食品安全情報」で紹介した化学物質のトピックス
国立医薬品食品衛生研究所報告,141,15-32(2023).
https://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2023/015-032.pdf

(安全情報部第三室)

食品安全情報へのリンク

食品安全情報
http://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/index.html
食品安全情報(化学物質)No.26(2023.12.20)
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202326c.pdf
食品安全情報(化学物質)No.26(2023.12.20)別添
https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/foodinfonews/2023/foodinfo202326ca.pdf

今号の目次

【WHO】
1. COP28気候対策と栄養を繋ぐ:持続可能な食料システムからの健康的な食生活への道をひらく
2.人々と地球を育む健康的で持続可能な食事

【FAO】
1.1.5℃ 閾値を破ることなく SDGs を達成する:グローバルロードマップ 第1報告
2. Codex

【EC】
1. 欧州議会での Stella Kyriakides コミッショナーの開会挨拶-植物保護製品の持続可能な使用
2. SCCS(消費者安全に関する科学委員会)
3. SCHEER(環境及び新興リスクに関する科学委員会)
4. 食品及び飼料に関する緊急警告システム(RASFF)

【EFSA】
1. わかりやすい要約:マンガンの耐容上限摂取量に関する科学的意見
2. 欧州のセリアック病患者を守る
3. EU 加盟候補国からの食品安全のさらなる洞察
4. 食品酵素関連
5. 新規食品関連
6. 遺伝子組換え関連
7. 農薬関連
8. 飼料添加物関連

【FSA】
1. FSA は偽装ブランドのチョコレートバーの食品安全リスクについて警告する
2. FSA の調査では、半数以上の人が食料の価格について非常に懸念していることが示されている
3.2023年11月の Consumer Insights Tracker
4.2023年12月の FSA 理事会
5. リコール情報

【COT】
1.2023年12月12日の会合

【FSAI】
1. リコール情報

【BfR】
1. ビーガンやベジタリアンの食事は健康にどのような影響を与えるのか?

【RIVM】
1. 肉と乳製品の代用品データを更新した新しいバージョンの NEVO
2. RIVM による栄養状態研究:長期、広範な計画と優先順位付け
3. オランダ人のヨウ素摂取量はギリギリ十分、塩の摂取量はまだ高すぎる

【ANSES】
1. マルハナバチは農薬使用の影響を受ける
2. 植物保護製品に含まれる SDHI に関する ANSES の新たな専門家評価
3. ゴキブリ、トコジラミなどを根絶させるために禁止製品を使わないこと!

【FDA】
1. 高濃度の鉛の調査:シナモンアップルソースパウチ(2023年11月)
2. FDA、USDA、EPA が米国の食品ロスと廃棄を削減するための国家戦略を提案する3. 食料生産動物用抗菌剤の販売又は流通に関する年次概略報告書2022を発表する
4. FDA は統合したヒト用食品プログラム、現場運営及び更なる近代化の取組みに向けた再編提案を推進する
5. FDA は乳児用調製乳の安全性とサプライチェーンの回復力を強化するための措置に関する最新情報を提供する
6. FDA はメニュー表示に関する補足ガイダンス案について発表する
7. FDA は食品中の部分水素添加油に対する最終行政措置を完了する
8. 安全情報
9. 警告文書
10. リコール情報

【EPA】
1. 地域を PFAS 汚染から守るための着実な前進を示す年次報告書を発表
2. TSCA によるリスク評価で5化合物を優先する手続きを開始

【CDC】
1. シナモンアップルソースパウチ製品に関連した鉛中毒の発生

【USDA】
1.2025食事ガイドライン助言委員会第4回会合の登録開始

【CFIA】
1. 様々なブランドのカフェイン入りエナジードリンクは、カフェイン含有量とラベルの問題により安全ではない可能性がある

【FSANZ】
1. 食品基準通知
2. 食品基準ニュース

【APVMA】
1. クロルピリホスの再検討に関する規制上の決定案

【TGA】
1. 規則を遵守したコンテンツの作成をすること
2. 安全性助言
3. リコール情報

【NSW】
1.2023夏の Foodwise ニュースレター

【MPI】
1. リコール情報
2. 公衆衛生警告:Kawhia 地域の貝類バイオトキシン警告

【香港政府ニュース】
1. 食品中の有害物質規則(改正)2021が本日発効する
2. 違反情報

【MFDS】
1.日本産輸入食品の放射能検査の結果
2. アプラスで結んだ協力、国内食品のベトナム輸出拡大につながる
3. ビタミン K2を健康機能食品成分として許容推進
4.「代替食品表示ガイドライン」を設け、食品産業活性化支援
5. 抗生物質耐性予防のための実践方法を提供
6. アジア-太平洋地域の食品安全事故への対応能力強化のための協力主導
7. 生成型人工知能(AI)を活用して、信頼性のある食医薬安全情報拡散の先頭に立つ
8. リコール情報

【SFA】
1. Tangs Market の食品用トレイにネズミが乗っている動画に関する SFA-NEA 共同声明
【FSSAI】
1. インド代表が第46回コーデックス総会で賞賛される
2. コーデックスはインドの雑穀規格を称賛

【その他】
・食品安全関係情報(食品安全委員会)から

別添

【EFSA】欧州食品リスク評価フェローシッププログラム(EU-FORA2.0)シリーズ6